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Vol.17 (1996/11[201])

<外国情報>
ライム病の現状,1995−米国


 1995年,米国内で11,603名のライム病患者が発生した。1994年と比較して患者数は1,440名(11%)減少した。患者発生地域は北東部,中北部および中部大西洋地区8州(コネチカット,ロードアイランド,ニューヨーク,ニュージャージー,ペンシルバニア,メリーランド,ウィスコンシン,ミネソタ)に集中しており,特にコネチカットおよびロードアイランド州では人口10万人当たり患者数が30名を超えている。一方,アラスカ,コロラド,ハワイ,アイダホ,モンタナ,ノースダコタ,サウスダコタの7州では患者報告はなかった。患者の年齢は,35〜49歳が24%,14歳以下が24%であった。また性別は男性51%であった。1994年と比較して患者数が減少した理由として,1)北東部ではライム病ボレリアを媒介するマダニ(Ixodes scapularis)の数が春先の少雨で減少したこと,2)ジョージア,ミズーリ州等の中,南部でBorrelia lonestari感染が原因と考えられるライム病様遊走性紅斑とライム病が血清診断により判別されるようになったことが考えられる。

 早期ライム病の治療にはアモキシシリンあるいはドキシサイクリンを用いる。マダニ刺咬にともなうエールリッヒア,バベシア感染の疑いがある場合は各々にテトラサイクリン,クリンダマイシン/キニーネを選択する。

(CDC,MMWR,45,No.23,481,1996,WHO,WER,71,No.43,324,1996)






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