『2004年(平成16年)の感染症発生動向について』

 
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[全数把握]
1類感染症
  エボラ出血熱   クリミア・コンゴ出血熱
  重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)   痘そう(天然痘)
  ペスト   マールブルグ病   ラッサ熱

2類感染症
  コレラ   細菌性赤痢   腸チフス   パラチフス   急性灰白髄炎
  ジフテリア  

3類感染症
  腸管出血性大腸菌感染症  

4類感染症
  E型肝炎   ウエストナイル熱   A型肝炎   エキノコックス症   黄熱
  オウム病   回帰熱   Q熱   狂犬病   高病原性鳥インフルエンザ
  コクシジオイデス症   サル痘   腎症候性出血熱   炭疽   つつが虫病
  デング熱   ニパウイルス感染症   日本紅斑熱   日本脳炎   ハンタウイルス肺症候群
  Bウイルス病   ブルセラ症   発しんチフス   ボツリヌス症   マラリア
  野兎病   ライム病   リッサウイルス感染症   レジオネラ症   レプトスピラ症

5類感染症
  アメーバ赤痢   ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)   急性脳炎(ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除く)
  クリプトスポリジウム症   クロイツフェルト・ヤコブ病   劇症型溶血性レンサ球菌感染症  
  後天性免疫不全症候群   ジアルジア症   髄膜炎菌性髄膜炎
  先天性風しん症候群   梅毒   破傷風
  バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症   バンコマイシン耐性腸球菌感染症

[5類定点把握疾患]
定点
  RSウイルス感染症   咽頭結膜熱   A群溶血性レンサ球菌咽頭炎   感染性胃腸炎
  水痘   手足口病   伝染性紅斑   突発性発しん
  百日咳   風しん   ヘルパンギーナ   麻しん(成人麻しんを除く)
  流行性耳下腺炎   インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを除く)   急性出血性結膜炎   流行性角結膜炎
  性器クラミジア感染症   性器ヘルペスウイルス感染症   尖圭コンジローマ   淋菌感染症
  クラミジア肺炎(オウム病を除く)   細菌性髄膜炎(髄膜炎菌性髄膜炎を除く)   ペニシリン耐性肺炎球菌感染症   マイコプラズマ肺炎
  成人麻しん   無菌性髄膜炎   メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症   薬剤耐性緑膿菌感染症



都道府県別の記載は、報告のあった都道府県を示すもので、必ずしも感染地をあらわすものではありません。



[全数把握]
◎1類感染症
エボラ出血熱
報告なし。
 
クリミア・コンゴ出血熱
報告なし。
 
重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
痘そう
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
ペスト
報告なし。
 
マールブルグ病
報告なし。
 
ラッサ熱
報告なし。

UP

◎2類感染症
急性灰白髄炎
報告なし。
 
コレラ
年間報告数は86例であり、性別では男性63例(73%)、女性23例(27%)であった。年齢別ではほとんどが20歳以上であった。時期的には6〜9月に多くみられた。都道府県別では東京都(12例)、神奈川県(7例)、千葉県、静岡県、愛知県、広島県(各6例)などの報告がみられた。
 
細菌性赤痢
年間報告数は594例で、性別では男性268例(45%)、女性326例(55%)であった。年齢別では20代にピークがみられた。時期的には8〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(133例)、大阪府(57例)、千葉県(42例)、神奈川県(37例)などの報告がみられた。
 
ジフテリア
報告なし。
 
腸チフス
年間報告数は67例であり、性別では男性33例(49%)、女性34例(51%)であった。年齢別では20代にピークがみられた。時期的には1〜2月を除く殆ど全ての時期にみられたが、第18週(4月下旬〜5月上旬)には突発的に増加がみられた。都道府県別では東京都(17例)が多く、神奈川県、愛知県(各6例)、千葉県、兵庫県(各4例)などの報告がみられた。
 
パラチフス
年間報告数は88例であり、性別では男性67例(76%)、女性21例(24%)であった。年齢別では20代にピークがみられた。時期的には4〜6月、8〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(15例)、大阪府(11例)、愛知県(10例)などの報告がみられた。

