発生動向総覧
※2008年5月12日の法改正に伴い、疾病の名称および並び順を一部変更しました。
〈第28週コメント〉 7月16日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 324例 |
3類感染症: |
コレラ1例(感染地域:インド)
細菌性赤痢9例(感染地域:神奈川県1例、メキシコ3例、中国1例、タイ1例、インドネ シア1例、インド1例、インド/ネパール1例)
腸管出血性大腸菌感染症102例(有症者84例、HUS2例)
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感染地域:国内102例
年齢群:1歳(3例)、2歳(4例)、3歳(5例)、4歳(3例)、5歳(2例)、6歳(4例)、7歳(4例)、8歳(2例)、9歳(4例)、10代(14例)、20代(19例)、30代(12例)、40代(9例)、50代(7例)、60代(4例)、70代(5例)、80代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(36例)、O157 VT2(35例)、O26 VT(111例)、O157 VT(13例)、O25 VT(11例)、O103 VT1(1例)、O111 VT1(1例)、O111 VT1・VT2(1例)、O115 VT1(1例)、O145 VT1(1例)、O145 VT2(1例)、その他・不明(10例)
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4類感染症: |
A型肝炎4例(感染地域:大阪府1例、奈良県1例、韓国1例、ウガンダ/ケニア1例)
エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)
つつが虫病1例(感染地域:新潟県)
日本紅斑熱2例(感染地域:島根県1例、広島県1例)
マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ベナン)
レジオネラ症16例(肺炎型16例)
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感染地域:群馬県2例、神奈川県2例、宮城県1例、埼玉県1例、千葉県1例、東京都1例、新潟県1例(温泉)、長野県1例(温泉)、静岡県1例、大阪府1例、愛媛県1例、熊本県1例、鹿児島県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:40代(1例)、50代(4例)、60代(5例)、70代(4例)、80代(1例)、90代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢3例(腸管アメーバ症3例) |
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感染地域:東京都1例、愛媛県1例、福岡県1例
感染経路:性的接触1例(異性間)、不明2例
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ウイルス性肝炎4例[B型肝炎4例_感染経路:性的接触(異性間)3例、不明1例]
クロイツフェルト・ヤコブ病5例(孤発性プリオン病古典型5例)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例〔年齢群:30代〕
後天性免疫不全症候群14例(無症候11例、AIDS 3例) |
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感染地域:国内12例、国外2例
感染経路:性的接触11例(異性間4例、同性間6例、異性間・同性間不明1例)、不明3例
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ジアルジア症1例(感染地域:埼玉県)
梅毒12例(早期顕症I期4例、早期顕症II期1例、無症候7例)
破傷風2例[年齢群:80代(2例)]
バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例
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遺伝子型:VanC 1例_菌検出検体:血液
遺伝子型:不明2例_菌検出検体:血液1例、尿1例
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風しん4例(臨床診断例4例)
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感染地域:北海道1例、茨城県1例、大阪府1例、島根県1例
年齢群:1歳(1例)、3歳(1例)、50代(2例)
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麻しん149例〔麻しん(検査診断例26例、臨床診断例106例)、修飾麻しん(検査診断例17例)〕
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感染地域:国内149例
国内の多い感染地域:千葉県35例、神奈川県33例、北海道20例、東京都11例、京都府10例
年齢群:0歳(12例)、1歳(9例)、2歳(4例)、3歳(1例)、4歳(2例)、5〜9歳(19例)、10〜14歳(22例)、15〜19歳(36例)、20〜24歳(19例)、25〜29歳(6例)、30〜34歳(8例)、35〜39歳(8例)、40代(3例)
累積報告数:10,232例〔麻しん(検査診断例2,822例、臨床診断例6,529例)、修飾麻しん(検査診断例881例)〕
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(補)他に2008年第27週までに診断されたものの報告遅れとして、パラチフス2例(感染地域:インド2例)、デング熱4例(感染地域:ミャンマー2例、カンボジア1例、タイ/ベトナム1例)、クリプトスポリジウム症1例(感染地域:兵庫県)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(80代)、髄膜炎菌性髄膜炎1例(60代.感染地域:福島県)、風しん4例〔検査診断例1例、臨床診断例3例.感染地域:北海道2例、茨城県1例、東京都1例.年齢群:4歳(1例)、5歳(1例)、15〜19歳(1例)、40代(1例)〕などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第22週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県(2.05)、千葉県(0.13)、京都府(0.10)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は176例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は微減した。