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Vol.17 (1996/1[191])

<外国情報>
急性熱性疾患および肺出血の発生,1995−ニカラグア


 1995年10月,ニカラグアのレオン州で急性熱性疾患により3名が死亡した。さらに2週間の間に発熱,悪寒,頭痛,筋肉痛と伴う急性疾患患者が少なくとも400名みられた。このうち150名と近郊の150名は激しい腹痛,低血圧,呼吸困難を伴う重症で病院に収容され,少なくとも13名が呼吸困難および肺出血により死亡した。

 当初はデングおよびデング出血熱が疑われたが,血清反応,血清を材料としたPCR試験により否定された。さらに,新世界アレナウイルス,LCMウイルス,ハンタウイルス,他のブンヤ,フィロ,フラビ,ラブド,トガの各ウイルス,紅斑熱群・発疹チフス群リケッチア,エールリキア,Q熱など節足動物媒介および人畜共通感染症の病原体も血清反応により否定された。

 4名の死亡例についてCDCにおける組織検査で,2例の腎臓と肝臓の鍍銀染色により典型的なレプトスピラの虫体が,3例目では非定型的な虫体が検出された。さらに16種類のレプトスピラ抗体を用いた免疫組織学的検査で,これら虫体からレプトスピラ抗原が検出された。これらの組織はデング,黄熱,ハンタ,アレナ,エボラウイルス抗体では陰性であった。

 レプトスピラ症は全世界にあり,ヒトへの感染は感染動物の尿に直接あるいは間接に接触することによる。肺症状や肺出血を伴う重症例は西半球では少ないが,韓国,中国では多発している。

(CDC,MMWR,44,No.44,841,1995)






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