発生動向総覧
〈第52週コメント〉 1月5日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 315例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢1例(感染地域:中国)
腸管出血性大腸菌感染症18例(有症者9例、うちHUS なし) |
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感染地域:国内18例
国内の感染地域:島根県4例、熊本県4例、埼玉県2例、青森県1例、東京都1例、神奈川県1例、福井県1例、三重県1例、大阪府1例、福岡県1例、鹿児島県1例
年齢群:3歳(1例)、7歳(1例)、10代(4例)、20代(3例)、30代(4例)、40代(1例)、50代(1例)、60代(1例)、70代(1例)、80代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2( 7例)、O26 VT不明( 3例)、O26 VT1(2例)、O157 VT2(1例)、O157 VT不明(1例)、O91 VT1( 1例)、O115 VT1( 1例)、O121 VT2(1例)、その他・不明(1例)
累積報告数:3,809例(有症者2,550例、うちHUS 80例.死亡3例)
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4類感染症: |
A型肝炎2例(感染地域:東京都1例、ネパール/ハワイ1例)
オウム病1例(感染地域:長野県_感染源:不明)
つつが虫病23例
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感染地域:千葉県7例、鹿児島県6例、東京都2例、神奈川県2例、群馬県1例、富山県1例、三重県1例、徳島県1例、愛媛県1例、国内(都道府県不明)1例
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デング熱1例(感染地域:ベトナム)
レジオネラ症6例(肺炎型6例)
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感染地域:三重県1例、京都府1例(温泉)、大阪府1例、広島県1例、熊本県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:40代(1例)、50代(3例)、70代(1例)、80代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢12例(腸管アメーバ症10例、腸管外アメーバ症2例) |
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感染地域:埼玉県2例、愛知県1例、大阪府1例、広島県1例、愛媛県1例、高知県1例、国内(都道府県不明)4例、フィリピン1例
感染経路:性的接触3例(異性間2例、異性間・同性間不明1例)、経口感染1例、不明8例
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ウイルス性肝炎2例〔B型2例_感染経路:性的接触1例(異性間)、不明1例〕
急性脳炎4例
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インフルエンザウイルスAH1pdm 4例_年齢群:1歳(1例)、5歳(2例)、10代(1例)
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後天性免疫不全症候群11例(AIDS 3例、無症候7例、その他1例)
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感染地域:国内10例、国内・国外不明1例
感染経路:性的接触10例(異性間4例、同性間5例、異性/同性間1例)、不明1例
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梅毒5例(早期顕症I期2例、早期顕症II期1例、晩期顕症1例、無症候1例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例
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遺伝子型:VanC 1例_菌検出検体:腹水
遺伝子型:不明1例_菌検出検体:腹水
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風しん1例(検査診断例)
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感染地域:埼玉県
年齢群:50代
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麻しん2例〔麻しん(検査診断例1例)、修飾麻しん(検査診断例1例)〕
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感染地域:国内2例
国内の感染地域:群馬県1例、千葉県1例
年齢群:1歳(2例)
累積報告数:736例〔麻しん(検査診断例245例、臨床診断例300例)、修飾麻しん(検査診断例191例)〕
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(補)他に2009年第51週までに診断されたものの報告遅れとして、デング熱1例(感染地域:インドネシア)、日本紅斑熱3例(感染地域:三重県2例、島根県1例)、急性脳炎5例〔インフルエンザウイルスAH1pdm 3例(3歳1例、5歳1例、7歳1例)、RSウイルス1例(2歳)、病原体不明1例(2歳)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔30代(1例)、40代(1例.死亡)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例(遺伝子型:VanB 1例_菌検出検体:便.遺伝子型:VanC1例_菌検出検体:血液.遺伝子型:不明1例_菌検出検体:尿)、風しん1例(検査診断例.感染地域:マレーシア.年齢群:30〜34歳)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第49週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では宮崎県(44.54)、沖縄県(43.40)、福島県(33.99)、福井県(33.94)、鹿児島県(33.65)、鳥取県(32.90)、静岡県(32.84)、愛媛県(27.90)、岐阜県(27.75)、熊本県(27.36)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は3,518例と第40週以降増加が続いている。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約65%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福岡県(0.53)、北海道(0.34)、広島県(0.32)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鳥取県(2.84)、山口県(2.58)、山形県(2.13)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いている。