国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第16号ダイジェスト
(2007年4月16〜22日)

 発生動向総覧


*2007年4月からの法改正に伴い、疾病の追加および並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症

〈第16週コメント〉 4月25日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 結核 154例
3類感染症: 細菌性赤痢12例 (感染地域:埼玉県8例*、インド2例、スリランカ1例、パキスタン1例)
*第15週と同一の知的障害児施設における集団発生
腸管出血性大腸菌感染症15例(うち有症者7例、HUSなし)

感染地域:鳥取県3例、高知県2例、千葉県1例、東京都1例、石川県1例、奈良県1例、広島県1例、熊本県1例、千葉県/韓国1例、国内(都道府県不明)3例
年齢群:10歳未満(1例)、10代(2例)、20代(4例)、30代(2例)、50代(1例)、60代(4例)、70代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(4例)、O157 VT2(4例)、O111 VT1 (1例)、O150 VT1(1例)、その他/不明(5例)


腸チフス1例(感染地域:ミャンマー)
パラチフス1例(感染地域:インド)
4類感染症: E型肝炎1例(感染地域:北海道.感染源:焼肉)
A型肝炎2例(感染地域:東京都1例、インド1例)
デング熱3例(感染地域:すべてインドネシア)
レジオネラ症 5例(すべて肺炎型)

年齢群:50代1例、70代2例、80代2例
感染地域:北海道3例(うち1例温泉)、千葉県1例、愛知県1例

5類感染症:
アメーバ赤痢 9例(腸管アメーバ症6例、腸管外アメーバ症3例)

感染地域:国内8例、シンガポール1例
感染経路:経口2例、性的接触(異性間)1例、不明6例

ウイルス性肝炎1例(B型_感染経路:不明)
急性脳炎1例〔病原体不明(10代)〕
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
後天性免疫不全症候群17例(無症候8例、AIDS 6例、その他3例)

感染地域:国内14例、ブラジル1例、ロシア/東南アジア1例、国外(国不明)1例
感染経路:すべて性的接触(異性間6例、同性間10例、異性間/同性間1例)

梅毒4例(早期顕症I期1例、早期顕症II期2例、無症候1例)

(補)他に梅毒1例の報告があったが削除予定。また報告遅れとして、細菌性赤痢1例(感染地域:ブルキナファソ)、デング熱1例(感染地域:インドネシア)、急性脳炎3例〔A型インフルエンザウイルス1例(10代)、単純ヘルペスウイルス1例(0歳)、病原体不明1例(5歳)〕などの報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ::定点当たり報告数は第12週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では秋田県(19.2)、岩手県(18.1)、青森県(16.1)、沖縄県(15.9)、宮崎県(12.9)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は286例の報告があり、報告数は減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では島根県(1.1)、佐賀県(0.74)、青森県(0.69)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では富山県(5.9)、北海道(4.0)、鳥取県(3.7)、新潟県(3.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では福井県(18.3)、宮崎県(15.0)、大分県(14.7)、鳥取県(13.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(5.2)、鹿児島県(3.5)、沖縄県(3.4)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では熊本県(1.5)、佐賀県(1.3)、鹿児島県(1.1)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では富山県(3.1)、石川県(3.0)、北海道(2.2)、長野県(1.6)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では徳島県(0.19)、栃木県(0.17)、千葉県(0.08)が多い。風しんの報告数は増加した。都道府県別では神奈川県4例、埼玉県、千葉県から各2例、宮城県、秋田県、茨城県、兵庫県から各1例の報告であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では岩手県(0.33)、島根県(0.30)、熊本県(0.29)、が多い。麻しんの報告数は71例であり、第13週以降増加が続いている。都道府県別では東京都、埼玉県各14例、千葉県11例、神奈川県10例、栃木県、鹿児島県各4例、大阪府3例、宮城県、茨城県、愛知県、兵庫県各2例、奈良県、岡山県、香川県から各1例の報告があった。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では秋田県(1.5)、三重県(1.3)、高知県(1.2)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(3.9)、岡山県(2.6)、群馬県(2.1)が多い。成人麻しんの報告数は39例と2週連続で増加した。東京都12例、長野県6例、埼玉県5例、神奈川県、新潟県各3例、群馬県2例、山形県、福島県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、大阪府、広島県から各1例の報告があった。




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