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発生動向総覧
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1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核324例 | ||||||||||||||||||
3類感染症: | コレラ1例(感染地域:パキスタン)
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4類感染症: | A型肝炎2例〔感染地域:東京都1例、韓国1例〕 デング熱4例〔感染地域:インド2例(うち1例は腸チフスと重複感染)、タイ1例、フィリピン1例〕
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5類感染症: |
梅毒15例(早期顕症I期3例、早期顕症II期6例、晩期顕症1例、無症候5例) 破傷風3例〔年齢群:60代(1例)、80代(2例)〕
(補)他に、ジアルジア症1例、梅毒2例の報告があったが削除予定。また、2008年第35週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例(感染地域:インドネシア/シンガポール)、E型肝炎1例〔感染地域(感染源):中国(ヤギ肉)〕、デング熱5例(感染地域:インド3例、タイ1例、ラオス/スリランカ/モルディブ1例)、日本紅斑熱2例(感染地域:三重県2例)、レジオネラ症2例〔感染地域:静岡県1例(温泉)、長野県1例(温泉)〕、アメーバ赤痢1例〔腸管及び腸管外アメーバ症(死亡)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔40代(1例.死亡)、80代(1例.死亡)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例(遺伝子型:VanC 1例_菌検出検体:血液、遺伝子型:不明1例_菌検出検体:血液)などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患によ
り小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基
幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は微減した。都道府県別では沖縄県(0.31)、栃木県(0.05)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は836例の報告があり、報告数は3週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約72%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鹿児島県(2.11)、宮崎県(1.72)、愛媛県(1.35)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では大分県(2.28)、鳥取県(1.63)、山形県(1.47)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(7.7)、宮崎県(6.3)、福井県(5.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では徳島県(1.83)、宮崎県(1.33)、新潟県(1.16)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では新潟県(12.4)、熊本県(4.9)、石川県(3.2)、長野県(3.2)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福島県(0.40)、新潟県(0.25)、埼玉県(0.20)が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では福島県(0.13)、千葉県(0.09)、長野県(0.09)、沖縄県(0.09)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では山形県(5.0)、新潟県(4.7)、長野県(3.0)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では佐賀県(1.87)、宮崎県(1.75)、高知県(1.30)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では沖縄県(2.57)、福島県(1.57)、大阪府(1.36)が多い。
◆ 腸管出血性大腸菌感染症
2008年の腸管出血性大腸菌感染症報告数は、第11(〜13)週に、オーストラリアへ修学旅行に行った高校生(76例)の集団発生があり一時的に増加した。その後、第18週から徐々に増加し始め、第24週に100例を超えた。第24〜30週はほぼ100〜150例で推移していたが、第31週に大きく増加し250例を超えた。第32週270例、第33週255例、第34週209例、第35週282例であり、第36週は207例であった。第36週までの累積報告数3,059例は、2000年以降では2番目に多い(2000年2,460例、2001年3,677例、2002年2,541例、2003年1,852例、2004年2,804例、2005年2,610例、2006年2,798例、2007年3,056例)(図1)。
第36週(9月1〜7日診断のもの)の報告207例は、患者(有症状者)が133例(64%)で、無症状病原体保有者74例(36%)であった。35都道府県から報告があり、都道府県別では、長崎県(20例)、東京都(18例)、千葉県(16例)、岩手県(15例)、大阪府(15例)、福岡県(13例)、福井県(12例)、宮城県(9例)、埼玉県(9例)、静岡県(9例)が多かった。感染地域はすべて国内例であった。国内の感染地域としての都道府県別では、長崎県(19例)、東京都(17例)、大阪府(15例)、岩手県(14例)、千葉県(14例)、福井県(12例)、福岡県(12例)、埼玉県(9例)、静岡県(9例)が多かった。長崎県(第35週からの発生)、福岡県(第36週の発生)ではいずれも保育園に関連した集団発生があった。また、石川県(第35週からの発生)では飲食店(焼肉)での食中毒による集団発生があった。性別では男性95例、女性112例で、年齢群別では0〜9歳99例、10〜19歳27例、20〜29歳26例の順に多かった。
第1〜36週(2007年12月31日〜2008年9月7日診断のもの)の累積報告3,059例は、患者が2,070例(68%)、無症状病原体保有者が989例(32%)であった。報告はすべての都道府県からあり、報告の多い都道府県は、東京都(265例)、大阪府(197例)、福岡県(139例)、神奈川県(130例)、長崎県(122例)、千葉県(119例)、愛知県(119例)、兵庫県(108例)、京都府(106例)であった(図2)。感染地域は国内が2,960例、国外が94例、国内か国外か不明が5例であり、国内の感染地域としての都道府県別では、東京都(212例)、大阪府(192例)、福岡県(123例)、長崎県(120例)、京都府(110例)、愛知県(102例)の順で多かった。性別では男性1,413例、女性1,646例であり、年齢群別では0〜9歳1,097例(うち患者75%)、10〜19歳496例(同79%)、20〜29歳476例(同75%)、30〜39歳313例(同44%)、40〜49歳170例(同44%)、50〜59歳220例(同48%)、60〜69歳137例(同55%)、70〜79歳83例(同72%)、80〜89歳59例(同76%)、90〜99歳8例(同75%)であった。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、前週の集計(9月3日)以降に新たに6例が報告され、第36週までに53例報告となった。53例のうち17例は、菌は分離されなかったが、血清抗体の検出によって届け出られたものである。都道府県別では、28都道府県(東京都7例、大阪府7例、群馬県3例、埼玉県3例、岡山県3例、北海道2例、秋田県2例、山形県2例、茨城県2例、栃木県2例、新潟県2例、愛媛県2例、千葉県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、兵庫県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、長崎県、鹿児島県、沖縄県各1例)から報告があった。年齢は0〜4歳が29例、5〜9歳が12例、10代が9例、20代が1例、50代が1例、80代が1例となっており、53例中47例が15歳未満の小児であった(表)。原因菌が分離された36例でみたO血清群・ベロ毒素抗体(VT型別)では、O157 VT1・VT2 18例、O157 VT2 15例、O111 VT1・VT2 1例、O121 VT2 1例、O157 VT2及びO26 VT1 1例であり、血清抗体(O抗原凝集抗体)により診断されたもののO血清群は不明の3例を除いてすべてO157であった。感染源としては、53例中生肉・生レバー8例、生せんまい(牛の胃)2例、焼肉4例、バーベキュー4例、ステーキ1例などが挙げられていた。
死亡例は第36週までに4例が報告された。2歳男性(O157 VT2.HUS発症)、60代女性(O157 VT2)、80代男性(O157 VT2)、80代女性(O157 VT2.HUS発症)である。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症の年別・週別発生状況(1999年14週〜2008年第36週) | 図2. 腸管出血性大腸菌感染症の都道府県別報告状況(2008年第1〜36週) | 表. 腸管出血性大腸菌感染症の溶血性尿毒症症候群(HUS)の年齢群別報告数(2008年第1〜36週) |
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