発生動向総覧
※2008年5月12日の法改正に伴い、疾病の名称および並び順を一部変更しました。
〈第1週コメント〉 1月8日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 62例 |
3類感染症: |
腸管出血性大腸菌感染症8例(有症者3例)
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感染地域:国内8例
国内の感染地域:山形県5例、東京都1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:2歳(1例)、4歳(1例)、9歳(1例)、30代(2例)、40代(1例)、50代(1例)、80代(1例)
血清型・毒素型:O26 VT1(5例)、O157 VT1・VT2(2例)、O1 VT2(1例)
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4類感染症: |
つつが虫病5例(感染地域:鹿児島県3例、千葉県1例、和歌山県1例)
マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症4例(肺炎型4例)
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感染地域:北海道1例、神奈川県1例(温泉)、岐阜県1例(温泉)、愛知県1例
年齢群:70代(3例)、80代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢3例(腸管アメーバ症2例、腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:福島県1例、国内(都道府県不明)1例、インドネシア/アラブ首長国連邦1例
感染経路:経口感染1例、性的接触2例(同性間1例、異性間・同性間不明1例)
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急性脳炎2例
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A型インフルエンザウイルス1例_年齢群:3歳
病原体不明1例_年齢群:3歳
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後天性免疫不全症候群2例(AIDS 1例、無症候1例)
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感染地域:国内1例、国内・国外不明1例
感染経路:性的接触1例(同性間)、不明1例
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髄膜炎菌性髄膜炎1例
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感染地域:熊本県
年齢群:20代
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風しん1例(臨床診断例) |
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感染地域:福岡県
年齢群:15〜19歳
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麻しん7例〔麻しん(検査診断例1例、臨床診断例5例)、修飾麻しん(検査診断例1例)〕
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感染地域:国内7例
国内の感染地域:愛知県2例、千葉県1例、東京都1例、神奈川県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:0歳(1例)、1歳(2例)、2歳(1例)、5歳(1例)、15〜19歳(2例)
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(補)他に2008年第52週までに診断されたものの報告遅れとして、急性脳炎1例〔病原体不明(1歳)〕、風しん1例〔臨床診断例_感染地域:国内(都道府県不明).年齢群:25〜29歳〕などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(17.6)、北海道(16.7)、福島県(12.5)、岡山県(9.6)、滋賀県(9.4)、鳥取県(8.3)、秋田県(8.2)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は1,023例と報告数は3週連続で減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約79%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では北海道(1.10)、徳島県(0.78)、鹿児島県(0.78)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鳥取県(1.79)、宮崎県(1.61)、富山県(1.52)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では福井県(16.3)、大分県(15.6)、宮崎県(11.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(3.9)、福井県(3.5)、福島県(2.8)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第37週以降減少が続いている。都道府県別では秋田県(0.40)、青森県(0.33)、高知県(0.30)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では福島県(0.13)、新潟県(0.10)、秋田県(0.09)、佐賀県(0.09)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では大分県(0.06)、沖縄県(0.06)、宮崎県(0.03)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第50週以降減少が続いている。都道府県別では熊本県(0.13)、鳥取県(0.11)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では福井県(1.82)、高知県(1.30)、福岡県(0.86)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(2.29)、福島県(1.00)、栃木県(0.43)が多い。