UP

◎3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症
年間報告数は3,715例であり、性別では男性1,727例(46%)、女性1,988例(54%)であった。年齢別では全年齢層にみられたが、特に1〜9歳に多くみられた。時期的には7〜8月にピークを形成し、その前後に多くみられた。都道府県別では東京都(274例)、大阪府(262例)、岡山県(192例)、福岡県(191例)などの報告がみられた。

UP

◎4類感染症
E型肝炎
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
A型肝炎
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
エキノコックス症
○単包条虫
年間報告数は1例であり、性別は女性であった。年齢別では20〜24歳であった。時期的には41週(10月上旬)にみられた。都道府県別では群馬県からの報告であった。
○多包条虫
年間報告数は25例であり、性別では男性17例(68%)、女性8例(32%)であった。年齢別ではすべて20歳以上であり、55歳以降では年齢とともに増加傾向がみられた。時期的には特別な傾向はみられなかったが、第5週(1月下旬〜2月上旬)には突発的にやや多くみられた。都道府県別ではすべて北海道からの報告であった。
 
黄熱
報告なし。
 
オウム病
年間報告数は40例であり、性別では男性17例(43%)、女性23例(58%)であった。年齢別では35歳以上に多くみられた。時期的には4〜5月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では大阪府(7例)、東京都、静岡県、広島県、福岡県(各3例)などの報告がみられた。
 
回帰熱
報告なし。
 
Q熱
年間報告数は7例であり、性別では男性3例、女性4例であった。年齢別では特別な傾向はみられなかった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では愛知県(2例)などの報告がみられた。
 
狂犬病
報告なし。
 
高病原性鳥インフルエンザ
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
コクシジオイデス症
年間報告数は5例で、性別では男性4例、女性1例であった。年齢別では30〜34歳(3例)、50〜54歳、70歳以上(各1例)であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では千葉県、東京都、神奈川県、福井県、長野県(各1例)からの報告であった。
 
サル痘
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
腎症候性出血熱
報告なし。

UP

炭疽
報告なし。
 
つつが虫病
年間報告数は313例であり、性別では男性172例(55%)、女性141例(45%)であった。年齢別では50歳以上に多く、年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には11〜12月にピークがみられた。都道府県別では鹿児島県(54例)、宮崎県(30例)、福島県(27例)などの報告がみられた。
 
デング熱
○デング熱
年間報告数は48例であり、性別では男性30例(63%)、女性18例(38%)であった。年齢別では20〜44歳に多くみられた。時期的には8月〜9月上旬に多くみられた。都道府県別では東京都(26例)、神奈川県、愛知県(各5例)などの報告がみられた。
○デング出血熱
年間報告数は1例であり、性別では男性であった。年齢別では40〜44歳であった。時期的には第41週(10月上旬)にみられた。都道府県別では東京都からの報告であった。
 
ニパウイルス感染症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
日本紅斑熱
年間報告数は66例であり、性別では男性29例(44%)、女性37例(56%)であった。年齢別では50歳以上に多く、年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的にはすべて4〜12月にみられ、特に9月ごろに多くみられた。都道府県別では高知県(13例)、島根県(12例)、鹿児島県(11例)、徳島県(10例)などの報告がみられた。
 
日本脳炎
年間報告数は5例であり、性別では男性2例、女性3例であった。年齢別では5〜9歳、25〜29歳、55〜59歳(各1例)、70歳以上(2例)であった。時期的には3月(1例)、8月下旬〜9月上旬(2例)、10月(2例)にみられた。都道府県別では奈良県、広島県、福岡県、佐賀県、熊本県(各1例)からの報告であった。
 
