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アラスカのJuneauで1996年2月16日〜4月25日に,学童を中心に7校で麻疹の流行が発生し,63名の患者が出た。15名の鼻咽喉から麻疹ウイルスが分離され,解析の結果,最近ヨーロッパで分離された株と遺伝子型が同じで,1989〜92年に米国内で流行した株とは異なるものであることが判明した。Juneauでの流行に先んじて,Juneauへの玄関口であるワシントン州Seattle-Tacoma空港関連の麻疹流行が起こっており,そこから伝播したものと考えられた。患者のうち33名(52%)は麻疹ワクチンを1回受けていた。30名(48%)は全く受けておらず,うち12名は宗教上の理由によるものであった。Juneauでは,1995年には5,400名の学童のうち99%は麻疹ワクチンを少なくとも1回受けている。今回の流行は,1回の接種では麻疹の流行を防ぎ得ないため2〜5%と推定されるnon-responderをカバーするためには2回接種が必要であることを示している。この流行の結果,アラスカ州当局は,すべての幼稚園児と小学1年生に対し,2回目のワクチンの接種を受けることを就学のために要求している。
(CDC,MMWR,45,No.36,777,1996)
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