国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第19号ダイジェスト
(2007年5月7〜13日)

 発生動向総覧


*2007年4月からの法改正に伴い、疾病の追加および並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症

〈第19週コメント〉 5月17日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 結核 177例
3類感染症: 細菌性赤痢13例(感染地域:秋田県1例、千葉県1例、愛知県1例、フィリピン3例、インドネシア2例、エジプト2例、インド1例、ベトナム/ラオス1例、エジプト/サウジアラビア1例)
腸管出血性大腸菌感染症46例(うち有症者41例、HUSなし)

感染地域:国内45例、ベトナム1例
国内の多い感染地域:福岡県8例、石川県7例、東京都4例、福井県3例
年齢群:10歳未満(10例)、10代(5例)、20代(10例)、30代(5例)、40代(3例)、50代(7例)、60代(4例)、70代(2例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(28例)、O157 VT2(4例)、O26 VT1( 2例)、O103 VT1( 1例)、O111 VT1( 1例)、O111 VT1・VT2(1例)、O119 VT1・VT2(1例)、O121 VT2(1例)、O157 VT1(1例)、その他/不明(6例)


腸チフス1例(感染地域:ペルー)
パラチフス1例(感染地域:インド/香港)
4類感染症: A型肝炎5例(感染地域:石川県2例、東京都1例、兵庫県1例、パプアニューギニア1例)
オウム病1例(感染地域:茨城県.感染源:インコ)
つつが虫病1例(感染地域:群馬県)
デング熱1例(感染地域:インドネシア)
レジオネラ症7例(すべて肺炎型)

年齢群:60代5例、70代1例、80代1例
感染地域:茨城県2例、埼玉県1例、愛知県1例(温泉)、京都府1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)1例

5類感染症:
アメーバ赤痢 8例(腸管アメーバ症6例、腸管外アメーバ症2例)

感染地域:国内4例、国内/フィリピン1例、国内/タイ1例、台湾/ベトナム/中 国1例、国外(国不明)1例
感染経路:性的接触4例(異性間2例、同性間1例、異性間・同性間不明1例)、経口/性的接触3例(異性間2例、異性間・同性間不明1例)、不明1例

ウイルス性肝炎1例(B型_感染経路:不明)
急性脳炎3例(すべて病原体不明、30代1例、50代1例、60代1例)
クロイツフェルト・ヤコブ病3例(すべて孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(50代)
後天性免疫不全症候群14例(AIDS 5例、無症候9例)

感染地域:国内11例、タイ1例、ザンビア1例、国外(国不明)1例
感染経路:性的接触10例(異性間2例、同性間7例、異性間・同性間不明1例)、性的接触(同性間)/静注薬物常用1例、不明3例

ジアルジア症2例(感染地域:国内1例、インド1例)
髄膜炎菌性髄膜炎1例(感染地域:国内)
梅毒9例(早期顕症I期4例、早期顕症II期3例、晩期顕症1例、無症候1例)
破傷風2例(40代1例、80代1例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例(ともに遺伝子型:不明_菌検出検体:尿)

(補)他にアメーバ赤痢1例の報告があったが削除予定。また報告遅れとして、オウム病1例(感染地域:静岡県.感染源:ハト)、急性脳炎1例(A型インフルエンザウイルス.40代)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例(50代1例、60代1例、70代1例、80代1例.うち死亡2例)などの報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ:定点当たり報告数は第12週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では秋田県(8.4)、沖縄県(6.9)、岩手県(5.7)、北海道(4.8)、山形県(4.0)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は233例の報告があり、報告数は減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約69%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では富山県(1.14)、島根県(1.04)、山口県(1.00)、広島県(0.94)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では富山県(5.1)、鳥取県(4.1)、山口県(3.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では大分県(14.4)、福井県(12.5)、宮崎県(11.3)、三重県(11.3)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では福井県(5.0)、富山県(4.9)、宮崎県(4.7)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では熊本県(1.94)、佐賀県(1.74)、鹿児島県(0.98)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態である。都道府県別では富山県(2.7)、石川県(2.7)、栃木県(1.6)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では千葉県(0.15)、栃木県(0.11)、長崎県(0.07)が多い。風しんの報告数は微増した。都道府県別では東京都4例、千葉県2例、宮城県、茨城県、埼玉県、神奈川県、大阪府、兵庫県から各1例の報告であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では広島県(0.56)、島根県(0.52)、長崎県(0.52)が多い。麻しんの報告数は増加し、26都道府県から214例の報告があった。都道府県別では千葉県56例、埼玉県35例、東京都31例、神奈川県22例、北海道、大阪府各10例、山梨県7例、栃木県6例、長野県5例、宮城県4例、茨城県、群馬県、鹿児島県各3例が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では新潟県(1.9)、秋田県(1.9)、高知県(1.7)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態である。都道府県別では沖縄県(3.6)、栃木県(2.3)、福島県(2.1)が多い。成人麻しんの報告数は53例と増加した。東京都19例、宮城県6例、埼玉県、千葉県、島根県から各4例、北海道、山梨県から各3例、山形県、神奈川県から各2例、茨城県、富山県、石川県、兵庫県、和歌山県、大分県から各1例の報告があった。




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