ハンタウイルス肺症候群
報告なし。
 
Bウイルス病
報告なし。
 
ブルセラ症
報告なし。
 
発しんチフス
報告なし。
 
ボツリヌス症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
マラリア
○三日熱
年間報告数は34例であり、性別では男性23例(68%)、女性11例(32%)であった。年齢別ではすべて20歳以上であり、特に20〜39歳に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(11例)、大阪府(5例)、神奈川県、静岡県(各3例)などの報告がみられた。
○四日熱
年間報告数は1例であり、性別では男性であった。年齢別では35〜39歳であった。時期的には第10週(3月上旬)にみられた。都道府県別では神奈川県からの報告であった。
○卵形
年間報告数は7例であり、性別では男性4例、女性3例であった。年齢別では5〜9歳(2例)、20〜44歳(5例)であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(3例)、神奈川県、兵庫県(各2例)からの報告であった。
○熱帯熱
年間報告数は32例であり、性別では男性23例(72%)、女性9例(28%)であった。年齢別では殆どの年齢層にわたっていたが、特に25〜44歳に多くみられた。時期的には7月〜10月中旬にやや多くみられた。都道府県別では東京都(8例)、大阪府(3例)などの報告がみられた。
○不明
年間報告数は1例であり、性別では男性であった。年齢別では35〜39歳であった。時期的には第47週(11月中〜下旬)にみられた。都道府県別では埼玉県からの報告であった。
 
野兎病
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
ライム病
年間報告数は5例であり、性別ではすべて女性であった。年齢別では1〜4歳(2例)、20〜24歳、50〜54歳、60〜64歳(各1例)であった。時期的にはすべて4〜10月にみられた。都道府県別では北海道、福島県、埼玉県、長野県、岐阜県(各1例)からの報告であった。
 
リッサウイルス感染症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
レジオネラ症
年間報告数は161例であり、性別では男性152例(94%)、女性9例(6%)であった。年齢別では50歳以上に多く、年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には5月下旬から年末にかけてやや多い傾向がみられた。都道府県別では東京都(18例)、愛知県(15例)、静岡県、大阪府(各9例)などの報告がみられた。
 
レプトスピラ症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。

UP

◎5類感染症
アメーバ赤痢
年間報告数は610例であり、性別では男性540例(89%)、女性70例(11%)であった。年齢別では主として20歳以上にみられたが、特に30〜50代に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(138例)、大阪府(74例)、神奈川県(52例)、愛知県(45例)などの報告がみられた。
 
ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)
○B型
年間報告数は241例であり、性別では男性186例(77%)、女性55例(23%)であった。年齢別では20〜34歳に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(56例)、大阪府(25例)、兵庫県(20例)などの報告がみられた。
○C型
年間報告数は43例であり、性別では男性21例(49%)、女性22例(51%)であった。年齢別ではすべて20歳以上であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では大阪府(6例)、兵庫県(5例)、岐阜県(4例)などの報告がみられた。
○D型
報告なし。
○その他
年間報告数は7例であり、性別では男性4例、女性3例であった。年齢別ではすべて10〜39歳であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。
○不明
年間報告数は2例であり、性別では男性1例、女性1例であった。年齢別では10〜14歳、45〜49歳(各1例)であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。
 
急性脳炎(ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除く)
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
クリプトスポリジウム症
年間報告数は92例であり、性別では男性61例(66%)、女性31例(34%)であった。年齢別ではすべて5歳以上であり、5〜9歳をピークとして、それ以降では年齢とともに減少傾向がみられた。時期的には8〜9月に多くみられた。都道府県別では千葉県(54例)、埼玉県(28例)、東京都(8例)などの報告がみられた。
 
クロイツフェルト・ヤコブ病
○孤発性CJD
年間報告数は171例であり、性別では男性82例(48%)、女性89例(52%)であった。年齢別ではすべて30歳以上であり、60歳以降では年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(19例)、神奈川県(10例)、北海道、兵庫県(各9例)などの報告がみられた。
○家族性CJD
年間報告数は1例であり、性別では女性であった。年齢別では60〜64歳であった。時期的には第11週(3月上〜中旬)にみられた。都道府県別では山梨県からの報告であった。
○新変異型CJD
報告なし。
○GSS
年間報告数は4例であり、性別では男性2例、女性2例であった。年齢別では45〜49歳、55〜59歳(各1例)、65〜69歳(2例)であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では神奈川県、兵庫県、福岡県、佐賀県(各1例)からの報告であった。
○FFI
報告なし。
 
