Vol.15 (1994/4[170])
最近,E. coli O157による実験室内感染について2例の報告があった。いずれも過失による感染ではない。実験室感染が疑われた1例は重度の腎障害のため透析を必要とし,他の1例は血性下痢となった。いずれの事例も患者からE. coli O157が検出され,発症前に実験室で取扱っていた菌とファージ型,分子型等は同一で両者の区別はできなかった。以上から,E. coli O157の人に対する感染菌量は少ないことが推察される。 (CDSC,CDR,4,bV,29,1994)