『2000年(平成12年)の感染症発生動向について』

 
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[全数把握]
1類感染症
  エボラ出血熱   クリミア・コンゴ出血熱   ペスト   マールブルグ病   ラッサ熱

2類感染症
  コレラ   細菌性赤痢   腸チフス   パラチフス   急性灰白髄炎
  ジフテリア  

3類感染症
  腸管出血性大腸菌感染症  

4類感染症
  アメーバ赤痢   エキノコックス症   黄熱   オウム病   回帰熱
  急性ウイルス性肝炎   Q熱   狂犬病   クリプトスポリジウム症   クロイツフェルト・ヤコブ病
  劇症型溶血性レンサ球菌感染症   後天性免疫不全症候群   コクシジオイデス症   ジアルジア症   腎症候性出血熱
  髄膜炎菌性髄膜炎   先天性風疹症候群   炭疽   ツツガムシ病   デング熱
  日本紅斑熱   日本脳炎   乳児ボツリヌス症   梅毒   破傷風
  バンコマイシン耐性腸球菌感染症   ハンタウイルス肺症候群   Bウイルス病   ブルセラ症   発疹チフス
  マラリア   ライム病   レジオネラ症          

[4類定点把握疾患]
週報
  インフルエンザ   咽頭結膜熱   A群溶血性レンサ球菌咽頭炎   感染性胃腸炎   水痘
  手足口病   伝染性紅斑   突発性発疹   百日咳   風疹
  ヘルパンギーナ   麻疹(成人麻疹を除く)   流行性耳下腺炎   急性出血性結膜炎   流行性角結膜炎
  急性脳炎(日本脳炎を除く)   細菌性髄膜炎   無菌性髄膜炎   マイコプラズマ肺炎   クラミジア肺炎(オウム病を除く)
  成人麻疹                

月報
  性器クラミジア感染症   性器ヘルペスウイルス感染症   尖形コンジローム   淋菌感染症   メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
  ペニシリン耐性肺炎球菌感染症   薬剤耐性緑膿菌感染症            


都道府県別の記載は、報告のあった都道府県を示すもので、必ずしも感染地をあらわすものではありません。



[全数把握]
◎1類感染症
エボラ出血熱
報告なし。
 
クリミア・コンゴ出血熱
報告なし。
 
ペスト
報告なし。
 
マールブルグ病
報告なし。
 
ラッサ熱
報告なし。

UP

◎2類感染症
コレラ
年間報告数は58例であり、性別では男性36例(62%)、女性22例(38%)であった。年齢別では20〜30歳代、50歳代、70歳以上などに多くみられた。時期的には38週(9月中〜下旬)に7例と多くみられたが、全体的に特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(7例)、千葉県(6例)、北海道、愛知県、奈良県、広島県、福岡県(各4例)などの報告がみられた。
 
細菌性赤痢
年間報告数は843例で、性別では男性416例(49%)、女性427例(51%)であった。年齢別では20歳代に多かったが、全年齢層にわたってみられた。時期的には3月上旬〜4月中旬と8月下旬〜11月上旬に集積する傾向がみられた。都道府県別では東京都(142例)、神奈川県(71例)、大阪府(68例)などの報告が多かった。
 
腸チフス
年間報告数は86例であり、性別では男性59例(69%)、女性27例(31%)であった。年齢別では20歳代に多くみられた。時期的には4月に多くみられた。都道府県別では東京都(14例)、大阪府、兵庫県(各8例)などの報告がみられた。
 
パラチフス
年間報告数は20例であり、性別では男性9例(45%)、女性11例(55%)であった。年齢別では20歳代に多くみられた。時期的には5月下旬〜11月上旬にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(7例)、千葉県、大阪府(各4例)などの報告がみられた。
 
急性灰白髄炎
年間報告数は1例で男性、年齢別では35〜39歳で、22週(5月下旬〜6月初旬)に宮崎県より報告された。患者便中よりワクチン株(Sabin3型)が確認されたが、患者本人はワクチン被接種者ではなく、二次的感染例であるとされている。
 
