発生動向総覧
〈第37週コメント〉 9月16日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 319例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢2例
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感染地域:広島県1例、ベトナム1例
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腸管出血性大腸菌感染症126例(有症者89例、うちHUS 7例)
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感染地域:国内124例、トルコ1例、国内/アフガニスタン1例
国内の多い感染地域:宮城県12例、埼玉県12例、東京都12例、愛知県12例、兵庫県12例、岐阜県8例、大阪府6例、長野県3例、鹿児島県3例
年齢群:1歳(7例)、2歳(6例)、3歳(7例)、4歳(5例)、5歳(4例)、6歳(6例)、7歳(5例)、8歳(3例)、10代(29例)、20代(18例)、30代(10例)、40代(11例)、50代(4例)、60代(6例)、70代(3例)、80代(2例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(60例)、O157 VT2(23例)、O26 VT1(14例)、O111 VT1(6例)、O145 VT1(6例)、O157 VT不明(6例)、O157 VT1(3例)、O103 VT1(1例)、O115 VT1(1例)、O145 VT不明(1例)、その他・不明(5例)
累積報告数:2,666例(有症者1,823例、うちHUS 54例.死亡2例)
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4類感染症: |
デング熱1例(感染地域:ミャンマー)
日本紅斑熱4例(感染地域:広島県2例、和歌山県1例、鹿児島県1例)
レジオネラ症6例(肺炎型6例)
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感染地域:岩手県1例、石川県1例(温泉)、静岡県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)2例
年齢群:40代(1例)、50代(2例)、60代(2例)、80代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢8例(腸管アメーバ症6例、腸管外アメーバ症1例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:青森県1例、山梨県1例、国内(都道府県不明)3例、インドネシア1例、カンボジア1例、国内・国外不明1例
感染経路:経口感染3例、性的接触2例(異性間・同性間不明2例)、不明3例
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ウイルス性肝炎1例(C型_感染経路:不明)
急性脳炎4例
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インフルエンザウイルスAH1pdm 4例_年齢群:5歳(1例)、7歳(1例)、10代(2例)
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(年齢群:20代)
後天性免疫不全症候群8例(AIDS 1例、無症候4例、その他3例) |
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感染地域:国内8例
感染経路:性的接触8例(異性間3例、同性間4例、異性/同性間1例)
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ジアルジア症1例〔感染地域:国内(都道府県不明)〕
梅毒1例(早期顕症I期)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例 |
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遺伝子型:VanB 1例_菌検出検体:血液
遺伝子型:不明1例_菌検出検体:血液
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麻しん13例〔麻しん(検査診断例7例、臨床診断例6例)〕
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感染地域:国内13例
国内の感染地域:千葉県3例、愛知県3例、埼玉県2例、神奈川県1例、長野県1例、滋賀県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:0歳(3例)、1歳(3例)、2歳(1例)、3歳(2例)、15〜19歳(1例)、20〜24歳(1例)、25〜29歳(1例)、30〜34歳(1例)
累積報告数:619例〔麻しん(検査診断例195例、臨床診断例261例)、修飾麻しん(検査診断例163例)〕
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(補)他に2009年第36週までに診断されたものの報告遅れとして、コレラ1例(感染地域:フィリピン)、E型肝炎1例〔感染地域(感染源):鹿児島県(猪肉)〕、デング熱2例(感染地域:フィリピン1例、メキシコ1例)、日本紅斑熱2例(感染地域:広島県1例、鹿児島県1例)、マラリア2例(熱帯熱2例_感染地域:ウガンダ1例、ガーナ1例)、レプトスピラ症1例(感染地域:沖縄県_感染原因:川遊び)、急性脳炎3例〔インフルエンザウイルスAH1pdm 1例(8歳)、病原体不明2例(0歳2例.うち1例死亡)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例(遺伝子型:VanB 1例_菌検出検体:尿、遺伝子型:VanC 1例_菌検出検体:ドレーン)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第28週以降増加が続いており、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(13.38)、宮城県(5.90)、東京都(5.90)、福岡県(5.50)、大阪府(5.20)、北海道(4.88)、千葉県(4.51)、長崎県(4.16)、埼玉県(3.95)、神奈川県(3.92)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は446例と減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約76%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では福岡県(0.49)、北海道(0.34)、石川県(0.28)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は34週以降増加が続いている。