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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核304例 | ||||||||||||||||||||||
3類感染症: | コレラ1例(感染地域:埼玉県)
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4類感染症: | A型肝炎6例〔感染地域:北海道1例、島根県1例、熊本県1例、インド2例、パキスタン1例〕 デング熱3例(感染地域:インド3例) 日本紅斑熱5例(感染地域:千葉県3例、広島県1例、鹿児島県1例) ブルセラ症1例(感染地域:愛知県) マラリア1例(三日熱_感染地域:コートジボワール/ブルキナファソ)
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5類感染症: |
梅毒4例(早期顕症I期1例、無症候3例) 破傷風2例〔年齢群:30代(1例)、60代(1例)〕 バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:VanC _菌検出検体:血液)
(補)他に2008年第33週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢2例(感染地域:カンボジア/ベトナム2例)、エキノコックス症2例(多包条虫2例_感染地域:北海道2例)、日本紅斑熱1例(感染地域:三重県)、レジオネラ症1例〔感染地域:富山県(温泉)〕、レプトスピラ症1例(感染地域:沖縄県_感染原因:水田)、急性脳炎3例〔ヒトヘルペスウイルス6型1例(0歳)、病原体不明2例(0歳1例、1歳1例)〕、クリプトスポリジウム症1例(感染地域:インドネシア)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(30代.死亡)、先天性風しん症候群1例(感染地域:神奈川県)、風しん3例〔検査診断例3例.感染地域:静岡県1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)1例.年齢群:8歳(1例)、25〜29歳(1例)、60代(1例)〕などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(0.31)、福井県(0.09)、島根県(0.03)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は443例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約76%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では愛媛県(2.14)、宮崎県(2.00)、鹿児島県(1.91)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では福井県(1.95)、大分県(1.86)、鳥取県(1.53)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(8.4)、宮崎県(7.1)、福井県(5.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は25週以降減少が続いている。都道府県別では大分県(1.14)、新潟県(1.13)、山形県(1.03)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第30週以降減少が続いている。都道府県別では新潟県(6.9)、石川県(4.4)、熊本県(3.6)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では鳥取県(0.26)、島根県(0.26)、新潟県(0.22)、大分県(0.22)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では宮崎県(0.17)、三重県(0.09)、岡山県(0.09)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第30週以降減少が続いている。都道府県別では山形県(4.1)、新潟県(2.6)、長野県(2.6)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では佐賀県(3.1)、宮崎県(2.6)、福井県(1.4)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較するとやや多い。都道府県別では沖縄県(2.86)、岡山県(2.00)、青森県(1.50)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週に、オーストラリアへ修学旅行に行った高校生(76例)の集団発生があり一時的に増加した。その後、第18週から徐々に増加しめ、第24週に100例を超えた。第24〜30週はほぼ100〜150例で推移していたが、第31週に大きく増加し250例を超えた。第31週261例、第32週266例、第33週は246例で、第34週は190例であった。第34週までの累積報告数2,536例は、2000年以降では3番目に多い(2000年2,085例、2001年3,296例、2002年2,319例、2003年1,549例、2004年2,416例、2005年2,264例、2006年2,324例、2007年2,625例)(図)。
第34週(8月18日〜8月24日診断のもの)の報告190例は、患者(有症状者)が137例(72%)で、無症状病原体保有者53例(28%)であった。39都道府県から報告があり、都道府県別では、埼玉県(21例)、東京都(19例)、愛知県(11例)、兵庫県(10例)、千葉県(9例)、長崎県(9例)が多かった。感染地域は国内189例、国内またはアフガニスタン1例であった。国内の感染地域としての都道府県別では、埼玉県(19例)、東京都(17例)、愛知県(10例)、長崎県(9例)が多かった。埼玉県(第33週からの発生)、東京都(第32週からの発生)ではいずれも保育園に関連した集団発生があった。このほか、埼玉県ではグループホームにおける集団発生があった。性別では男性74例、女性116例で、年齢群別では0〜9歳83例、10〜19歳29例、20〜29歳23例の順に多かった。
第1〜34週(2007年12月31日〜2008年8月24日診断のもの)の累積報告2,536例は、患者が1,721例(68%)、無症状病原体保有者が815例(32%)であった。報告はすべての都道府県からあり、報告の多い都道府県は、東京都(222例)、大阪府(149例)、福岡県(112例)、愛知県(110例)、神奈川県(106例)、兵庫県(99例)、長崎県(96例)、京都府(95例)、佐賀県(91例)であった。感染地域は国内が2,438例、国外が93例、国内か国外か不明が5例であり、国内の感染地域としての都道府県別では、東京都(175例)、大阪府(148例)、福岡県(101例)、愛知県(97例)、京都府(96例)、長崎県(95例)の順で多かった。性別では男性1,167例、女性1,369例であり、年齢群別では0〜9歳889例(うち患者75%)、10〜19歳420例(同79%)、20〜29歳391例(同76%)、30〜39歳263例(同45%)、40〜49歳139例(同45%)、50〜59歳182例(同48%)、60〜69歳120例(同52%)、70〜79歳71例(同70%)、80〜89歳54例(同76%)、90〜99歳7例(同71%)であった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、前週の集計(8月20日)以降に新たに5例が報告され、第34週までに41例の報告となった。41例のうち12例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出によって届け出られた。都道府県別では、25都道府県(東京都6例、大阪府5例、秋田県2例、山形県2例、群馬県2例、埼玉県2例、新潟県2例、岡山県2例、愛媛県2例、北海道、栃木県、千葉県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、香川県、高知県、長崎県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が21例、5〜9歳が9例、10代が9例、50代が1例、80代が1例となっており、41例中36例が15歳未満の小児であった(表)。原因菌が分離された29例でみたO血清群・ベロ毒素(VT)型別では、O157 VT1・VT2 17例、O157 VT2 11例、O121 VT2 1例であり、また、血清抗体(O抗原凝集抗体)により診断されたもののO血清群はすべてO157であった。感染源としては、41例中、生肉・生レバー8例、生せんまい(牛の胃)1例、焼肉3例、ステーキ1例、バーベキュー1例などが挙げられていた。
死亡例は第34週までに2例が報告された。1例は基礎疾患に腎臓病を持った60代女性(O157 VT2)、もう一例はHUSを発症した80代の女性(O157 VT2)である。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症の年別・週別発生状況(1999年14週〜2008年第34週) | 表. 腸管出血性大腸菌感染症の溶血性尿毒症症候群(HUS)の年齢群別報告数(2008年第1〜34週) |
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