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Vol.17 (1996/7[197])

<外国情報>
大腸菌O157:H7の流行,1995年6月−米国・ジョージア州とテネシー州


 最初に1995年6月26日に北ジョージアで3名のO157:H7感染が届けられた。テネシーとの州境があったため,テネシー州保健局にも通報され調査が行われた。さらに2名の患者が確認され,Aファーストフードチェーン店のハンバーガーの喫食が原因と考えられた。引き続き両州で,6月11日〜25日の間に発病し,O157:H7が確認されたもの,またはその同居人で72時間以内に腹痛や血便をみたものを患者とした広範囲な調査が開始された。その結果,10症例が確認され,年齢は7〜89歳に分布し,7名が男性であった。潜伏期間の平均は7日で,全例で大量の血便と激しい腹痛がみられた。8症例についてさらに詳しく調査がされ,そのうち7名がAファーストフードチェーン店のハンバーガーを喫食しており,因果関係が示唆された。6株でRFLPが一致し,異なっていた1株はハンバーガーを喫食していなかった患者からのものであった。店の査察では,患者発生から4日目に調査されたためか,牛挽き肉からは菌が分離されなかった。当局は,Aチェーン店のハンバーガーが今回の流行の原因と結論し,レストランの調理法等の指導をした。

 1993年1月〜1995年9月までに,大腸菌O157:H7による流行が32州から計63件CDCに報告されている。

(CDC,MMWR,45,No.12,249,1996)






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