注意:これはこれは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は、第4週のピークを過ぎてからは減少が続いている。都道 府県別では高知県(44.3)、長野県(21.0)、新潟県(16.1)、富山県(14.9)が多い。 小児科定点報告疾患::咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第5週以降、増加が続いており、過去 5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では佐賀県(1.6)、福 井県(1.4)、島根県(1.3)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は横ばいで あるが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では新潟県(6.7)、山形県(6.6)、 鳥取県(5.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では宮 崎県(18.1)、愛媛県(17.9)、佐賀県(16.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道 府県別では福岡県(4.3)、宮崎県(4.1)、長崎県(4.1)が多い。手足口病の定点当たり報告数は 増加した。都道府県別では岐阜県(0.89)、三重県(0.67)、愛知県(0.35)が多い。伝染性紅斑の 定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では島根県(1.9)、熊本県(1.1)、青森県(1.0) が多い。百日咳の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では大分県(0.06)、千葉県(0.04)、 山口県(0.04)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減した。都道府県別では秋田県(0.03)、 奈良県(0.03)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では岩手 県(0.29)、熊本県(0.19)、東京都(0.11)が多い。麻しんの定点当たり報告数は微減した。都道 府県別では千葉県(0.01)、東京都(0.01)、愛知県(0.01)、大阪府(0.01)が多い。流行性耳下腺 炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(5.4)、鳥取県(4.0)、鹿児島県(4.0) が多い。RSウイルス感染症は、ゼロ報告を含めて40都道府県から234例の報告があり、報告数 は減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約73%を占めている。 基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では大阪府(1.21)、埼玉県(0.78)、茨城県(0.55)が多い。
◆ インフルエンザ
今シーズンはこれまでに、2,963件のインフルエンザウイルスの分離報告があり、そのうちAH1(Aソ連)型は530(17.9%)、AH3(A香港)型は2,402(81.1%)、B型は31(1.0%)であり、AH3型が流行の中心であった(図4)。1982/83〜2004/05シーズンの過去23シーズンでは、AH3型が分離ウイルスの50%以上を占めたのは1982/83、1990/91、1993/94、1994/95、1997/98、1998/99、2002/03、2003/04の8シーズンである(図5)。
インフルエンザは全国的には流行のピークは過ぎたと思われるが、まだ流行は継続しており、その発生動向の推移には引き続き注意が必要である。
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