ジフテリア
年間報告数は1例で女性、年齢別では25〜29歳であった。20週(5月中旬)に栃木県より報告された。

UP

◎3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症
年間報告数は3,642例であり、性別では男1,632例(45%)、女2,010例(55%)であった。年齢別では1〜4歳、5〜9歳に多かったが、幅広い年齢層にわたってみられた。時期的には6月下旬より9月下旬にかけて多くみられた。都道府県別では大阪府(345例)、福岡県(317例)、東京都(312例)などの報告が多かった。

UP

◎4類感染症
アメーバ赤痢
年間報告数は378例であり、性別では男性341例(90%)、女性37例(10%)で男性に多かった。年齢別では30歳代から50歳代にかけて多くみられた。時期的に特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(93例)、大阪府(55例)、兵庫県(39例)などの報告が多かった。
 
エキノコックス症
年間報告数は22例であり、性別では男性8例(36%)、女性14例(64%)であった。年齢別ではすべて25歳以上であったが、特に70歳以上に多くみられた。時期的には6週(2月上〜中旬)に6件みられたこと以外、特別な傾向はみられなかった。都道府県別ではほとんどが北海道(21例)であったが、福島県(1例)からも報告があった。
 
黄熱
報告なし。
 
オウム病
年間報告数は18例であり、性別では男性7例(39%)、女性11例(61%)であった。年齢別では全て20歳以上にみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では福島県、東京都(各3例)、埼玉県、千葉県、岡山県(各2例)などの報告があった。
 
回帰熱
報告なし。
 
急性ウイルス性肝炎
年間報告数は991例であり、性別では男性623例(63%)、女性368例(37%)であった。年齢別では20歳代に多い傾向がみられたが、それ以上の年齢層でも少なからずみられた。時期的には10月に入ってからはやや少なかったこと以外、特別な傾向はみられなかった。都道府県別では兵庫県(111例)、東京都(105例)、大阪府(101例)などの報告が多かった。
 
Q熱
年間報告数は24例であり、性別では男性9例(37%)、女性15例(63%)であった。年齢別では特別な傾向はみられなかった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では北海道、宮城県(各8例)、静岡県(6例)などの報告がみられた。
 
狂犬病
報告なし。
 
クリプトスポリジウム症
年間報告数は3例であり、性別では男性2例、女性1例であった。年齢別では20〜24歳が2例、30〜34歳が1例であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では千葉県(2例)、東京都(1例)から報告があった。
 
クロイツフェルトヤコブ病
年間報告数は108例であり、性別では男性49例(45%)、女性59例(55%)であった。年齢別では50歳代より急に増え始め、それ以降年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(14例)、兵庫県(10例)、愛知県(9例)などの報告があった。
 
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
年間報告数は47例であり、性別では男性26例(55%)、女性21例(45%)であった。年齢別では40歳代より年齢とともに増える傾向がみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(9例)、兵庫県(5例)、神奈川県(4例)などの報告があった。
 
後天性免疫不全症候群
年間報告数は794例であり、性別では男性673例(85%)、女性121例(15%)と男性に多かった。年齢別では25〜29歳から35〜39歳に多く、それ以降年齢とともに徐々に減少していた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(315例)、千葉県(60例)、神奈川県(58例)などの報告が多かった。
 
コクシジオイデス症
年間報告数は1例であり、男性であった。年齢別では25〜29歳であった。15週(4月中旬)に東京都から報告された。
 
ジアルジア症
年間報告数は98例であり、性別では男性73例(74%)、女性25例(26%)であった。年齢別では20歳代に多い傾向がみられたが、それ以上の年齢でも多少の発生がみられた。時期的には15週(4月中旬)に8例みられたこと以外、特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(19例)、大阪府(14例)、神奈川県(12例)などの報告が多かった。
 
腎症候性出血熱
報告なし。
 
髄膜炎菌性髄膜炎
年間報告数は15例であり、性別では男性11例(73%)、女性4例(27%)であった。年齢別では20歳未満に多かったが、50歳代以上にも多少みられた。時期的には2月に5例と多くみられた。都道府県別では神奈川県(3例)、千葉県、静岡県(各2例)などの報告があった。