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
年間報告数は52例であり、性別では男性30例(58%)、女性22例(42%)であった。年齢別では50歳以上に多く、年齢とともに増加する傾向がみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(6例)、神奈川県(5例)、福島県、兵庫県、福岡県(各4例)などの報告がみられた。
 
後天性免疫不全症候群
年間報告数は1,162例であり、性別では男性1,042例(90%)、女性120例(10%)であった。年齢別では20歳以上に多くみられ、30〜34歳にピークがみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(416例)、大阪府(135例)、神奈川県(86例)などの報告がみられた。
 
ジアルジア症
年間報告数は94例であり、性別では男性64例(68%)、女性30例(32%)であった。年齢別では主に20歳以上にみられており、特に20〜30代に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(17例)、千葉県(13例)、神奈川県、大阪府(各9例)などの報告がみられた。
 
髄膜炎菌性髄膜炎
年間報告数は21例であり、性別では男性10例(48%)、女性11例(52%)であった。年齢別では0歳にやや多くみられたが、幅広い年齢層でみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(7例)、神奈川県(3例)、愛知県(2例)などの報告がみられた。
 
先天性風しん症候群
年間報告数は10例であり、性別では男性3例、女性7例であった。年齢別ではすべて0歳であった。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(3例)、岡山県(2例)などの報告がみられた。
 
梅毒
年間報告数は533例で、性別では男性408例(77%)、女性125例(23%)であった。年齢別では殆どが15歳以上であり、20〜30代にピークがみられた。また、0歳児が4例報告された。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では東京都(63例)、大阪府(57例)、愛知県(36例)などの報告がみられた。
 
破傷風
年間報告数は101例であり、性別では男性50例(50%)、女性51例(50%)であった。年齢別では40歳以降、年齢とともに増加する傾向がみられ、70歳以上にも多くみられた。時期的には5〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では静岡県、鹿児島県(各6例)、群馬県、島根県(各5例)などの報告がみられた。
 
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
バンコマイシン耐性腸球菌感染症
年間報告数は58例で、性別では男性34例(59%)、女性24例(41%)であった。年齢別では殆どが30歳以上であるが、特に70歳以上に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では北海道(11例)、東京都(10例)、埼玉県、神奈川県(各5例)などの報告がみられた。
 

UP

[5類定点把握疾患]
RSウイルス感染症
「FAX・エクセルファイル報告分」を参照。
 
咽頭結膜熱
定点からの年間報告数は61,089例(定点当たり年間報告数20.23)であり、性別では男性33,125例(54%)、女性27,964例(46%)であった。年齢別では1〜4歳に多くみられた。時期的には7月中旬をピークに夏季に多くみられたが、12月にも小さなピークがみられた。都道府県別では福井県(定点当たり60.86)、宮崎県(50.56)、富山県(35.79)などの報告が多かった。
 
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
定点からの年間報告数は207,044例(定点当たり年間報告数68.58)であり、性別では男性110,977例(54%)、女性96,067例(46%)であった。年齢別では5歳をピークとし、その前後の年齢に多くみられた。時期的には1月下旬〜6月下旬に多くみられたが、12月にもやや小さなピークがみられた。都道府県別では山形県(定点当たり169.73)、富山県(151.55)、新潟県(141.58)などの報告が多かった。
 
感染性胃腸炎
定点からの年間報告数は952,681例(定点当たり年間報告数315.56)であり、性別では男性498,400例(52%)、女性454,281例(48%)であった。年齢別では1歳をピークとし、0〜5歳に多くみられた。時期的には1月上旬〜3月下旬に小さいピークと、12月に大きいピークがみられた。都道府県別では大分県(定点当たり594.08)、福井県(558.59)、福岡県(515.66)などの報告が多かった。
 
