HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.16 (1995/2[180])

<外国情報>
A型肝炎,1993−シンガポール


 1993年に報告された急性ウイルス肝炎317例中173例(55%)がA型肝炎であった。全例散発例で,HAV IgM抗体検出により確定診断された。25〜34歳の罹患率が最も高く,男女比は2.3:1であった。98例は輸入例(主に東南アジア49%とインド亜大陸26%)で,約10%はシンガポール到着前,4分の1は到着後2週間以内に発症した。17例は入院を要せず,33例は1週間未満,11例は1週間,17例は2週間,1例は5週間以上入院し,全例回復した。

 78例(45%)は発症前3カ月以内に貝類を食べており,36%は二枚貝の“Tua Tow”,28%はトリ貝を食べていた。“Tua Tow”は他の貝のように生では食べず,貝が口を開けるまで揚げて食べるが,この調理温度ではウイルス不活化には不十分と思われる。

 1993年に採血された健康者930例についての調査では,HAV lgG抗体保有率は全体で26%,25歳未満ではわずか2.5%,25〜34歳31%,35〜44歳52%,45歳以上77%であった。全年齢群における抗体保有率は1975年,1984年〜85年の調査より一層低下していた。

(Singapore ENB,20,No.7,37,1994)






前へ 次へ
copyright
IASR