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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核333例 | ||||||||||||||||||||||||||
3類感染症: | コレラ5例(感染地域:宮城県3例、フィリピン1例、インド1例) 細菌性赤痢5例〔感染地域:福岡県1例、佐賀県1例、国内(都道府県不明)1例、タイ1例、インドネシア1例〕 腸管出血性大腸菌感染症235例(有症者148例、うちHUS 4例)
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4類感染症: | E型肝炎2例〔感染地域:北海道1例(感染源:豚ホルモン)、タイ1例(感染源:不明)〕 A型肝炎1例(感染地域:ボリビア) デング熱4例(感染地域:タイ3例、マレーシア1例) 日本紅斑熱1例(感染地域:鹿児島県)
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5類感染症: |
破傷風1例(年齢群:30代)
(補)他に2008年第31週までに診断されたものの報告遅れとして、コレラ1例(感染地域:大阪府)、細菌性赤痢2例(感染地域:福岡県2例)、つつが虫病1例(感染地域:沖縄県)、レジオネラ症1例〔感染地域:岩手県(温泉)〕、急性脳炎3例〔ヒトヘルペスウイルス6型1例(0歳)、エンテロウイルス1例(1歳)、病原体不明1例(10代)〕、風しん3例〔(検査診断例2例、臨床診断例1例.感染地域:北海道1例、神奈川県1例、大阪府1例.年齢群:10〜14歳(1例)、35〜39歳(1例)、40代(1例)〕などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(1.07)、広島県(0.06)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は353例の報告があり、報告数は第28週以降増加が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約69%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では佐賀県(2.70)、愛媛県(2.38)、宮崎県(2.00)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第24週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では大分県(1.89)、宮崎県(1.75)、鳥取県(1.74)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(6.1)、宮崎県(6.1)、岡山県(4.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は第25週以降減少が続いている。都道府県別では山形県(0.97)、和歌山県(0.97)、福井県(0.95)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では石川県(10.1)、新潟県(8.3)、富山県(7.0)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では新潟県(0.38)、山梨県(0.25)、岡山県(0.24)が多い。百日咳の定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では新潟県(0.18)、千葉県(0.11)、広島県(0.10)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では長野県(7.5)、山形県(6.0)、秋田県(5.9)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では佐賀県(3.3)、宮崎県(2.7)、群馬県(1.6)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では福島県(3.3)、沖縄県(2.7)、宮城県(1.2)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週にオーストラリアへ修学旅行に行った高校生がO26 VT1に感染した計76例の報告が佐賀県からあり、一時的に増加した。その後は、第18週から徐々に増加し始め、第24週に1週間当たりの報告数が100例を超えた。第24〜30週はほぼ100〜150例で推移していたが、第31週は大きく増加し250例を超え、第32週は235例であった。第32週までの累積報告数2,064例は、2000年以降では3番目に多い(2000年1,740例、2001年2,779例、2002年1,924例、2003年1,300例、2004年1,976例、2005年1,872例、2006年1,894例、2007年2,169例)(図1)。
第32週(8月4日〜8月10日診断のもの)の報告235例は、患者(有症状者)が148例(63%)で、無症状病原体保有者87例(37%)であった。36都道府県から報告があり、都道府県別では、長崎県(36例)、東京都(26例)、大阪府(20例)、熊本県(11例)、鹿児島県(11例)、山形県(10例)が多かった。感染地域は国内234例、国外1例(アルジェリア/チュニジア)であった。国内の感染地としての都道府県別では、長崎県(36例)、東京都(20例)、大阪府(19例)、熊本県(11例)、鹿児島県(11例)、山形県(10例)、兵庫県(10例)が多かった。長崎県、東京都、大阪府(第31週からの発生)、熊本県(第31週からの発生)、鹿児島県(第31週からの発生)では保育園、山形県では放課後児童クラブに関連した集団発生があった。性別では男性124例、女性111例で、年齢群別では0〜9歳125例、20〜29歳31例、10〜19歳23例の順に多かった。
第1〜32週(2007年12月31日〜2008年8月10日診断のもの)の累積報告2,064例は、患者が1,409例(68%)、無症状病原体保有者が655例(32%)であった。報告はすべての都道府県からあり、報告の多い都道府県は、東京都(146例)、大阪府(132例)、福岡県(99例)、神奈川県(95例)、京都府(91例)、愛知県(90例)、兵庫県(86例)、佐賀県(86例)、長崎県(85例)であった(図2)。感染地域は国内が1,967例、国外が92例、国内か国外か不明が5例であり、国内の感染地としての都道府県別では、大阪府(131例)、東京都(111例)、京都府(91例)、福岡県(88例)、長崎県(84例)の順で多かった。性別では男性975例、女性1,089例であり、年齢群別では0〜9歳692例(うち患者77%)、10〜19歳357例(同78%)、20〜29歳322例(同75%)、30〜39歳227例(同46%)、40〜49歳119例(同46%)、50〜59歳153例(同47%)、60〜69歳91例(同52%)、70〜79歳57例(同5%)、80〜89歳40例(同75%)、90〜99歳6例(同67%)であった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、前週の集計(8月7日)以降に新たに6例が報告され、第32週までに33例報告となった。33例のうち10例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出によって届け出られたものである。都道府県別では、23都道府県(東京都5例、大阪府3例、秋田県2例、山形県2例、新潟県2例、愛媛県2例、北海道、栃木県、群馬県、千葉県、埼玉県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、香川県、高知県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が18例、5〜9歳が7例、10代が7例、50代が1例となっており、33例中30例が15歳未満の小児であった。33例中8例は生肉・生レバー、1例は生せんまい(牛の胃)、1例はステーキが感染源とされていた(表1、表2)。
また、第27週には、基礎疾患に腎臓病を持った60代女性患者(O157 VT2)の死亡例が報告されている。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症の年別・週別発生状況(1999年14週〜2008年第32週) | 図2. 腸管出血性大腸菌感染症の都道府県別報告状況(2008年第1〜32週) | 表1. 腸管出血性大腸菌感染症の溶血性尿毒症症候群(HUS)の年齢群別報告数(2008年第1〜32週) |
表2. 溶血性尿毒症症候群(HUS)届出症例(n=33)(2008年第1〜32週) |
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