都道府県別では鳥取県(1.58)、北海道(1.56)、秋田県(1.31)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(5.8)、宮崎県(5.6)、福井県(5.4)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(1.53)、福井県(0.95)、徳島県(0.91)、福岡県(0.91)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では佐賀県(2.78)、宮崎県(2.67)、山形県(2.53)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では神奈川県(0.29)、宮崎県(0.19)、埼玉県(0.16)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では高知県(0.20)、広島県(0.17)、福岡県(0.15)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第32週以降減少が続いている。都道府県別では福井県(3.95)、富山県(2.76)、長野県(2.69)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(2.41)、沖縄県(2.26)、山形県(2.23)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では青森県(2.00)、愛媛県(1.33)、沖縄県(1.29)が多い。
〈8月コメント〉
◆性感染症について 2009年9月11日集計分 性感染症定点数:953
(産婦人科・産科・婦人科:458、泌尿器科:395、皮膚科86、性病科14)
●月別推移
2009年8月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.35(男1.11、女1.25)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.66(男0.26、女0.40)、尖圭コンジローマが0.49(男0.29、女0.20)、淋菌感染症が0.88(男0.72、女0.16)であった。男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)
前月に比べると、男性では、性器クラミジア感染症で同値、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで減少、淋菌感染症で同値であった。女性では、4疾患すべてで減少した(30〜33ページ「グラフ総覧」参照)。
過去5年間の同時期と比較すると、男女共に4疾患すべてでやや少なかった(図2)。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(8月) |
●男女別・年齢階級別
年齢群別(0歳、1〜4歳、5〜69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症は25〜29歳、性器ヘルペスウイルス感染症は25〜39歳の3つの年齢群、尖圭コンジローマは30〜34歳、淋菌感染症は25〜29歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症は20〜24歳、性器ヘルペスウイルス感染症は25〜29歳、尖圭コンジローマは25〜29歳、淋菌感染症は20〜24歳の年齢群であった(図3:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15〜19歳の年齢群の報告があり、さらに女性では性器クラミジア感染症と淋菌感染症で10〜14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上の報告はないか、あっても僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。この年齢層は再発例が含まれている可能性が以前から指摘されており、2006年4月の届出基準改正により、抗体のみ陽性のものの除外に加えて「明らかな再発例は除外する」ことが明示された。しかし、報告数や年齢群分布において明らかな変化は見られておらず、この基準変更の周知徹底が必要と考える。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、淋菌感染症では10〜14歳を除く年齢群で男性が女性よりも多かった。一方、性器クラミジア感染症では10〜29歳の4つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15〜34歳、40〜44歳、55〜70歳以上の9つの年齢群、尖圭コンジローマでは20〜29歳の2つの年齢群の、比較的低い年齢層を中心に女性が男性よりも多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較についてはそれらの比率の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15〜29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられる。性器ヘルペスウイルス感染症は、男性では2007年以降、女性では2006年以降微減傾向がみられる。尖圭コンジローマは男女共に2006年以降微減傾向がみられる。淋菌感染症は、男性では2003年以降減少傾向、女性では2004年以降微減傾向がみられる。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで減少、淋菌感染症で同値であった。女性では4疾患すべてで減少した。
◆薬剤耐性菌について (9月11日集計分)
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基幹定点数(8月):464.
