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米国CDCが淋病の治療に推奨しているフロロキノロン系薬剤のシプロフロキサシンおよびオフロキサシン耐性淋菌による事例が報告された。
デンバー:患者は35歳男性,約1カ月間排尿障害および排膿があり1995年5月受診した。発症2カ月前にフィリピンを旅行し7〜8人の売春婦と接触をもった。帰国後の性交渉はない。治療はオフロキサシンおよびドキシサイクリンの経口投与を行ったが2週間後症状の改善はなく,オフロキサシンおよびエリスロマイシンを経口投与した。10日後キノロン耐性淋菌感染が疑われたため,セフトリアキソンの筋注に変更し症状は改善した。
シアトル:1995年5月末〜8月初めシアトル在住の8人からフロロキノロン耐性淋菌が検出された。これは同期間に検出された淋菌225の4%に相当する。8人中5人(63%)は売春婦あるいはそのパートナーであった。耐性菌に感染した患者はいずれも海外渡航歴がなく,キノロンによる治療歴もない。8人からの分離菌はすべて同一のA/Sクラス,Proto/IB-1,薬剤感受性(シプロフロキサシンおよびオフロキサシン耐性:MIC,8.0μg/ml)を示し,同一淋菌による感染が示唆された。
(CDC,MMWR,44,No.41,761,1995)
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