都道府県別では大分県(18.7)、島根県(11.4)、富山県(11.0)、宮崎県(11.0)、東京都(11.0)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(3.33)、宮崎県(3.08)、福井県(2.55)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では山形県(1.40)、富山県(0.66)、岩手県(0.63)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では青森県(0.31)、愛媛県(0.19)、山形県(0.17)、埼玉県(0.17)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では新潟県(0.15)、広島県(0.13)、千葉県(0.09)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では東京都(0.22)、香川県(0.18)、愛媛県(0.11)、大分県(0.11)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(2.19)、沖縄県(2.09)、福島県(1.65)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では宮城県(0.83)、山口県(0.78)、群馬県(0.75)が多い。
〈第53週コメント〉 1月7日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 132例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢1例(感染地域:イエメン)
腸管出血性大腸菌感染症16例(有症者10例、うちHUS 1例) |
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感染地域:国内16例
国内の感染地域:東京都4例、山口県4例、兵庫県2例、茨城県1例、千葉県1例、神奈川県1例、京都府1例、香川県1例、不明1例
年齢群:3歳(1例)、4歳(2例)、8歳(1例)、10代(3例)、20代(3例)、40代(3例)、60代(2例)、70代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(8例)、O26 VT1(4例)、O157 VT2(1例)、O121 VT2(1例)、その他・不明(2例)
累積報告数:3,837例(有症者2,569例、うちHUS 81例.死亡3例)
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4類感染症: |
つつが虫病13例
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感染地域:福島県7例、鹿児島県5例、宮崎県1例
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レジオネラ症3例(肺炎型3例)
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感染地域:宮城県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:60代(2例)、70代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢5例(腸管アメーバ症4例、腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:福島県1例、東京都1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)1例、中国/台湾1例
感染経路:性的接触1例(同性間)、不明4例
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ウイルス性肝炎1例〔B型_感染経路:性的接触1例(異性間)〕
急性脳炎5例
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インフルエンザウイルスAH1pdm 4例_年齢群:1歳(1例)、2歳(1例)、3歳(1例)、9歳(1例)
インフルエンザウイルスA型1例_年齢群:1歳
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
後天性免疫不全症候群4例(無症候3例、その他1例)
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感染地域:国内3例、国外(国不明)1例
感染経路:性的接触4例(異性間1例、同性間3例)
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ジアルジア症1例(感染地域:東京都)
梅毒3例(早期顕症I期1例、無症候2例)
破傷風1例(年齢群:60代)
麻しん2例〔麻しん(検査診断例1例、臨床診断例1例)〕
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感染地域:国内2例
国内の感染地域:千葉県1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:1歳(1例)、4歳(1例)
累積報告数:741例〔麻しん(検査診断例245例、臨床診断例303例)、修飾麻しん(検査診断例193例)〕
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(補)他に2009年第52週までに診断されたものの報告遅れとして、エキノコックス症2例(多包条虫2例_感染地域:北海道2例)、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスAH1pdm 1例(40代)、インフルエンザウイルスA型3例(7歳1例、9歳1例、30代1例)、病原体不明2例(3歳1例、7歳1例)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:VanC_菌検出検体:腹水)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第49週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では沖縄県(54.88)、岐阜県(23.43)、福井県(22.69)、宮崎県(20.92)、高知県(19.21)、滋賀県(18.52)、島根県(16.76)、鹿児島県(16.33)、静岡県(15.87)、熊本県(15.44)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は2,673例と減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約69%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鹿児島県(0.35)、北海道(0.23)、島根県(0.22)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では富山県(1.69)、山口県(1.46)、北海道(1.14)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(14.7)、島根県(9.3)、三重県(8.0)が多い。