都道府県別では鹿児島県(2.22)、新潟県(1.85)、埼玉県(1.30)、大分県(1.22)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第24週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では埼玉県(3.5)、千葉県(3.1)、富山県(2.8)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第22週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(8.0)、宮崎県(5.9)、熊本県(5.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は第25週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では長野県(3.04)、福井県(2.41)、福島県(2.40)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第15週以降増加が続いている。都道府県別では宮崎県(12.0)、鹿児島県(9.1)、三重県(9.0)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では新潟県(0.60)、岩手県(0.48)、埼玉県(0.47)が多い。百日咳の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では石川県(0.17)、広島県(0.14)、福岡県(0.14)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第20週以降増加が続いている。都道府県別では愛媛県(9.6)、群馬県(7.5)、埼玉県(7.3)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では佐賀県(2.65)、宮崎県(2.56)、岐阜県(2.17)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(5.6)、福島県(2.0)、青森県(1.3)が多い。
〈6月コメント〉
◆性感染症について 2008年7月10日集計分 性感染症定点数:970
(産婦人科・産科・婦人科:466、泌尿器科:397、皮膚科93、性病科14)
●月別推移
2008年6月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.73(男1.17、女1.55)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.75(男0.30、女0.45)、尖圭コンジローマが0.52(男0.27、女0.25)、淋菌感染症が0.84(男0.67、女0.17)であった。男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)
前月に比べると、男性では性器クラミジア感染症は増加し、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症は減少した。女性では性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマは増加し、性器ヘルペスウイルス感染症、淋菌感染症は減少した(30〜33ページ「グラフ総覧」参照)。
男女別に過去5年間の同時期と比較すると、性器クラミジア感染症は男女ともにやや少なかった。性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともにかなり少なかった。尖圭コンジローマは男性でかなり少なく、女性ではやや少なかった。淋菌感染症は男性でやや少なかった(図2)。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(6月) |
●男女別・年齢階級別
年齢群(0歳、1〜4歳、5〜69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では性器クラミジア感染症では20〜29歳の2つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は35〜39歳、尖圭コンジローマは25〜29歳、淋菌感染症では25〜29歳の年齢群であった。一方、女性では性器クラミジア感染症は20〜24歳、性器ヘルペスウイルス感染症は25〜29歳、尖圭コンジローマは20〜24歳、淋菌感染症は15〜24歳の2つの年齢群であり、女性の罹患年齢が男性に比べてやや低い傾向が認められた(図3:PDF参照)。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患は、男性では60代以降、女性では50代以降の報告はないか、あっても僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。この年齢層は再発例が含まれている可能性が以前から指摘されており、2006年4月の届出基準改正により、抗体のみ陽性のものの除外に加えて「明らかな再発例は除外する」ことが明示された。しかし、報告数や年齢群分布において明らかな変化は見られておらず、この基準変更の周知徹底が必要と考える。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、淋菌感染症では、15〜19歳で同値である以外、すべての年齢群で男性が女性よりも多かった。一方、性器クラミジア感染症では15〜34歳の4つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15〜39歳、50〜54歳、70歳以上の7つの年齢群、尖圭コンジローマでは15〜24歳の2つの年齢群の、比較的低い年齢層を中心に女性が男性よりも多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較についてはそれらの比率の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15〜29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症と淋菌感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられる。一方、性器ヘルペスウイルス感染症と尖圭コンジローマは、男女ともに2005年半ば頃からごく微かな減少傾向がみられるものの、この間全体としてはほぼ横ばいの状況である。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症は増加し、性器ヘルペスウイルス感染症は減少、尖圭コンジローマ、淋菌感染症は同値であった。女性では性器クラミジア感染症は増加し、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症は減少した。
◆薬剤耐性菌について (7月10日集計分)
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基幹定点数(6月):467.