UP

先天性風疹症候群
年間報告数は1例であり、女性であった。年齢別では0歳で、26週(6月下旬〜7月上旬)に大阪府より報告された。
 
炭疽
報告なし。
 
ツツガムシ病
年間報告数は791例であり、性別では男性432例(55%)、女性359例(45%)であった。年齢別では40歳代から年齢とともに増加し、特に70歳以上に多くみられた。時期的には5月下旬〜6月上旬と11月上旬〜12月下旬の2シーズンに多くみられた。都道府県別では鹿児島県(134例)、宮崎県(93例)、千葉県(60例)などの報告が多かった。
 
デング熱
年間報告数は18例であり、性別では男性11例(61%)、女性7例(39%)であった。年齢別では20〜44歳に多い傾向がみられた。時期的には6〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(12例)からの報告が多かった。
 
日本紅斑熱
年間報告数は38例であり、性別では男性21例(55%)、女性17例(45%)であった。年齢別では65〜69歳と70歳以上に多くみられた。時期的には全て5月以降であった。都道府県別では島根県(10例)、千葉県(9例)、兵庫県(6例)などの報告がみられた。
 
日本脳炎
年間報告数は7例であり、性別では男性1例、女性6例であった。年齢別では35〜39歳、40〜44歳に各1例、65〜69歳に2例、70歳以上に3例みられた。時期的にはほとんどが9月にみられた。都道府県別では山口県(2例)、岡山県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県(各1例)などの報告があった。
 
乳児ボツリヌス症
報告なし。
 
梅毒
年間報告数は759例で、性別では男性512例(67%)、女性247例(33%)であった。年齢別では20歳代に多く、それ以上の年齢ではゆるやかな減少傾向を示し、70歳以上ではまた増えていた。0歳児の梅毒患者が6例報告された。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では大阪府(130例)、東京都(121例)、福岡県(60例)などの報告が多かった。
 
破傷風
年間報告数は91例であり、性別では男性59例(65%)、女性32例(35%)であった。年齢別では45歳以上で年齢とともに増加する傾向がみられ、70歳以上でも多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では鹿児島県(10例)、東京都(7例)、兵庫県(6例)などの報告がみられた。
 
バンコマイシン耐性腸球菌症
年間報告数は36例で、性別では男性20例(56%)、女性16例(44%)であった。年齢別では高齢者に多い傾向があり、70歳以上が20例を占めたが、25〜29歳に3例、0歳児に4例の報告もみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(7例)、秋田県(5例)、埼玉県、千葉県、兵庫県、福岡県、鹿児島県(各3例)などの報告があった。
 
ハンタウイルス肺症候群
報告なし。
 
Bウイルス病
報告なし。
 
ブルセラ症
報告なし。
 
発疹チフス
報告なし。
 
マラリア
年間報告数は154例であり、性別では男性115例(75%)、女性39例(25%)であった。年齢別では20歳代、次いで30歳代に多くみられた。時期的には4月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(61例)からの報告が多く、次いで神奈川県(17例)、大阪府(12例)などであった。
 
ライム病
年間報告数は12例であり、性別では男性7例、女性5例であった。年齢別では10〜14歳から70歳以上にわたり、特別な傾向はみられなかった。時期的には4〜11月に散発的にみられた。都道府県別ではほとんどが北海道(11例)からの報告であったが、兵庫県(1例)からの報告もあった。
 
レジオネラ症
年間報告数は154例であり、性別では男性125例(81%)、女性29例(19%)と男性に多くみられた。年齢別では45〜49歳より年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には3月下旬〜4月中旬と7月中旬〜8月上旬に多くみられた。都道府県別では茨城県(31例)、静岡県(30例)、東京都(11例)などの報告がみられた。

