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Vol.15 (1994/11[177])

<外国情報>
キノコの胞子の吸入による呼吸器疾患,1994−米国・ウィスコンシン


 1994年4月8〜14日にウィスコンシンで8名(16〜19歳)のLycoperdon perlatum(ホコリタケ)の吸入による呼吸器疾患が発生した。4月3日,あるパーティーで一部の人々がホコリタケを吸入し,咀嚼した。他の人々がこのような行為をしたかどうかは不明であったが,麻薬等の使用はなかった。6〜12時間以内に3名が嘔き気および嘔吐を訴えた。3〜7日以内にすべての患者に咳,39.4℃までの発熱,息切れ,筋肉痛および疲労感がみとめられた。5名が入院し,2名は気管挿管がなされた。2名の患者は喘息で,ステロイドの吸入治療を受けていた。全入院患者の胸部X線像で両側の細小結節性浸潤が認められ,2名が気管支からの肺生検,また他の1名は肺切開生検を受けた。肺生検材料の病理組織検査では炎症像とLycoperdon胞子による酵母様構造物の存在が認められた。入院したすべての患者はステロイドで,また4名はアンホテリシンBやアゾール剤による抗真菌治療を受け,1〜4週間以内に後遺症なしに回復した。

(CDC,MMWR,43,29,525,1994)






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