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●月別
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
4.38(前月:4.10、前年同月:4.40)
定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。6月は前月より若干増加したが、過去9年間の同月との比較では上位に属した。
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症
1.09(前月:1.07、前年同月:1.01)
定点当たり報告数は、例年春から初夏にかけて(4〜6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7〜9月)に少なく推移している。6月は前月より若干増加し、過去9年間の同月との比較では下位に属した。
薬剤耐性緑膿菌感染症
0.09(前月:0.07、前年同月:0.11)
定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向がある。6月は前月より若干増加し、過去9年間の同月との比較では下位に属した。
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●年齢階級別
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MRSA感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めている(図1:PDF参照)
PRSP感染症
小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の70%を占める一方、70歳以上が全体の15%を占めている(図2:PDF参照)。
薬剤耐性緑膿菌感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の67%を占めている(図3:PDF参照)
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●性別:女性を1 として算出した男/女比
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MRSA感染症…男:女=1.7:1
PRSP感染症…男:女=1.6:1
薬剤耐性緑膿菌感染症…男:女=2.8:1
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●都道府県別
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MRSA感染症
定点当たり報告数は滋賀県(10.4)、新潟県(9.4)、栃木県(8.6)が多い。
PRSP感染症
定点当たり報告数は千葉県(8.0)、新潟県(4.0)、東京都(2.6)が多い。
薬剤耐性緑膿菌感染症
報告総数が42件にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
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◆ 百日咳
百日咳は、好気性のグラム陰性桿菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)の感染を原因とする急性の呼吸器感染症である。特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴としており、母親からの移行抗体が有効に働かないために乳児期早期から罹患する可能性があり、ことに百日咳(P)ワクチンを含んだDPT三種混合ワクチンを接種していない生後6カ月以下の乳児が罹患した場合は、未だに死に至る危険性がある疾患である。百日咳はこれまで乳幼児を中心とした小児で流行する疾患とされてきたが、ワクチンの開発・普及と乳児期の接種率の上昇によって、報告数は大きく減少した。だが最近では小児科定点報告疾患であるにもかかわらず20歳以上の成人例の報告数が年々増加してくると共に、報告数そのものも増加に転じている。成人の発生例は咳が長期にわたって持続するものの、乳幼児にみられるような重篤な痙咳性の咳嗽を示すことは稀であり、症状が典型的ではないために診断が見逃されやすく、感染源となって周囲へ感染を拡大してしまうこともあり、注意が必要である。
感染症発生動向調査では、全国約3,000カ所の小児科定点からの報告数に基づいて百日咳の患者発生状況の分析を行っている。2008年の百日咳の週別の定点当たり報告数は、第22週をピーク(定点当たり報告数0.11、患者報告数343)とした大きな山が認められたが、そのピークを過ぎた後も過去10年間の同時期と比較して高い状態が続いている(図1)。第28週の定点からの患者報告数は150例(定点当たり報告数0.05)であり、都道府県別では、福岡県17例、千葉県16例、埼玉県、東京都共に11例、広島県10例、静岡県9例、新潟県7例の順となっている(図2)。第1〜28週までの累積報告数は4,093例であり、2000年以降の同時期までの累積報告数と比較しても、これまで最も多かった2000年の累積報告数(2,211例)を大きく上回っている。都道府県別にみると、千葉県558例、広島県361例、福岡県284例、愛知県256例、埼玉県215例、大阪府203例、神奈川県193例、東京都164例の順であり、千葉県からの報告数が最も多い状態が続いているが、最近では福岡県が増加傾向が目立ってきている(図3)。2000〜2008年まで(2008年は第28週まで)の年間の累積報告数の年齢別割合をみると、0歳児、1歳児を中心とした乳幼児からの報告割合は年々低下がみられている一方で、小児科定点からの報告ではあるものの、20歳以上の報告割合は年々上昇しており、2008年は28週までの報告ではあるが、20歳以上の割合は36.6%にまで達している(図4、図5)。
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図1. 百日咳の年別・週別発生状況(1998〜2008年第28週) |
図2. 百日咳の都道府県別報告状況(2008年第28週) |
図3. 百日咳の都道府県別累積報告状況(2008年第1〜28週) |
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図4. 百日咳の年別・年齢群別割合(2000年〜2008年第28週) |
図5. 百日咳累積報告数の年齢群別割合(2008年第1〜28週) |
かつて百日咳は乳幼児を中心に患者の発生がみられていた。DPT3種混合ワクチンの導入と改良・普及により、患者報告数は大きく減少したが、最近では流行形態そのものが大きく変化し、以前は殆ど問題視されてこなかった成人層における患者報告割合が大きくなると共に、患者報告数そのものも2008年はこれまで大幅な増加がみられてきている。しかし、現在の小児科定点のみからの発生動向調査だけでは、その実態を正確に把握することは困難であり、より正確な実態の把握と対策の立案が急務となってきている。感染症情報センターでは、百日咳を診断した医師よりその情報を発信していただき、その情報を共有・分析するために、「百日咳DB:全国の百日咳発生状況」(http://idsc.nih.go.jp/disease/pertussis/pertu-db.html)を2008年5月8日より立ち上げた。本データベースが、全国の医療従事者や衛生部局関係者で情報共有され、今後の有効な対策の一助となることを期待する。
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