〈第2週コメント〉 1月14日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 283例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢3例
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感染地域:国内(都道府県不明)1例、インド1例、エジプト/アラブ首長国連邦1例
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腸管出血性大腸菌感染症5例(有症者5例、うちHUS 1例)
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感染地域:国内5例
国内の感染地域:兵庫県2例、東京都1例、長野県1例、広島県1例
年齢群:5歳(1例)、10代(1例)、20代(1例)、50代(2例)
血清型・毒素型:O26 VT1(1例)、O157 VT1(1例)、O157 VT2(1例)、その他・不明(2例)
累積報告数:14例(有症者8例、うちHUS 1例)
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4類感染症: |
エキノコックス症1例(単包条虫_感染地域:不明)
つつが虫病5例(感染地域:鹿児島県3例、千葉県1例、東京都1例) デング熱1例(感染地域:カンボジア)
日本紅斑熱2例(感染地域:兵庫県2例)
マラリア2例(三日熱2例_感染地域:インドネシア1例、パプアニューギニア1例)
レジオネラ症11例(肺炎型11例)
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感染地域:北海道2例、東京都2例、神奈川県2例、岩手県1例、岐阜県1例、愛知県1例、大阪府1例、兵庫県1例
年齢群:30代(2例)、40代(1例)、50代(2例)、60代(3例)、70代(2例)、80代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢7例(腸管アメーバ症4例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:宮城県1例、東京都1例、静岡県1例、国内(都道府県不明)3例、インドネシア1例
感染経路:経口感染3例、性的接触4例(同性間3例、異性間1例)
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ウイルス性肝炎3例
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B型2例_感染経路:性的接触1例(異性間)、不明1例
C型1例_感染経路:不明
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急性脳炎2例
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A型インフルエンザウイルス1例_年齢群:9歳
インフルエンザウイルス(型不明)1例_年齢群:5歳
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例
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孤発性プリオン病古典型
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(年齢群:50代)
後天性免疫不全症候群7例(無症候5例、その他2例) |
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感染地域:国内6例、タイ1例
感染経路:性的接触6例(異性間1例、同性間4例、異性/同性間1例)、静注薬物使用1例
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梅毒8例(早期顕症I期4例、早期顕症II期1例、無症候3例)
破傷風1例(年齢群:60代) バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:喀痰)
風しん1例(臨床診断例)
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感染地域:神奈川県
年齢群:30〜34歳
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麻しん15例〔麻しん(検査診断例4例、臨床診断例10例)、修飾麻しん(検査診断例1例)〕
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感染地域:国内15例
国内の感染地域:埼玉県2例、神奈川県2例、北海道1例、宮城県1例、福島県1例、群馬県1例、千葉県1例、愛知県1例、京都府1例、大阪府1例、愛媛県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:1歳(3例)、15〜19歳(1例)、20〜24歳(4例)、25〜29歳(2例)、30〜34歳(1例)、35〜39歳(1例)、40代(1例)、50代(2例)
累積報告数:22例〔麻しん(検査診断例5例、臨床診断例15例)、修飾麻しん(検査診断例2例)〕
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(補)他に2009年第1週までに診断されたものの報告遅れとして、急性脳炎1例〔A型インフルエンザウイルス(10歳).死亡〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70代.死亡)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(27.9)、岡山県(20.7)、福島県(15.9)、兵庫県(15.1)、山形県(14.5)、大分県(14.0)、北海道(14.0)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は1,374例と報告数は増加した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約81%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では鹿児島県(1.07)、石川県(0.97)、北海道(0.92)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(3.1)、山形県(2.8)、大分県(2.7)、宮崎県(2.