UP

[4類定点把握疾患]
インフルエンザ
定点からの年間報告数は769,964例(定点当たり年間報告数167.93)であり、性別では男性394,302例(51%)、女性375,662例(49%)であった。年齢別では5歳にピークがあり、10歳未満が全体の58%を占めた。時期的には1〜2月に多く、5週(2月上旬)にピークがみられた。都道府県別では富山県(定点当たり317.44)、愛媛県(261.77)、三重県(261.38)などの報告が多かった。
 
咽頭結膜熱
定点からの年間報告数は20,295例(定点当たり年間報告数6.81)であり、性別では男性10,934例(54%)、女性9,361例(46%)であった。年齢別では3〜4歳をピークとし、1〜6歳に多くみられた。時期的には30週(7月下旬)をピークとし、夏季に多くみられた。都道府県別では和歌山県(定点当たり29.84)、徳島県(22.91)、愛媛県(19.72)などの報告が多かった。
 
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
定点からの年間報告数は158,143例(定点当たり年間報告数53.10)であり、性別では男性85,595例(54%)、女性72,548例(46%)であった。年齢別では5歳をピークとし、その前後の年齢に多くみられた。時期的には5月下旬〜6月中旬と12月上〜中旬に2つのピークがあり、夏季には少ない傾向がみられた。都道府県別では鳥取県(定点当たり251.79)、宮崎県(109.81)、新潟県(102.97)などの報告が多かった。
 
感染性胃腸炎
定点からの年間報告数は886,174例(定点当たり年間報告数297.57)であり、性別では男性467,293例(53%)、女性418,881例(47%)であった。年齢別では1歳をピークとし、0〜5歳に多くみられた。時期的には3月上〜中旬と12月中〜下旬に2つのピークがあり、夏季の後半〜秋季の前半にかけてない傾向がみられた。都道府県別では鳥取県(定点当たり583.74)、福井県(562.52)、宮崎県(551.41)などの報告が多かった。
 
水痘
定点からの年間報告数は275,036例(定点当たり年間報告数92.36)であり、性別では男性144,307例(52%)、女性130,729例(48%)であった。年齢別では1〜4歳に多く、1歳にピークがみられた。時期的には年末年始と5月頃にピークがあり、夏季の後半〜秋季の前半にかけて減少する傾向がみられた。都道府県別では山形県(定点当たり146.14)、宮崎県(141.65)、新潟県(137.05)などの報告が多かった。
 
手足口病
定点からの年間報告数は205,365例(定点当たり年間報告数68.96)であり、性別では男性112,456例(55%)、女性92,909例(45%)であった。年齢別では1歳をピークとし、1〜5歳に多くみられた。時期的には夏季に多くみられ、28週(7月中旬)にピークを形成し、冬季に少ない傾向がみられた。都道府県別では佐賀県(定点当たり170.78)、熊本県(167.04)、山形県(147.21)などの報告が多かった。
 
伝染性紅斑
定点からの年間報告数は34,253例(定点当たり年間報告数11.50)で、性別では男性17,060(50%)、女性17,193(50%)であった。年齢別では5歳をピークとし、3〜7歳に多くみられた。時期的には5〜7月に多く、年末年始にもなだらかなピークがみられた。都道府県別では山形県(定点当たり28.72)、宮城県(25.23)、長野県(22.18)などの報告が多かった。
 
突発性発疹
定点からの年間報告数は126,785例(定点当たり年間報告数42.57)であり、性別では男性65,467例(52%)、女性61,318例(48%)であった。年齢別では6〜12ヶ月未満をピークとし、他はほとんどその前後の年齢であった。時期的には5〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では佐賀県(定点当たり82.78)、大分県(65.56)、宮崎県(64.73)などの報告が多かった。
 
百日咳
定点からの年間報告数は3,804例(定点当たり年間報告数1.28)で、性別では男性1,858(49%)、女性1,946(51%)であった。年齢別では6〜12ヶ月未満、6ヶ月未満などに多い傾向がみられた。時期的には4〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では大分県(定点当たり3.50)、鹿児島県(2.73)、新潟県(2.55)などの報告が多かった。
 