水痘
定点からの年間報告数は245,941例(定点当たり年間報告数81.46)であり、性別では男性128,254例(52%)、女性117,687例(48%)であった。年齢別では1〜2歳をピークとし、0〜5歳に多くみられた。時期的には6月下旬〜11月下旬に減少がみられたこと以外は、ほぼ一定の発生がみられた。都道府県別では宮崎県(定点当たり160.42)、福井県(134.86)、福岡県(129.52)などの報告が多かった。
 
手足口病
定点からの年間報告数は88,727例(定点当たり年間報告数29.39)であり、性別では男性48,327例(54%)、女性40,400例(46%)であった。年齢別では1歳をピークとし、1〜5歳に多くみられた。時期的には7月〜8月上旬をピークとし、夏〜秋季に多くみられた。都道府県別では宮崎県(定点当たり115.00)、福井県(68.86)、福岡県(65.34)などの報告が多かった。
 
伝染性紅斑
定点からの年間報告数は48,893例(定点当たり年間報告数16.20)で、性別では男性24,149例(49%)、女性24,744例(51%)であった。年齢別では5歳をピークとし、その前後の年齢に多くみられた。時期的には4月中旬〜7月中旬にピークがみられ、8月中旬から年末にはやや減少していた。都道府県別では新潟県(定点当たり36.63)、大分県(32.14)、山形県(31.43)からの報告が多かった。
 
突発性発しん
定点からの年間報告数は113,305例(定点当たり年間報告数37.53)であり、性別では男性58,083例(51%)、女性55,222例(49%)であった。年齢別ではほとんど2歳未満であり、特に6〜12ヶ月未満に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では宮崎県(定点当たり70.92)、佐賀県(65.52)、福岡県(55.48)などの報告が多かった。
 
百日咳
定点からの年間報告数は2,189例(定点当たり年間報告数0.73)で、性別では男性1,080例(49%)、女性1,109例(51%)であった。年齢別では0歳が最も多く、次いで1歳に多くみられた。時期的には4月上旬から年末に多い傾向がみられた。都道府県別では福岡県(定点当たり1.95)、福井県(1.82)、栃木県(1.59)などの報告が多かった。
 
風しん
定点からの年間報告数は4,239例(定点当たり年間報告数1.40)であり、性別では男性2,190例(52%)、女性2,049例(48%)であった。年齢別では1歳をピークとし、15歳未満に多くみられた。時期的には4月中旬〜5月下旬をピークとし、年の前半に多くみられた。都道府県別では群馬県(定点当たり8.89)、大分県(6.81)、栃木県(5.26)などの報告が多かった。

UP

ヘルパンギーナ
定点からの年間報告数は105,486例(定点当たり年間報告数34.94)で、性別では男性54,890例(52%)、女性50,596例(48%)であった。年齢別では1歳をピークとし、それ以降年齢とともに減少した。時期的には7月をピークとし、夏季に多くみられた。都道府県別では愛媛県(定点当たり63.51)、福井県(58.41)、山口県(53.94)などの報告が多かった。
 
麻しん(成人麻しんを除く)
定点からの年間報告数は1,547例(定点当たり年間報告数0.51)であり、性別では男性865例(56%)、女性682例(44%)であった。年齢別では6ヶ月〜1歳に多く、それ以降年齢とともに減少した。時期的には4〜5月をピークとし、年の前半に多くみられた。都道府県別では徳島県(定点当たり2.70)、栃木県(2.37)、兵庫県(1.66)などの報告が多かった。
 
流行性耳下腺炎
定点からの年間報告数は127,592例(定点当たり年間報告数42.26)であり、性別では男性68,807例(54%)、女性58,785例(46%)であった。年齢別では4歳をピークとし、その前後の年齢に多くみられた。時期的には7月と12月に多い傾向がみられた。都道府県別では佐賀県(定点当たり131.52)、福井県(105.36)、福岡県(94.48)などの報告が多かった。
 
インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを除く)
定点からの年間報告数は770,063例(定点当たり年間報告数165.50)であり、性別では男性389,710例(51%)、女性380,353例(49%)であった。年齢別では15歳未満に多くみられた。時期的には1月下旬〜2月上旬にピークがみられた。都道府県別では大分県(定点当たり249.96)、長野県(249.12)、宮崎県(247.93)などの報告が多かった。
 
急性出血性結膜炎
定点からの年間報告数は766例(定点当たり年間報告数1.21)であり、性別では男性369例(48%)、女性397例(52%)であった。年齢別では10歳未満に多かったが、20〜30代にもやや多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかったが、第39週(9月下旬)には突発的にやや多くみられた。都道府県別では愛媛県(定点当たり9.71)、長崎県(9.50)、宮崎県(3.33)などの報告が多かった。
 
流行性角結膜炎
定点からの年間報告数は27,865例(定点当たり年間報告数44.02)であり、性別では男性14,244例(51%)、女性13,621例(49%)であった。年齢別では10歳未満に多かったが、20〜30代にもやや多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では沖縄県(定点当たり222.50)、宮崎県(135.00)、群馬県(111.79)などの報告が多かった。
 
性器クラミジア感染症
定点からの年間報告数は38,155例(定点当たり年間報告数41.65)であり、性別では男性16,533例(43%)、女性21,622例(57%)であった。年齢別では20〜24歳をピークとし、15〜34歳に多くみられた。時期的には5〜9月にやや多い傾向がみられた。都道府県別では福岡県(定点当たり73.71)、大阪府(70.07)、群馬県(65.12)などの報告が多かった。
 
性器ヘルペスウイルス感染症
定点からの年間報告数は9,777例(定点当たり年間報告数10.67)であり、性別では男性3,874例(40%)、女性5,903例(60%)であった。年齢別では20〜24歳をピークとし、20〜39歳に多くみられた。時期的には6〜7月にやや多くみられた。都道府県別では大阪府(定点当たり29.03)、東京都(23.95)、長崎県(20.10)などの報告が多かった。
 
尖圭コンジローマ
定点からの年間報告数は6,570例(定点当たり年間報告数7.17)であり、性別では男性3,628例(55%)、女性2,942例(45%)であった。年齢別では20〜24歳をピークとし、15〜39歳に多くみられた。時期的には5〜9月にやや多くみられた。都道府県別では大阪府(定点当たり16.12)、栃木県(15.69)、東京都(15.29)などの報告が多かった。
 
淋菌感染症
定点からの年間報告数は17,426例(定点当たり年間報告数19.02)であり、性別では男性14,299例(82%)、女性3,127例(18%)であった。年齢別では20〜24歳をピークとし、15〜39歳に多くみられた。時期的には1月、7〜8月にやや多くみられた。都道府県別では福岡県(定点当たり39.61)、大阪府(36.08)、鹿児島県(30.50)などの報告が多かった。
 
クラミジア肺炎(オウム病を除く)
定点からの年間報告数は244例(定点当たり年間報告数0.51)であり、性別では男性147例(60%)、女性97例(40%)であった。年齢別では70歳以上に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では福島県(定点当たり6.86)、山梨県(6.00)、宮城県(2.42)などの報告が多かった。

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細菌性髄膜炎(髄膜炎菌性髄膜炎を除く)
定点からの年間報告数は379例(定点当たり年間報告数0.80)であり、性別では男性211例(56%)、女性168例(44%)であった。年齢別では0〜4歳に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかったが、第40週(9月下旬〜10月上旬)と第46週(11月上〜中旬)には突発的にやや多くみられた。都道府県別では福井県(定点当たり3.33)、石川県(2.60)、和歌山県(1.91)などの報告が多かった。
 
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
定点からの年間報告数は6,692例(定点当たり年間報告数14.30)であり、性別では男性3,888例(58%)、女性2,804例(42%)であった。年齢別では0〜4歳に多くみられたが、55歳以降も年齢とともに多少の増加傾向を示した。時期的には1〜6月にはほぼ一定で、7〜9月には段階的に減少し、10〜12月には段階的に増加した。都道府県別では千葉県(定点当たり124.89)、富山県(86.00)、高知県(40.63)などの報告が多かった。
 
