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1991年1月に始まった中央および南アメリカのコレラ大流行はいまだに拡大している。一方,南アジアでは1992年の終り頃から始まったコレラの新しい病原菌であるVibrio cholerae O139による大流行も広がり続けている。
西半球で1991年1月〜1994年9月までに発生したコレラ総数は1,041,422事例,死者9,642(致命率0.9%)であった。1993年は事例数204,543,死者2,362名,1994年1月1日〜9月1日までの総数は92,845事例,死者882名であった。この両年,報告数は数カ国で減少したが,中央アメリカの数カ国,ブラジルおよびアルゼンチンでは増加し続けている。
V. cholerae O139によるコレラ流行は南アジアの少なくとも11カ国に広がっている。しかしながら,コレラ流行地域ではコレラの報告をその原因菌(コレラ菌またはV. cholerae O139)で区別して届けていないことから,V. cholerae O139によるコレラの実数は不明であるものの,10万事例以上が発生しているものと推定される。
米国では1993年22事例,1994年47事例のコレラがCDCに報告されたが,65(94%)は海外渡航者であり,うち3例はV. cholerae O139によるもので,アジアへの旅行者から分離された。
(CDC,MMWR,44,No.11,215,1995)
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