発生動向総覧
〈第2週コメント〉 1月20日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 194例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢4例
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感染地域:インドネシア1例、インド1例、マリ1例、カンボジア/ベトナム1例
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腸管出血性大腸菌感染症16例(有症者8例、うちHUS なし) |
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感染地域:国内16例
国内の感染地域:兵庫県4例、茨城県3例、埼玉県2例、東京都1例、石川県1例、福井県1例、岐阜県1例、宮崎県1例、不明2例
年齢群:1歳(2例)、4歳(1例)、5歳(1例)、10代(3例)、30代(2例)、40代(1例)、50代(2例)、60代(3例)、70代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2( 9例)、O26 VT1( 3例)、O91VT1( 2例)、O157 VT1( 1例)、O157 VT不明(1例)
累積報告数:49例(有症者29例、うちHUS 2例.死亡なし)
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4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:千葉県_感染源:馬刺し)
A型肝炎1例(感染地域:広島県)
マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ウガンダ/ケニア/タンザニア)
ライム病1例(感染地域:岐阜県)
レジオネラ症7例(肺炎型7例)
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感染地域:岩手県1例、宮城県1例、東京都1例、山梨県1例(温泉)、静岡県1例、愛知県1例、熊本県1例(温泉)
年齢群:40代(1例)、60代(2例)、70代(2例)、80代(2例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢11例(腸管アメーバ症10例、腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:埼玉県3例、千葉県1例、東京都1例、神奈川県1例、徳島県1例、国内(都道府県不明)3例、中国1例
感染経路:性的接触1例(同性間)、経口感染5例、不明5例
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急性脳炎3例
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インフルエンザウイルスAH1pdm 1例_年齢群:1歳
インフルエンザウイルスA型1例_年齢群:50代
病原体不明1例_年齢群:6歳
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔年齢群:50代(1例)、60代(2例)〕
後天性免疫不全症候群13例(AIDS 5例、無症候7例、その他1例) |
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感染地域:国内11例、ミャンマー1例、国内・国外不明1例
感染経路:性的接触12例(異性間5例、同性間6例、異性・同性間不明1例)、不明1例
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梅毒6例(早期顕症I期1例、早期顕症II期2例、無症候3例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:血液)
麻しん5例〔麻しん(検査診断例2例、臨床診断例2例)、修飾麻しん(検査診断例1例)〕
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感染地域:国内5例
国内の感染地域:埼玉県1例、愛知県1例、宮崎県1例、国内(都道府県不明)2例
年齢群:1歳(2例)、10〜14歳(1例)、15〜19歳(1例)、40代(1例)
累積報告数:11例〔麻しん(検査診断例3例、臨床診断例3例)、修飾麻しん(検査診断例5例)〕
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(補)他に2010年第1週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢2例(感染地域:福岡県1例、メキシコ/パナマ1例)、エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)、ライム病1例(感染地域:宮城県)、レジオネラ症1例〔感染地域:栃木県(温泉)〕、急性脳炎3例〔インフルエンザウイルスAH1pdm 2例(0歳1例、4歳1例)、インフルエンザウイルスA型1例(10代)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔30代(1例)、60代(2例)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:血液)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第49週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県(49.98)、宮崎県(16.29)、静岡県(16.02)、福井県(15.41)、鹿児島県(13.69)、愛媛県(12.97)、高知県(12.71)、愛知県(12.30)、岐阜県(11.76)、滋賀県(11.12)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は3,055例と減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約69%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では佐賀県(0.35)、鹿児島県(0.27)、島根県(0.22)、広島県(0.22)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では山口県(2.68)、鳥取県(2.63)、富山県(1.97)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では宮崎県(20.8)、愛媛県(18.5)、大分県(17.7)、島根県(16.7)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(2.17)、福井県(2.09)、大分県(2.06)が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では山形県(0.60)、岡山県(0.48)、福井県(0.45)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では三重県(0.33)、神奈川県(0.22)、青森県(0.21)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では鳥取県(0.26)、広島県(0.13)、沖縄県(0.12)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では香川県(0.21)、富山県(0.14)、島根県(0.09)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(2.62)、山形県(1.90)、北海道(1.52)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では青森県(1.33)、沖縄県(1.00)、山形県(0.60)、石川県(0.60)が多い。