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●月別
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
4.20(前月:4.05、前年同月:4.38)
定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。8月は前月よりやや増加し、過去10年間の同月との比較ではやや上位に属した。
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症
0.76(前月:0.87、前年同月:0.60)
定点当たり報告数は、例年春から初夏にかけて(4〜6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7〜9月)に少なく推移している。8月は前月より減少し、過去10年間の同月との比較ではやや上位に属した。
薬剤耐性緑膿菌感染症
0.09(前月:0.10、前年同月:0.08)
定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向がある。8月は前月よりやや減少し、過去10年間の同月との比較ではやや下位に属した。
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●年齢階級別
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MRSA感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の61%を占めている(図1:PDF参照)
PRSP感染症
小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の62%を占める一方、70歳以上が全体の21%を占めている(図2:PDF参照)。
薬剤耐性緑膿菌感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の61%を占めている(図3:PDF参照)
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●性別:女性を1 として算出した男/女比
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MRSA感染症…男:女=1.8:1
PRSP感染症…男:女=1.2:1
薬剤耐性緑膿菌感染症…男:女=1.3:1
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●都道府県別
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MRSA感染症
定点当たり報告数は沖縄県(10.7)、新潟県(8.8)、山口県(7.0)が多い。
PRSP感染症
定点当たり報告数は福井県(2.5)、千葉県(2.3)、宮崎県(2.3)が多い。
薬剤耐性緑膿菌感染症
報告総数が44件にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
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注目すべき感染症
◆ インフルエンザ
インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられている。2009年4月にその存在が明らかとなった新型インフルエンザA/H1N1の臨床像は、従来の季節性インフルエンザとほぼ同様であり、その感染経路も季節性インフルエンザと同様に飛沫感染が主体であり、一部には接触感染があると考えられている(感染症情報センターホームページ:http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/infection_control_0901.html 参照)。
感染症発生動向調査では、全国約5,000カ所(小児科約3,000、内科約2,000)のインフルエンザ定点からの報告に基づいてインフルエンザの発生動向を分析している。本サーベイランスは原則的に臨床診断によるものであり、最近の国内のインフルエンザウイルス検出状況を考慮すれば、現在報告されているインフルエンザ患者発生の殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される。
感染症発生動向調査によると、インフルエンザの定点当たり報告数は、2009年第28週以降増加が続いており、第37週は3.21(報告数15,382)となり、過去2週間と比べて大きな増加となった(図1)。定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約18万人となった。都道府県別では沖縄県(13.38)、宮城県(5.90)、東京都(5.90)、福岡県(5.50)、大阪府(5.20)、北海道(4.88)、千葉県(4.51)、長崎県(4.16)、埼玉県(3.95)、神奈川県(3.92)の順となっている。40都道府県で定点当たり報告数が1.00を超えており(図2)、また47都道府県の386保健所地域で定点当たり報告数が1.00を超えている。
沖縄県の患者報告数は大きな減少が続いており、47都道府県の約半数にあたる24都道府県で前週より増加が認められており、特に北海道、宮城県、首都圏、大阪府、兵庫県、福岡県等の大都市圏を中心とした報告数の増加が目立っている(図3)。
患者報告数が継続的に増加し始めた第28週以降第37週までの定点当たり累積報告数は15.27(累積報告数70,124)であり、年齢群別では10〜14歳16,735例(23.9%)、5〜9歳16,122例(23.0%)、15〜19歳11,357例(16.2%)、0〜4歳8,578例(12.2%)、20〜29歳8,066例(11.5%)の順となっている。10代の年齢群の報告数の割合が増加してきており、29歳以下の年齢群の割合が約87%となっている(図4)。
日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降37週までに7,896件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは6,915件(87.6%)を占めている。特に患者報告数が増加し始めた第28週以降では、第37週までに5,722件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、AH1亜型(Aソ連型)16件(0.3%)、AH3亜型(A香港型)87件(1.5%)、B型4件(0.1%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)5,615件(98.1%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される(図5および感染症情報センターホームページ:http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/sinin1.gif 参照)
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図1. インフルエンザの年別・週別発生状況(1999〜2009年第37週) |
図2. インフルエンザの都道府県別報告状況(2009年第37週) |
図3. インフルエンザの都道府県別報告数の推移(2009年第35〜37週) |
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図4. インフルエンザ累積報告数の年齢群別割合(2009年第28〜37週) |
図5. インフルエンザウイルス検出割合報告(2009年第28〜37週) |
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第37週は10代を中心にインフルエンザの報告数の増加がみられたが、これは夏季休暇が終了して国内の殆どの学校等が再開したことの影響によると思われる。また、ヒトの移動等を勘案すると、大都市圏を中心に流行が増大しつつあることは、その周辺地域も含めて流行が拡大して行く可能性が高いと考えられる。
これまでのインフルエンザ・パンデミックの例をみても、新型インフルエンザの流行は、国民の多くが感染し免疫を保有するに至るまでは繰り返されるものと考えられる。また、現時点においては、いまだ殆どの国民が感受性者であることから、たとえ秋季の流行であっても、その規模は従来の冬季における季節性インフルエンザの流行よりも大きくなる可能性があることを考慮しておくべきである。従って、本格的な流行となった場合に、現在の医療体制を維持し、国民に対して医療サービスを提供し続けることが大きな課題であり、また、流行規模の増大に伴って、心疾患、呼吸器疾患、腎疾患、糖尿病等の慢性疾患患者、妊婦、乳幼児、高齢者等のいわゆるインフルエンザの罹患による重症化が予想される者に対する注意と対策に関する準備も急務であると思われる。新型インフルエンザを含めたインフルエンザの発生動向には今後とも警戒が必要である。
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