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1985年,結核の増加によってHIV感染の流行が認識された。結核の管理と予防のためには,特に地域におけるHIV感染と結核の相互作用の解析が必要である。この報告は1982〜93年のシカゴにおける結核の発生頻度と,1989〜93年における結核とHIV/AIDSとの同時感染をまとめたものである。1989〜93年に登録された3,738例の結核患者と,1994年3月までに登録された8,207例のAIDS患者を比較し,名前,生年月日により両方に登録された患者が同一人かどうか調べた。1982〜87年の間に結核は39%減少しているが,1987〜93年には23%増加した。1989〜93年におけるAIDSでない結核の年間患者数は633から677の増加(7%)であった。1989〜93年に合計458例のAIDSと結核の同時感染例が確認された。全結核症例のうち,同時感染例の割合は1989年の8%から1993年の15%へ増加している。458例の同時感染例のうち,肺結核のみがAIDS関連疾患のものは全体の17%で,残りは他のAIDS関連疾患をもっていた。1989〜93年に非ヒスパニック系黒人がAIDS症例の50%、結核症例の62%、および同時感染例の71%を占めた。非ヒスパニック系白人はAIDSの36%であるが,結核の15%,同時感染例の12%であった。薬物使用は同時感染例の52%を占めた。シカゴで新たに診断された結核患者のうち,15%以上がHIV陽性であったことは,すべての結核患者におけるHIV検査,早急な接触者調査,および接触者に対するイソナイアジドの予防的投薬の重要性を強調している。
(CDC,MMWR,44,No.11,227,1995)
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