〈12月コメント〉
◆性感染症について 2010年1月15日集計分 性感染症定点数:960
(産婦人科・産科・婦人科:461、泌尿器科:398、皮膚科88、性病科13)
●月別推移
2009年12月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.02(男0.91、女1.11)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.66(男0.28、女0.39)、尖圭コンジローマが0.42(男0.22、女0.20)、淋菌感染症が0.77(男0.62、女0.16)であった。男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。
前月に比べると、男性では、性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで減少、淋菌感染症で増加した。女性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で減少した(25〜28ページ「グラフ総覧」参照)。過去5年間の同時期と比較すると、男性では性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患でやや少なかった。女性では性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、淋菌感染症の3疾患でやや少なかった(図2)。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(12月) |
●男女別・年齢階級別
年齢群別(0歳、1〜4歳、5〜69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患は25〜29歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は30〜34歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症と性器ヘルペスウイルス感染症は20〜24歳、尖圭コンジローマと淋菌感染症は20〜29歳の2つの年齢群であった(図3:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15〜19歳の年齢群の報告があり、女性の性器クラミジア感染症とヘルペスウイルス感染症では10〜14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上の報告はないか、あっても僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。この年齢層は再発例が含まれている可能性が以前から指摘されており、2006年4月の届出基準改正により、抗体のみ陽性のものの除外に加えて「明らかな再発例は除外する」ことが明示された。しかし、報告数や年齢群分布において明らかな変化は見られておらず、この基準変更の周知徹底が必要と考える。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、淋菌感染症ではすべての年齢群で男性が女性よりも多かった。一方、性器クラミジア感染症では15〜34歳の4つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15〜29歳、45〜49歳、55〜59歳、70歳以上の6つの年齢群、尖圭コンジローマでは15〜24歳の2つの年齢群という比較的低い年齢層を中心に女性が男性よりも多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較についてはそれらの比率の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15〜29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられる。性器ヘルペスウイルス感染症は、男性では2007年以降、女性では2006年以降微減傾向がみられる。尖圭コンジローマは男女共に2006年以降微減傾向がみられる。淋菌感染症は、男性では2003年以降減少傾向、女性では2004年以降微減傾向がみられる。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加であった。女性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで同値、淋菌感染症で減少であった。
◆薬剤耐性菌について (1月15集計分)
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基幹定点数(12月):470.
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●月別
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
3.92(前月:3.81、前年同月:4.26)
定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。12月は前月よりやや増加し、過去10年間の同月との比較ではやや上位に属した。
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症
0.92(前月:0.86、前年同月:1.29)
定点当たり報告数は、例年春から初夏にかけて(4〜6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7〜9月)に少なく推移している。12月は前月よりやや増加したが、過去10年間の同月との比較では下位に属した。
薬剤耐性緑膿菌感染症
0.09(前月:0.08、前年同月:0.08)
定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向がある。12月は前月よりやや増加したが、過去10年間の同月との比較では下位に属した。
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●年齢階級別
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MRSA感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の68%を占めている(図1:PDF参照)
PRSP感染症
小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の62%を占める一方、70歳以上が全体の19%を占めている(図2:PDF参照)。