水痘の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では大分県(3.00)、沖縄県(2.44)、福井県(2.27)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では山形県(0.77)、広島県(0.36)、富山県(0.31)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では山形県(0.17)、大分県(0.14)、神奈川県(0.11)が多い。百日咳の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(0.12)、千葉県(0.06)、福井県(0.05)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では富山県(0.14)、岩手県(0.10)、栃木県(0.10)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(2.15)、大分県(1.17)、山形県(1.10)、福島県(1.10)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では沖縄県(1.14)、宮城県(0.83)、青森県(0.67)が多い。
注目すべき感染症
◆ インフルエンザ
インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられている。2009年4月にその存在が明らかとなった新型インフルエンザA/H1N1の臨床像は、従来の季節性インフルエンザとほぼ同様であり、罹患者の大半は合併症なく治癒するといわれているが、肺炎やインフルエンザ脳症を併発して重症化する場合がある。特に肺炎は、急速に進行する重症のウイルス性肺炎を起こす場合が多く、喘息や慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患の存在が急激な悪化と関連しているといわれている〔Clinical features of severe cases of pandemic influenza: Pandemic(H1N1)2009 briefing note 13, Global Alert and Response, WHO, Oct. 16, 2009;http://www.who.int/csr/disease/swineflu/notes/h1n1_clinical_features_20091016/en/index.html〕。新型インフルエンザの活動性の増加が続いているのは、ヨーロッパの中央部、東部、南東部地域、およびアフリカ北部、アジア南部である。日本を含めたアジア東部では、インフルエンザの流行は広域にわたっているものの、その活動性は全体的には減少している。中国北部では、わずかながら季節性インフルエンザ(H3N2)の流行もみられている〔Pandemic(H1N1)2009-update82:http://www.who.int/csr/don/2010_01_08/en/index.html〕。
感染症発生動向調査では、全国約5,000カ所(小児科定点約3,000、内科定点約2,000)のインフルエンザ定点からの報告に基づいてインフルエンザの発生動向を分析している。本サーベイランスは原則的に臨床診断によるものであり、最近の国内のインフルエンザウイルス検出状況を考慮すれば、現在報告されているインフルエンザ患者発生の殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される。
インフルエンザの定点当たり報告数は、2009年第49週以降減少が続いている。第53週の定点当たり報告数は10.22(報告数48,128)となり、前週の値(定点当たり報告数19.63)よりもさらに大幅に減少がみられた(図1)。都道府県別では沖縄県(54.88)、岐阜県(23.43)、福井県(22.69)、宮崎県(20.92)、高知県(19.21)、滋賀県(18.52)、島根県(16.76)、鹿児島県(16.33)、静岡県(15.87)、熊本県(15.44)の順となっている。定点当たり報告数は、46都道府県で前週よりも減少したが、唯一増加が認められた沖縄県では、第50週以降増加がみられている(図2)。
定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約63万人(暫定値)となり、第28週以降これまでの累積の推計患者数は約1,816万人(95%信頼区間:1,797万人〜1,835万人)(暫定値)となった(図3)。性別では男性約941万人(51.8%)、女性約877万人(48.2%)であり、年齢群別では5〜9歳約475万人(26.2%)、10〜14歳約445万人(24.6%)、15〜19歳約256万人(14.1%)、0〜4歳約198万人(10.9%)、20〜29歳約173万人(9.6%)、30〜39歳約125万人(6.9%)の順となっている(図4)。第53週は多くの年齢群で減少がみられているが、20歳代のみで2週連続して増加が認められた(図5)
日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降第53週までに、全国の地方衛生研究所から23,331件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは22,280件(95.50%)を占めている。また、特に患者報告数が増加し始めた第28週以降では、第53週までに21,078件のインフルエンザウイルスの検出が報告され、AH1亜型(Aソ連型)18件(0.09%)、AH3亜型(A香港型)132件(0.63%)、B型6件(0.03%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)20,922件(99.26%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される(図6および感染症情報センターホームページ:http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/sinin1.gif 参照)。
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図1. インフルエンザの年別・週別発生状況(1999〜2009年第53週) |
図2. インフルエンザの都道府県別定点当たり報告数の推移(2009年第51〜53週) |
図3. インフルエンザ推計受診患者数(暫定値)週別推移(2009年第28〜53週) |
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図4. インフルエンザ推計受診患者数の年齢群別割合(2009年第28〜53週) |
図5. インフルエンザ推計受診患者数(暫定値)の年齢群別推移(2009年第36〜53週) |
図6. インフルエンザウイルス検出報告割合(2009年第28〜53週) |
インフルエンザの定点からの報告数は減少が続いており、特に第53週は前週の報告数よりも大幅に減少した。これは冬季休暇が含まれていたことに加えて、大半の定点医療機関での休診日が多かったことも関連していると思われる。
過去の季節性インフルエンザの発生動向をみると、多くの地域で冬季休暇が終了して一定期間が経過した1月の中旬以降に患者発生数が大きく増加する例が大半であった。今後新型インフルエンザの発生動向がどのような推移をとるかの予測は困難であるが、1月以降のいわゆるインフルエンザの流行に適した時期に入り、季節性も含めたインフルエンザの発生動向には警戒が必要であると思われる。
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