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1994〜95年にサルモネラの稀な血清型による感染例が13州の衛生局からCDCに報告されたが,患者は直接あるいは間接的に爬虫類(トカゲ,ヘビ,カメ等)に接触していた。事例の多くで同一の血清型が患者と接触した爬虫類から分類された。敗血症や髄膜炎が数事例でみられた。
コネチカット州:1995年1月,40歳男性が便秘,後背部痛,悪寒,発熱で入院し,血液培養でSalmonella Wassenaarが分離された。右仙骨骨髄炎が疑われ,サルモネラ骨髄炎の治療に有効なシプロフロキサシン投与を受け,14日後退院した。家庭で2匹のイグアナを飼っていたが,患者はそのイグアナに直接接触してはいなかったものの,最近その水槽を洗浄していた。2匹のイグアナの糞便からS. Wassenaarが分離された。
ニュージャージー州:1994年9月,5カ月女児が嘔吐,昏睡,発熱で入院し,血液および髄液からS. Rubislawが分離された。サルモネラ敗血症や骨髄炎に有効なセフタジジムの静脈内投与を受け,10日後退院した。家族は爬虫類を飼っていなかったが,患児の子守がイグアナを飼育しており,その乳児は時々子守の家へ行っていた。子守とその家族に発症者はいなかったものの,2名の便からS. Rubislawが分離された。
ニューヨーク州:1994年12月,45歳のHIV感染男性が衰弱,吐気,嘔吐,下痢で入院し,血液および喀痰からS. Arizonaeが分離された。患者はヘビを飼育し,発病直前までペット店で働いており,爬虫類を頻繁に取り扱っていた。サルモネラ敗血症と診断され,シプロフロキサシンの経口投与を受けた。
ノースカロライナ州:1994年12月,8週間早く出生した2日齢男児が呼吸困難になり,気胸と診断され,入院した。9日後の血液培養からS. Kintamboが分離された。アンピシリンの静脈内投与を受け,30日後退院した。この事例でサルモネラが最初に分離されてから11日目に,28週で出生した同室の男児が急性症状を呈し,その血液からS. Kintamboが培養された。この男児はセフォタキシムの静脈内投与を受け,44日後退院した。初めの事例の母親は出産の4日前下痢をしており,彼女はケージに入れて台所で飼育していたトカゲをよく手にとっていた。そのトカゲの便からS. Kintamboが分離された。
オハイオ州:1994年1月,6週齢男児が下痢,頚部硬直,発熱で入院し,血液および髄液からS. Stanleyが分離された。セフォタキシムの静脈内投与を受け,56日後退院した。家庭でカメを飼育しており,その便から,S. Stanleyが分離された。患児以外の家族はカメに直接接触しており,カメの餌や水のみ容器を台所の流しで洗っていた。
ペンシルバニア州:1994年10月,21日齢女児が嘔吐,血性下痢,発熱で入院し,アンピシリンの静脈内投与を受け,11日後退院した。便からS. Poonaが分離された。家族がイグアナを飼育しており,その便からS. Poonaが分離された。患児の母親やその他の家族はよくそのイグアナを手にとっていた。
以上の他,7つの州(カリフォルニア,コロラド,フロリダ,イリノイ,ミネソタ,オレゴン,ユタ)でも爬虫類との接触によるサルモネラ症が報告されている。CDCは爬虫類からヒトへのサルモネラ伝播を予防するための勧告を出している。
(CDC,MMWR,44,No.17,347,1995)
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