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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||
2類感染症: | 結核231例 | ||||||||||||||
3類感染症: | コレラ1例(感染地域:フィリピン)
パラチフス1例(感染地域:インドネシア/タイ) |
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4類感染症: | A型肝炎5例(感染地域:広島県2例、山口県1例、フィリピン1例、ネパール1例) デング熱1例(感染地域:タイ)
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5類感染症: |
破傷風3例〔年齢群:70代(2例)、80代(1例)〕
(補)他に2008年第29週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例〔感染地域(感染源):インド(不明)〕、日本紅斑熱2例(感染地域:千葉県1例、和歌山県1例)、ブルセラ症1例〔感染地域(感染源):ペルー(不明)〕、急性脳炎2例〔麻しんウイルス1例(10代)、病原体不明1例(4歳)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例(遺伝子型:不明2例_菌検出検体:胸水1例、ペースメーカーシース先1例)などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は第22週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県(1.07)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は237例の報告があり、報告数は微増した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約75%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鹿児島県(2.45)、愛媛県(2.24)、新潟県(1.70)、東京都(1.56)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第24週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では鳥取県(1.74)、山口県(1.74)、山形県(1.73)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第22週以降減少が続いている。都道府県別では大分県(5.8)、宮崎県(5.7)、福井県(5.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は25週以降減少が続いている。都道府県別では愛媛県(1.81)、福井県(1.77)、千葉県(1.56)が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では三重県(10.0)、石川県(9.5)、富山県(8.5)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では石川県(0.41)、新潟県(0.38)、山形県(0.30)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(0.15)、長野県(0.09)、愛媛県(0.08)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では長野県(9.0)、愛媛県(6.8)、埼玉県(6.1)、山形県(5.9)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では佐賀県(2.57)、宮崎県(1.64)、岐阜県(1.17)、高知県(1.17)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(2.57)、福島県(1.29)、富山県(1.20)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週にオーストラリアへ修学旅行に行った高校生がO26 VT1に感染した計76例の報告が佐賀県からあり、一時的に増加した。その後は、第18週から徐々に増加し始め、第24週(6月9日〜)に急増して1週間当たりの報告数が100例を超え、以降はほぼ100〜150例で推移している。第30週の報告は117例であり、第30週までの累積報告数1,533例は、2000年以降では6番目に多い(2000年1,436例、2001年2,030例、2002年1,555例、2003年1,126例、2004年1,525例、2005年1,570例、2006年1,560例、2007年1,802例)。
第30週(7月21〜27日診断のもの)の報告117例は、患者(有症状者)が73例(62%)で、無症状病原体保有者44例(38%)であった。31都府県から報告があり、都道府県別では、岩手県(9例)、大阪府(8例)、兵庫県(8例)、福岡県(8例)、東京都(7例)、広島県(7例)が多かった。感染地域はすべて国内で、都道府県別では、岩手県(9例)、大阪府(9例)、福岡県(8例)、兵庫県(7例)、広島県(7例)が多かった。岩手県では複数の家族内発生により報告が増加した。性別では男性43例、女性74例であり、年齢群別では0〜9歳37例、20〜29歳19例、10〜19歳18例の順に多かった。
第1〜30週(2006年12月31日〜2007年7月27日診断のもの)の累積報告1,533例は、患者が1,039例(68%)、無症状病原体保有者が494例(32%)であった。すべての都道府県から報告があり、報告の多い都道府県は、東京都(104例)、大阪府(89例)、福岡県(86例)、佐賀県(85例)、神奈川県(82例)、京都府(75例)であった。感染地域は国内が1,441例、国外が91例、国内か国外か不明が1例であり、国内の都道府県別では、大阪府(88例)、東京都(80例)、京都府(76例)、福岡県(76例)の順で多かった。性別では男性696例、女性837例であり、年齢群別では0〜9歳456例(うち有症者358例:78.5%)、10〜19歳290例(同223例:77%)、20〜29歳238例(同176例:74%)の順に多かった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、第30週までに24例報告があった。24例のうち7例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出により届け出られたものである。都道府県別では、17都道府県(東京都5例、秋田県2例、大阪府2例、愛媛県2例、北海道、群馬県、新潟県、石川県、福井県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、香川県、高知県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が10例、5〜9歳が6例、10代が7例、50代が1例となっており、24例中21例が15歳未満の小児であった。前週の集計(7月23日)以降に新たに報告された2例は、第29週に診断された6歳〔香川県からの報告、O血清群:O157(血清抗体による診断)、感染源:不明〕及び、第30週に診断された6歳〔福井県からの報告、O血清群:不明、感染源:不明〕である。24例中7例では生肉・生レバーが感染源とされていた(以前のHUS症例の報告については、感染症週報2008年第29号「注目すべき感染症」を参照)。
また、第27週には、基礎疾患に腎臓病を持った60代女性患者(O157 VT2)の死亡例が報告されている。
図. 腸管出血性大腸菌の年別・週別発生状況(1999年第14週〜2008年第30週) |
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