|
「食品の微生物学的安全性に関する委員会」では,すべての下痢症の糞便についてE. coli O157の検査を行うよう勧告した。これまで多くの臨床検査室では血性下痢患者の便のみを対象にO157の検査を実施していたが,血便がみられるのはO157感染患者の約半数にすぎない。農水省でもサーベイランスのために,家畜,食品,環境等からのO157検出法の評価,型別法の改善を図ることとし,さらに食品の取扱―貯蔵,加熱,器具を介した二次汚染の除去―の徹底を指示した。
英国におけるO157の検出数は1980年代初期は10以下であったが1994年は656まで増加した。発生は春〜夏に多い。O157の検査は,1)すべての下痢便,2)便からO157が検出された患者のすべての材料,3)HUS患者の便,4)血便,5)出血性大腸炎患者の便,6)腎不全患者の便,7)海外からの帰国した患者の便,を対象とし,検出されたO157分離株は,確認と各種性状検査のためにPHLS中央公衆衛生研究所の腸内細菌センター(LEP)に送付される。
(CDSC,CDR,5,No.31,147,1995)
|