薬剤耐性緑膿菌感染症
高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めている(図3:PDF参照)
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●性別:女性を1 として算出した男/女比
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MRSA感染症…男:女=1.8:1
PRSP感染症…男:女=1.7:1
薬剤耐性緑膿菌感染症…男:女=4.7:1
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●都道府県別
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MRSA感染症
定点当たり報告数は沖縄県(9.6)、新潟県(7.7)、滋賀県(7.3)が多い。
PRSP感染症
定点当たり報告数は福井県(3.7)、佐賀県(3.2)、宮崎県(2.9)が多い。
薬剤耐性緑膿菌感染症
報告総数が40件にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
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注目すべき感染症
◆ インフルエンザ
インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられている。2009年4月にその存在が明らかとなった新型インフルエンザA/H1N1の臨床像は、従来の季節性インフルエンザとほぼ同様であり、罹患者の大半は合併症なく治癒するといわれているが、肺炎やインフルエンザ脳症を併発して重症化する場合がある。特に肺炎は、急速に進行する重症のウイルス性肺炎を起こす場合が多く、喘息や慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患の存在が急激な悪化と関連しているといわれている〔Clinical features of severe cases of pandemic influenza: Pandemic(H1N1)2009 briefing note 13, Global Alert and Response, WHO, Oct. 16, 2009;http://www.who.int/csr/disease/swineflu/notes/h1n1_clinical_features_20091016/en/index.html〕。
感染症発生動向調査では、全国約5,000カ所(小児科定点約3,000、内科定点約2,000)のインフルエンザ定点からの報告に基づいてインフルエンザの発生動向を分析している。本サーベイランスは原則的に臨床診断によるものであり、最近の国内のインフルエンザウイルス検出状況を考慮すれば、現在報告されているインフルエンザ患者発生の殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される。
2010年第2週のインフルエンザの定点当たり報告数は8.13(報告数39,053)となり、2009年第49週以降減少が続いている(図1)。都道府県別では沖縄県(49.98)、宮崎県(16.29)、静岡県(16.02)、福井県(15.41)、鹿児島県(13.69)、愛媛県(12.97)、高知県(12.71)、愛知県(12.30)、岐阜県(11.76)、滋賀県(11.12)の順となっている。定点当たり報告数は、40都道府県では前週よりも減少がみられ、10.00を超えているのは14県となった(図2)。
定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約48万人(暫定値)となり、第28週以降これまでの累積の推計受診患者数は約1,923万人(95%信頼区間:1,904万人〜1,942万人)(暫定値)となった(図3)。性別では男性約996万人(51.7%)、女性約929万人(48.3%)であり、年齢群別では5〜9歳約488万人(25.4%)、10〜14歳約454万人(23.6%)、15〜19歳約268万人(14.0%)、0〜4歳約211万人(11.0%)、20〜29歳約200万人(10.4%)、30〜39歳約140万人(7.3%)の順となっている(図4)。5〜9歳、10〜14歳の年齢群は増加に転じたが、20代は減少し、他の年齢群も減少かまたは横ばいであった(図5)。但し、推計受診患者数は、受診患者数の多い医療機関がより多く選定されている傾向があることなどから、真の受診患者数より過大であると考えられている。この点を踏まえ、推計受診患者数についてはあくまで参考値として理解していく必要がある。
日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降2010年第2週までに、全国の地方衛生研究所から25,293件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは24,239件(95.83%)を占めている。また、特に患者報告数が増加し始めた2009年第28週以降では、2010年第2週までに23,040件のインフルエンザウイルスの検出が報告され、AH1亜型(Aソ連型)18件(0.08%)、AH3亜型(A香港型)135件(0.59%)、B型6件(0.03%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)22,881件(99.31%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される状態が続いている(図6、および感染症情報センターホームページ:http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/sinin1.gif 参照)。
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図1. インフルエンザの年別・週別発生状況(2000〜2010年第2週) |
図2. インフルエンザの都道府県別定点当たり報告数の推移(2009年第53週〜2010年第2週) |
図3. インフルエンザ推計受診患者数(暫定値)週別推移(2009年第28週〜2010年第2週) |
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図4. インフルエンザ推計受診患者数(暫定値)の年齢群別割合(2009年第28週〜2010年第2週) |
図5. インフルエンザ推計受診患者数(暫定値)の年齢群別推移(2009年第36週〜2010年第2週) |
図6. インフルエンザウイルス検出報告割合(2009年第28週〜2010年第2週) |
インフルエンザの定点からの報告数は減少が続いているが、第2週は過去の季節性インフルエンザや昨年の新型インフルエンザの流行の中心であった5〜14歳の年齢群が増加に転じた。流行の規模は不明であるが、今後インフルエンザの報告数が再び増加してくる可能性は低くはないものと思われる。既にインフルエンザの流行に適した時季に入っており、季節性も含めたインフルエンザの発生動向には警戒が必要であると思われる。
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