マイコプラズマ肺炎
定点からの年間報告数は6,014例(定点当たり年間報告数12.66)であり、性別では男性2.825例(47%)、女性3,189例(53%)であった。年齢別では1〜9歳に多くみられた。時期的には11月〜12月上旬にピークがみられた。都道府県別では岡山県(定点当たり49.00)、山形県(38.50)、長野県(33.10)などの報告が多かった。
 
成人麻しん
定点からの年間報告数は59例(定点当たり年間報告数0.12)であり、性別では男性30例(51%)、女性29例(49%)であった。年齢別では20〜24歳をピークとし、20〜34歳に多くみられた。時期的には年の前半に多くみられた。都道府県別では福島県(定点当たり1.29)、山形県(0.80)、埼玉県(0.75)などの報告が多かった。
 
無菌性髄膜炎
定点からの年間報告数は1,028例(定点当たり年間報告数2.16)であり、性別では男性634例(62%)、女性394例(38%)であった。年齢別では0〜9歳に多くみられた。時期的には7月下旬をピークとし、夏季に多くみられた。都道府県別では奈良県(定点当たり11.60)、滋賀県(10.00)、鳥取県(7.40)などの報告が多かった。
 
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
定点からの年間報告数は21,827例(定点当たり年間報告数46.64)であり、性別では男性13,828例(63%)、女性7,999例(37%)であった。年齢別では0〜4歳にやや多くみられたが、50歳以降年齢とともに増加し、特に70歳以上に多くみられた。時期的には特別な傾向はみられなかった。都道府県別では富山県(定点当たり96.80)、山口県(95.44)、栃木県(93.14)などの報告が多かった。
 
薬剤耐性緑膿菌感染症
定点からの年間報告数は671例(定点当たり年間報告数1.43)であり、性別では男性424例(63%)、女性247例(37%)であった。年齢別では0〜4歳にやや多くみられたが、50歳以降も年齢とともに多少の増加傾向を示し、特に70歳以上で多くみられた。時期的には7〜8月にやや多くみられた。都道府県別では岩手県(定点当たり5.30)、広島県(4.40)、香川県(4.00)などの報告が多かった。

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FAX・エクセルファイル報告分


[全数把握]

◎1類感染症
重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)
報告なし
 
痘そう
報告なし。

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◎4類感染症
E型肝炎
年間報告数は37例であり、性別では男性33例(89%)、女性4例(11%)であった。都道府県別では北海道(6例)、東京都(5例)、長野県、大阪府(各3例)などの報告がみられた。
 
ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)
報告なし。
 
A型肝炎
年間報告数は139例であり、性別では男性83例(60%)、女性56例(40%)であった。都道府県別では東京都(20例)、北海道、愛知県(各10例)などの報告がみられた。
 
高病原性鳥インフルエンザ
報告なし。
 
サル痘
報告なし。
 
ニパウイルス感染症
報告なし。
 
ボツリヌス症
報告なし。
 
野兎病
報告なし。
 
リッサウイルス感染症
報告なし。
 
レプトスピラ症
年間報告数は18例であり、性別では男性16例(89%)、女性2例(11%)であった。都道府県別では沖縄県(7例)、東京都(3例)、千葉県、長崎県(各2例)などの報告がみられた。


◎5類感染症
急性脳炎(ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除く)
年間報告数は166例であり、性別では男性86例(52%)、女性80例(48%)であった。都道府県別では秋田県(26例)、新潟県(17例)、山形県(14例)などの報告がみられた。
 
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告なし。


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[5類定点把握疾患]
RSウイルス感染症(註:前年同様、報告数を示す)
年間報告数は10,132例であり、性別では男性5,640例(56%)、女性4,492例(44%)であった。年齢別では1歳未満が最も多く、それ以降年齢とともに減少した。時期的には第51週(12月中旬)にピークを形成した。都道府県別では福島県(710例)、広島県(660例)、愛知県(617例)などの報告が多かった。