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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核334例 | ||||||||||||||||||
3類感染症: | コレラ3例(感染地域:東京都1例、インド1例、中国/パキスタン1例)
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4類感染症: | A型肝炎1例〔感染地域:兵庫県〕 日本紅斑熱4例(感染地域:宮崎県2例、三重県1例、愛媛県1例) 日本脳炎1例(感染地域:茨城県) ブルセラ症1例(感染地域:愛知県)
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5類感染症: |
破傷風2例〔年齢群:60代(1例)、70代(1例)〕 バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例〔遺伝子型:VanC _菌検出検体:胆汁〕
(補)他にマラリア1例の報告があったが削除予定。また、2008年第34週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢3例(感染地域:福岡県2例、カンボジア1例)、デング熱3例(感染地域:タイ2例、サモア1例)、マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)、レジオネラ症1例〔感染地域:富山県(温泉)〕、ウイルス性肝炎1例(B型肝炎.感染経路:不明.死亡)、急性脳炎5例〔エンテロウイルス71型1例(2歳)、病原体不明4例(8歳1例、10代1例、50代2例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(80代)、風しん2例〔(検査診断例1例、臨床診断例1例.感染地域:東京都2例.年齢群:1歳(1例)、3歳(1例)〕などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は微増した。都道府県別では沖縄県(0.28)、和歌山県(0.04)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は553例の報告があり、報告数は2週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約71%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(2.11)、鹿児島県(2.07)、大分県(1.81)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では大分県(1.83)、鳥取県(1.68)、新潟県(1.38)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(7.4)、福井県(6.2)、宮崎県(6.0)が多い。水痘の定点当たり報告数は第25週以降減少が続いている。都道府県別では宮崎県(1.14)、徳島県(1.09)、三重県(0.96)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では新潟県(10.3)、熊本県(4.9)、石川県(3.9)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では福井県(0.68)、福島県(0.42)、新潟県(0.27)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では宮崎県(0.17)、滋賀県(0.15)、福井県(0.14)、愛媛県(0.14)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第30週以降減少が続いている。都道府県別では山形県(4.8)、新潟県(3.7)、長野県(3.2)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(2.64)、佐賀県(1.74)、滋賀県(1.24)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較するとやや多い。都道府県別では福島県(1.86)、栃木県(1.71)、沖縄県(1.71)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週に、オーストラリアへ修学旅行に行った高校生(76例)の集団発生があり一時的に増加した。その後、第18週から徐々に増加し始め、第24週に100例を超えた。第24〜30週はほぼ100〜150例で推移していたが、第31週に大きく増加し250例を超えた。第31週261例、第32週267例、第33週253例で、第34週は205例と減少したが、第35週は251例と再び増加した。第35週までの累積報告数2,809例は、2000年以降では3番目に多い(2000年2,270例、2001年3,534例、2002年2,452例、2003年1,717例、2004年2,648例、2005年2,417例、2006年2,618例、2007年2,890例)(図1)。
第35週(8月25日〜8月31日診断のもの)の報告251例は、患者(有症状者)が174例(69%)で、無症状病原体保有者77例(31%)であった。42都道府県から報告があり、都道府県別では、大阪府(19例)、千葉県(17例)、東京都(17例)、岩手県(14例)、埼玉県(14例)、広島県(13例)、福岡県(13例)が多かった。感染地域はすべて国内例であった。国内の感染地域としての都道府県別では、大阪府(19例)、岩手県(16例)、埼玉県(13例)、東京都(13例)、広島県(11例)、千葉県(10例)、京都府(9例)、福岡県(9例)、石川県(8例)が多かった。埼玉県(第33週からの発生)、佐賀県(第35週の発生)、長崎県(第35週の発生)ではいずれも保育園に関連した集団発生があった。また、石川県(第35週の発生)では飲食店(焼肉)での食中毒による集団発生があった。性別では男性121例、女性130例で、年齢群別では0〜9歳92例、20〜29歳45例、10〜19歳42例の順に多かった。
第1〜35週(2007年12月31日〜2008年8月31日診断のもの)の累積報告2,809例は、患者が1,910例(68%)、無症状病原体保有者が899例(32%)であった。報告はすべての都道府県からあり、報告の多い都道府県は、東京都(242例)、大阪府(173例)、福岡県(125例)、神奈川県(119例)、愛知県(116例)、兵庫県(104例)、長崎県(102例)、京都府(101例)、千葉県(100例)であった(図2)。感染地域は国内が2,711例、国外が93例、国内か国外か不明が5例であり、国内の感染地域としての都道府県別では、東京都(191例)、大阪府(173例)、福岡県(110例)、京都府(105例)、長崎県(101例)、愛知県(100例)の順で多かった。性別では男性1,301例、女性1,508例であり、年齢群別では0〜9歳985例(うち患者76%)、10〜19歳464例(同79%)、20〜29歳442例(同75%)、30〜39歳293例(同43%)、40〜49歳154例(同42%)、50〜59歳201例(同49%)、60〜69歳126例(同53%)、70〜79歳80例(同73%)、80〜89歳57例(同77%)、90〜99歳7例(同71%)であった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、前週の集計(8月27日)以降に新たに6例が報告され、第35週までに47例の報告となった。47例のうち14例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出によって届け出られた。都道府県別では、27都道府県(東京都6例、大阪府6例、群馬県3例、北海道2例、秋田県2例、山形県2例、栃木県2例、埼玉県2例、新潟県2例、岡山県2例、愛媛県2例、茨城県、千葉県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、長崎県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が26例、5〜9歳が10例、10代が9例、50代が1例、80代が1例となっており、47例中42例が15歳未満の小児であった(表)。原因菌が分離された33例でみたO血清群・ベロ毒素(VT)型別では、O157 VT1・VT2 19例、O157 VT2 12例、O111 VT1・VT2 1例、O121 VT2 1例であり、血清抗体(O抗原凝集抗体)により診断された14例のO血清群は不明の1例を除いてすべてO157であった。感染源としては、47例中生肉・生レバー8例、生せんまい(牛の胃)2例、焼肉3例、バーベキュー3例、ステーキ1例などが挙げられていた。
死亡例は第35週までに4例が報告された。2歳男性(O157 VT2.HUS発症)、60代女性(O157VT2)、80代男性(O157 VT2)、80代女性(O157 VT2.HUS発症)である。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症の年別・週別発生状況(1999年14週〜2008年第35週) | 図2. 腸管出血性大腸菌感染症の都道府県別報告状況(2008年第1〜35週) | 表. 腸管出血性大腸菌感染症の溶血性尿毒症症候群(HUS)の年齢群別報告数(2008年第1〜35週) |
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