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Vol.15 (1994/2[168])

<外国情報>
英国West Midlands州で開始したHIVの能動的サーベイランス


 英国中央部のWest Midlands州で新しいシステムのHIVサーベイランスを開始した。この方法は,各地区で確認したHIV抗体陽性者を暗号化し,詳細なデータと共に州のデータベースに登録し,3月と9月に定期的に更新してゆくものである。データの更新は各地区保健所の感染症コンサルタントが行い,データベースは州保健局が管理し,データは両者で共有される。現行のAIDSの症例報告や記名式のHIV検査報告に比べて,感染者の生死,臨床状態,居住区等が定期的に更新できる利点がある。

 1993年3月末までに840名の感染者が登録された。死亡,移動,居住区不明,州外居住者を除き492名がWest Midlands州に住み,うち45%がバーミンガムの住人で,49%が居住区で治療を受けていた。感染様式は58%が同性間性交渉,18%が血液関連,8%がIDU,13%が異性間性交渉であった。居住区や治療を受けている地区が不明であったり,過去2年以上報告がない例が多い等の点が改善を要する。

 本システムにより,守秘性を保ちつつ,正確かつ新しい疫学データが得られることが判明した。他州においても開始されるよう推奨したい。

(CDSC,CDR,3,RbX,R127,1993)






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