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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核331例 | ||||||||||||||||||||||||||
3類感染症: | 細菌性赤痢5例〔感染地域:埼玉県1例、山梨県1例、福岡県1例、鹿児島県1例、タイ1例〕 腸管出血性大腸菌感染症229例(有症者173例、うちHUS 2例)
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4類感染症: | A型肝炎2例〔感染地域:大阪府1例、国内(都道府県不明)1例〕
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5類感染症: |
梅毒10例(早期顕症I期2例、早期顕症II期4例、無症候4例) 破傷風4例〔年齢群:40代(1例)、50代(1例)、60代(2例)〕
(補)他に2008年第30週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例(感染地域:静岡県)、エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)、デング熱1例(デング出血熱_感染地域:タイ)、レジオネラ症1例〔感染地域:茨城県(温泉)〕、レプトスピラ症2例(感染地域:沖縄県2例_感染原因:水田1例、不明1例)、急性脳炎3例〔麻しんウイルス1例(20代)、病原体不明2例(1歳、9歳)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:尿)、風しん2例〔(臨床診断例2例.感染地域:茨城県1例、神奈川県1例.年齢群:15〜19歳(1例)、20〜24歳(1例)〕などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は第22週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県(0.78)、広島県(0.07)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は313例の報告があり、報告数は第28週以降増加が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約80%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鹿児島県(2.18)、佐賀県(1.91)、新潟県(1.83)、愛媛県(1.76)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第24週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では埼玉県(1.97)、大分県(1.78)、鳥取県(1.74)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(6.9)、福井県(5.3)、宮崎県(4.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は25週以降減少が続いている。都道府県別では山形県(2.03)、青森県(1.62)、千葉県(1.36)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では石川県(9.4)、三重県(8.2)、富山県(7.2)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では宮城県(0.32)、新潟県(0.30)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では山梨県(0.29)、千葉県(0.13)、沖縄県(0.12)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では長野県(9.3)、宮城県(6.5)、山形県(6.3)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では佐賀県(3.1)、宮崎県(2.5)、高知県(1.9)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(3.7)、青森県(1.7)、福島県(1.6)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週にオーストラリアへ修学旅行に行った高校生がO26 VT1に感染した計76例の報告が佐賀県からあり、一時的に増加した。その後は、第18週から徐々に増加し始め、第24週に1週間当たりの報告数が100例を超えた。第24〜30週はほぼ100〜150例で推移していたが、第31週は大きく増加し229例であった。第31週までの累積報告数1,784例は、2000年以降では3番目に多い(2000年1,562例、2001年2,406例、2002年1,752例、2003年1,224例、2004年1,755例、2005年1,715例、2006年1,737例、2007年1,986例)(図1)。
第31週(7月28日〜8月3日診断のもの)の報告229例は、患者(有症状者)が173例(75.5%)で、無症状病原体保有者56例(24.5%)であった。36都府県から報告があり、都道府県別では、鹿児島県(18例)、兵庫県(17例)、岩手県(14例)、広島県(12例)、愛知県(11例)、福岡県(10例)が多かった。感染地域はすべて国内で、都道府県別では、鹿児島県(18例)、岩手県(14例)、兵庫県(14例)、愛知県(10例)、大阪府(9例)、広島県(9例)、福岡県(9例)が多かった。鹿児島県では保育園、岩手県では小学校の行事、兵庫県では飲食店、大阪府では保育園に関連した集団発生があった。性別では男性121例、女性108例で、年齢群別では0〜9歳97例、20〜29歳38例、10〜19歳33例の順に多かった。
第1〜31週(2007年12月31日〜2008年8月3日診断のもの)の累積報告1,784例は、患者が1,227例(69%)、無症状病原体保有者が557例(31%)であった。報告はすべての都道府県からあり、報告の多い都道府県は、東京都(117例)、大阪府(99例)、福岡県(96例)、神奈川県(85例)、佐賀県(85例)、京都府(84例)であった(図2)。感染地域は国内が1,688例、国外が91例、国内か国外か不明が5例であり、国内の感染地としての都道府県別では、大阪府(99例)、東京都(89例)、京都府(85例)、福岡県(85例)の順で多かった。性別では男性829例、女性955例であり、年齢群別では0〜9歳556例(うち患者79%)、10〜19歳330例(同78%)、20〜29歳282例(同76%)、30〜39歳207例(同47%)、40〜49歳105例(同47%)、50〜59歳133例(同46%)、60〜69歳78例(同54%)、70〜79歳51例(同73%)、80〜89歳36例(同72%)、90〜99歳6例(同67%)であった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、前週の集計(7月30日)以降に新たに3例が報告され、第31週までに27例報告となった。27例のうち10例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出によって届け出られたものである。都道府県別では、20都道府県(東京都5例、秋田県2例、大阪府2例、愛媛県2例、北海道、群馬県、千葉県、新潟県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、香川県、高知県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が12例、5〜9歳が7例、10代が7例、50代が1例となっており、27例中24例が15歳未満の小児であった。27例中8例は生肉・生レバー、1例は生せんまい(牛の胃)、1例はステーキが感染源とされていた(表1、表2)。
また、第27週には、基礎疾患に腎臓病を持った60代女性患者(O157 VT2)の死亡例が報告されている。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症の年別・週別発生状況(1999年14週〜2008年第31週) | 図2. 腸管出血性大腸菌感染症の都道府県別報告状況(2008年第1〜31週) | 表1. 腸管出血性大腸菌感染症の溶血性尿毒症症候群(HUS)の年齢群別報告数(2008年第1〜31週) |
表2. 溶血性尿毒症症候群(HUS)届出症例(n=27)(2008年第1〜31週) |
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