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Vol.16 (1995/2[180])

<外国情報>
英国の輸入マラリア,1992&1993


 1991年2,332名とピークに達した英国の輸入マラリア感染者数は1992年1,629名,1993年1,922名と低下した。1992年および1993年の輸入マラリア患者計3,551例中74例はスコットランドから,45例はウェールズ,13例は北アイルランドからの報告である。これらの輸入マラリアは1987年までは三日熱マラリア(Plasmodium vivax)感染者が多かったが,それ以降は熱帯熱マラリア(P. falciparum)患者の方が多くなっている(図1)。

 1992年および1993年の2年間の熱帯熱マラリアで死亡した14例(他にガーナからの1例が四日熱マラリアがもとで肺炎を起こし死亡している)中12例はアフリカで感染し(ガンビア,ナイジェリア,シエラレオネ,ザンビア,ジンバブエ各1例,ガーナ2例,ケニア5例),2例はインドで感染したものである。これら14例中12例は現地での予防が不十分で,うち8例は全く予防がなされていなかった。また,2名は診断が遅れたために死亡している。

 マラリア流行地に出かけた旅行者の旅行目的をみると2つに分けられる。第1のグループは旅行前は英国に住んでおり,里帰り,休暇旅行,出張で出かけて感染した例で,もう1つのグループは海外居住者が移民や英国への訪問の際に発病した例である。

(CDSC,CDR,4,Review No.13,R169,1994)



Figure 1 Malaria in the United Kingdom:reports to the Malaria Reference Laboratory 1984 to 1993





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