風疹
定点からの年間報告数は3,123例(定点当たり年間報告数1.05)であり、性別では男性1,656例(53%)、女性1,467例(47%)であった。年齢別では1歳をピークとし、0〜7歳が全体の76%を占めた。時期的には4〜6月にやや多くみられた。都道府県別では宮崎県(定点当たり8.32)、千葉県(2.48)、滋賀県(1.97)などの報告が多かった。

UP

ヘルパンギーナ
定点からの年間報告数は147,275例(定点当たり年間報告数49.45)で、性別では男性76,935(52%)、女性70,340(48%)であった。年齢別では1歳をピークとし、次いで2歳、3歳に多くみられた。時期的には6〜8月に多く、28週(7月中旬)にピークがみられた。都道府県別では宮城県(定点当たり101.26)、新潟県(95.58)、福島県(92.47)などの報告が多かった。
 
麻疹(成人麻疹を除く)
定点からの年間報告数は22,552例(定点当たり年間報告数7.57)であり、性別では男性12,327例(55%)、女性10,225例(45%)であった。年齢別では1歳をピークとし、その前後の年齢に多くみられた。時期的には春季になだらかなピークがみられた。都道府県別では高知県(定点当たり27.35)、香川県(27.09)、奈良県(26.79)などの報告が多かった。
 
流行性耳下腺炎
定点からの年間報告数は132,877例(定点当たり年間報告数44.62)であり、性別では男性71,430例(54%)、女性61,447例(46%)であった。年齢別では4〜5歳にピークがみられた。時期的には7月にも多少みられたが、12月に最も多くみられた。都道府県別では熊本県(定点当たり108.27)、山口県(104.27)、群馬県(89.44)などの報告が多かった。
 
急性出血性結膜炎
定点からの年間報告数は1,430例(定点当たり年間報告数2.29)であり、性別では男性692例(48%)、女性738例(52%)であった。年齢別では10歳未満に多く、次いで30歳代、20歳代に多くみられた。時期的には特別な傾向を認めなかった。都道府県別では長崎県(定点当たり30.75)、長野県(5.20)、山口県(4.56)などの報告が多かった。
 
流行性角結膜炎
定点からの年間報告数は40,873例(定点当たり年間報告数65.40)であり、性別では男性20,811例(51%)、女性20,062例(49%)であった。年齢別では10歳未満に最も多く、次いで30歳代、20歳代に多くみられた。時期的には7〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では茨城県(定点当たり186.63)、宮崎県(137.25)、長崎県(126.38)などの報告が多かった。
 
急性脳炎(日本脳炎を除く)
定点からの年間報告数は149例(定点当たり年間報告数0.32)であり、性別では男性81例(54%)、女性68例(46%)であった。年齢別では1〜4歳をピークとし、0〜9歳に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では栃木県(定点当たり1.33)、沖縄県(1.14)、福井県(1.00)などの報告が多かった。
 
細菌性髄膜炎
定点からの年間報告数は256例(定点当たり年間報告数0.56)であり、性別では男性148例(58%)、女性108例(42%)であった。年齢別では0〜4歳が多く、59%を占めていた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では沖縄県(定点当たり1.86)、佐賀県(1.80)、栃木県(1.67)などの報告が多かった。
 
無菌性髄膜炎
定点からの年間報告数は1,873例(定点当たり年間報告数4.08)であり、性別では男性1,159例(62%)、女性714例(38%)であった。年齢別では0〜9歳が多く、全体の74%を占めていた。時期的には夏季に多く、30週(7月下旬)にピークがみられた。都道府県別では鳥取県(定点当たり22.20)、滋賀県(17.67)、熊本県(15.67)などの報告が多かった。
 
マイコプラズマ肺炎
定点からの年間報告数は2,090例(定点当たり年間報告数4.55)であり、性別では男性947例(45%)、女性1,143例(55%)であった。年齢別では5〜9歳、1〜4歳、10〜14歳などに多くみられた。時期的には秋から漸増し、10月下旬から12月中〜下旬にかけて最も多くみられた。都道府県別では宮城県(定点当たり26.64)、秋田県(17.71)、沖縄県(15.71)などの報告が多かった。
 