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(24.6)、大分県(19.0)、愛媛県(18.5)、福井県(18.3)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(6.6)、宮崎県(5.9)、山形県(5.8)、新潟県(5.1)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では山形県(0.45)、高知県(0.43)、秋田県(0.37)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福島県(0.40)、広島県(0.29)、青森県(0.26)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(0.12)、福岡県(0.08)、千葉県(0.07)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では高知県(0.23)、大分県(0.17)、京都府(0.12)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(4.4)、福岡県(2.6)、高知県(2.0)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(3.6)、青森県(3.0)、福島県(1.6)が多い。
注目すべき感染症
◆ インフルエンザ
インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられている。現在ヒトからヒトに感染して臨床的に問題となっているインフルエンザウイルスにはA香港型(A/H3N2亜型)、Aソ連型(A/H1N1亜型)、B型の3種類がある。日本においては、他の北半球の温帯地域の国々と同様に例年冬季を中心に全国的な流行が発生し、多くのシーズンにおいて推計1,000万人以上の発病者がみられている。インフルエンザはいわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強く、また重症化することがあり、加えて様々な合併症を招く可能性がある。合併症等がなければ、約1週間の経過で軽快するものの、特に高齢者や、基礎疾患を持っている場合などでは原疾患の悪化と共に、二次的な細菌性肺炎を起こす場合がある。また、小児では中耳炎の合併や熱性痙攣、気管支喘息の誘発を招く場合がある。更に乳幼児を中心とした小児においては、稀ではあるものの急性脳症(インフルエンザ脳症)を合併する場合がある。インフルエンザが疑われる症状を呈した場合は、速やかに医療機関を受診して医師の診断と適切な治療を受けることが重要である。
インフルエンザは、罹患している人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによる飛沫感染が主な感染経路であり、飛沫等を介する間接的接触による接触感染もあると考えられている。インフルエンザの流行時には、不特定多数の人が集まる場所に行くことはできれば避けるべきであり、外出する際のマスクの利用や帰宅時のうがい、手洗いが奨められる。また、インフルエンザの主な感染経路が飛沫感染であることより、周囲への感染拡大を防止する意味から、インフルエンザに罹患している人、咳嗽などの症状のある人は特に、マスクの着用等の咳エチケットが推奨される。
感染症発生動向調査によると、2009年第2週のインフルエンザの定点当たり報告数は11.94(報告数56,592)となり、今シーズン(2008/09年シーズン)に入っての最高値であった第52週(定点当たり報告数6.52)を大幅に上回った(図1)。都道府県別では沖縄県(27.9)、岡山県(20.7)、福島県(15.9)、兵庫県(15.1)、山形県(14.5)、大分県(14.0)、北海道(14.0)、宮城県(13.7)、愛知県(13.4)、広島県(13.4)の順であり、全国的な流行の拡大がみられていることに加えて、特に沖縄県と岡山県からの報告数が急増している(図2、図3)。2008年第36週〜2009年第2週までの定点当たり累積報告数は35.29(累積報告数165,728)であり、年齢別では5〜9歳43,481例(26.2%)、0〜4歳38,365例(23.1%)、10〜14歳20,995例(12.7%)、30〜39歳18,331例(11.1%)、20〜29歳18,012例(10.9%)の順となっている(図4)。第36週以降のインフルエンザウイルスの分離報告数は39都道府県から748件あり、その内訳はAH1亜型296件(39.6%)、AH3亜型324件(43.3%)、B型128件(17.1%)となっている(図5)。AH3亜型の報告割合が最多であるが、AH1亜型の分離報告の割合が増加してきている(図6)
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図1. インフルエンザの年別・週別発生状況(1999〜2009年第2週) |
図2. インフルエンザの都道府県別報告状況(2009年第2週) |
図3. 主要都道府県におけるインフルエンザの週別推移(2008年第25〜2009年第2週) |
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図4. 2008/09シーズンのインフルエンザ累積報告数の年齢群別割合(2008年第36〜2009年第2週) |
図5. インフルエンザウイルス型別分離・検出割合報告(2008年第36〜2009年第2週) |
図6. インフルエンザウイルス分離・検出報告数の週別推移(2008年第20〜2009年第2週) |
昨シーズンからAH1亜型ウイルスにおいてはリン酸オセルタミビルに対する耐性ウイルスが出現した。今シーズンでは、米国などで分離同定されたAH1亜型ウイルスの多くはリン酸オセルタミビル耐性であるとの報告があり(Influenza Activity---United States, September 28 --- November 29, 2008;MMWR http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5749a3.htm)、また我が国でも、今シーズン国内で分離されたAH1亜型ウイルスの大半が同薬剤に対して耐性であると報告されている(IASR・インフルエンザ速報記事http://idsc.nih.go.jp/iasr/influ.html)。今シーズンは現時点ではAH3亜型ウイルスの分離割合が最多であるが、第49週の全国的な流行が開始して以降ではAH1亜型の分離報告数(257)の方がAH3亜型の報告数(189)を上回っている。
今後国内におけるインフルエンザの流行は更に本格化してくることが予想されるが、患者の発生動向およびインフルエンザウイルスの分離状況には更に注意深い観察が必要である。
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