クラミジア肺炎(オウム病を除く)
定点からの年間報告数は178例(定点当たり年間報告数0.39例)であり、性別では男性103例(58%)、女性75例(42%)であった。年齢別では0〜9歳と65歳以上に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では宮城県(定点当たり6.00)、山口県(2.50)、岡山県(1.60)などの報告が多かった。
 
成人麻疹
定点からの年間報告数は426例(定点当たり年間報告数0.93)であり、性別では男性213例(50%)、女性213例(50%)であった。年齢別では20〜24歳、15〜19歳、25〜29歳の順に多くみられた。時期的には5〜7月にかけて多くみられ、その後減少したが、年末には再び増加がみられた。都道府県別では神奈川県(定点当たり7.00)、東京都(4.80)、和歌山県(2.70)などの報告が多かった。

UP

性器クラミジア感染症
定点からの年間報告数は37,028例(定点当たり年間報告数41.28)であり、性別では男性15,856例(43%)、女性21,172例(57%)であった。年齢別では20〜24歳、25〜29歳、15〜19歳の順に多くみられた。時期的には6〜11月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では福岡県(定点当たり75.42)、熊本県(74.43)、群馬県(72.48)などの報告が多かった。
 
性器ヘルペスウイルス感染症
定点からの年間報告数は8,946例(定点当たり年間報告数9.97)であり、性別では男性3,907例(44%)、女性5,039例(56%)であった。年齢別では25〜29歳、20〜24歳、30〜34歳の順に多くみられた。時期的には夏季にやや多い傾向がみられた。都道府県別では大阪府(定点当たり31.33)、東京都(27.03)、熊本県(23.07)などの報告が多かった。
 
尖形コンジローム
定点からの年間報告数は4,553例(定点当たり年間報告数5.08)であり、性別では男性2,511例(55%)、女性2,042例(45%)であった。年齢別では20〜24歳、25〜29歳、15〜19歳の順に多くみられた。時期的には夏季にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(定点当たり14.82)、大阪府(10.57)、富山県(9.43)などの報告が多かった。
 
淋菌感染症
定点からの年間報告数は16,926例(定点当たり年間報告数18.87)であり、性別では男性14,196例(84%)、女性2,730例(16%)で、男性に多くみられた。年齢別では20〜24歳、25〜29歳、30〜34歳の順に多くみられた。時期的には夏〜秋季にやや多い傾向がみられた。都道府県別では福岡県(60.92)、大阪府(定点当たり53.96)、熊本県(34.57)などの報告が多かった。
 
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
定点からの年間報告数は18,013例(定点当たり年間報告数39.42)であり、性別では男性11,349例(63%)、女性6,664例(37%)であった。年齢別では0歳に多く、それ以降の年齢では少なくなったが、45〜49歳より年齢とともに再び増加し、70歳以上が全体の53%を占めた。時期的には8月に最も多くみられた。都道府県別では高知県(定点当たり99.57)、三重県(83.89)、島根県(83.71)などの報告が多かった。
 
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
定点からの年間報告数は4,321例(定点当たり年間報告数9.46)であり、性別では男性2,540例(59%)、女性1,781例(41%)であった。年齢別では0歳、1〜4歳、および高齢者に多くみられた。時期的には5月に多く、8〜9月にかけて減少し、年末にかけて再び増加がみられた。都道府県別では千葉県(定点当たり90.75)、宮城県(30.42)、山口県(29.83)などの報告が多かった。
 
薬剤耐性緑膿菌感染症
定点からの年間報告数は555例(定点当たり年間報告数1.21)であり、性別では男性364例(66%)、女性191例(34%)であった。年齢別では45〜49歳より年齢とともに増加し、70歳以上が全体の52%を占めた。時期的には5〜10月にかけて月毎に増加する傾向がみられた。都道府県別では高知県(定点当たり5.43)、広島県(4.65)、宮崎県(3.57)などの報告が多かった。

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