発生動向総覧
〈第9週コメント〉 3月9日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 352例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢13例
|
|
菌種:S. flexneri (B群)3例_感染地域:滋賀県1例、中国1例、インド1例
菌種:S. sonnei(D群)10例_感染地域:国内(都道府県不明)4例*、中国/ベトナム3例、インド1例、ベトナム1例、カンボジア1例
* 福岡市の幼稚園に関連した集団発生を含む
|
腸管出血性大腸菌感染症15例(有症者10例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内15例
国内の感染地域:青森県3例、東京都3例、北海道1例、神奈川県1例、富山県1例、岡山県1例、佐賀県1例、不明4例
年齢群:6歳(1例)、8歳(1例)、10代(3例)、20代(1例)、30代(3例)、40代(3例)、60代(1例)、70代(1例)、90代(1例)
血清型・毒素型:O157 VT2(6例)、O157 VT1・VT2(4例)、O26 VT1(3例)、O91 VT1(1例)、その他・不明(1例)
累積報告数:140例(有症者79例、うちHUS 4例.死亡なし)
|
|
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:和歌山県_感染源:猪肉) A型肝炎1例(感染地域:長野県) つつが虫病2例(感染地域:千葉県1例、福岡県1例) デング熱3例(感染地域:インドネシア2例、インドネシア/マレーシア1例)
レジオネラ症8例(肺炎型8例)
|
|
感染地域:茨城県1例、東京都1例、神奈川県1例、新潟県1例、富山県1例、岐阜県1例、愛媛県1例(温泉)、国内(都道府県不明)1例
年齢群:40代(1例)、50代(2例)、60代(1例)、70代(2例)、80代(2例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢10例(腸管アメーバ症7例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症1例)
|
|
感染地域:東京都2例、千葉県1例、神奈川県1例、京都府1例、徳島県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)2例、フィリピン1例
感染経路:経口感染1例、性的接触1例(異性間・同性間不明)、その他・不明8例
|
ウイルス性肝炎2例
|
|
B型2例_感染経路:性的接触2例(同性間2例)
|
急性脳炎2例
|
|
インフルエンザウイルスAH1pdm 1例_年齢群:4歳
インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:6歳
|
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例
|
|
年齢群:60代(1例)、80代(1例.死亡)
|
後天性免疫不全症候群11例(AIDS 1例、無症候10例)
|
|
感染地域:国内10例、国内・国外不明1例
感染経路:性的接触9例(異性間1例、同性間7例、異性間・同性間不明1例)、不明2例
|
ジアルジア症1例(感染地域:インド)
梅毒4例(早期顕症I期1例、無症候3例)
破傷風1例(年齢群:60代)
麻しん4例〔麻しん(検査診断例4例)〕
|
|
感染地域:国内3例、フィリピン1例
国内の感染地域:北海道1例、東京都1例、広島県1例
年齢群:1歳(1例)、2歳(1例)、4歳(1例)、25〜29歳(1例)
累積報告数:65例〔麻しん(検査診断例35例、臨床診断例17例)、修飾麻しん(検査診断例13例)〕
|
(補)他に2011年第8週までに診断されたものの報告遅れとして、オウム病2例〔感染地域(感染源):鳥取県1例(不明)、国内(都道府県不明)/国外(国不明)1例(不明)〕、急性脳炎5例〔インフルエンザウイルスB型1例_20代.インフルエンザウイルス型不明1例_1歳.病原体不明3例_1歳(1例)、5歳(1例)、7歳(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔30代(1例)、80代(1例)〕、髄膜炎菌性髄膜炎1例(10代、感染地域:福岡県)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:Van A_菌検出検体:後腹膜)、風しん1例(臨床診断例.感染地域:国内(都道府県不明).年齢群:15〜19歳)などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は第5週以降減少が続いている。都道府県別では山口県(37.94)、愛知県(32.31)、大分県(29.21)、三重県(27.53)、富山県(27.48)、岐阜県(25.00)、福岡県(22.39)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,108例と第4週以降減少が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約72%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では富山県(2.31)、福井県(2.00)、広島県(0.96)、鹿児島県(0.95)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では石川県(9.6)、宮崎県(6.1)、山形県(5.9)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(20.2)、福井県(17.7)、大分県(16.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(3.88)、山形県(3.77)、大分県(3.61)が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(2.79)、宮崎県(0.92)、岩手県(0.48)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では宮崎県(2.61)、石川県(1.31)、福岡県(1.28)が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(0.29)、岡山県(0.11)、香川県(0.07)、福岡県(0.07)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では滋賀県(0.44)、鹿児島県(0.24)、岩手県(0.20)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では長野県(3.89)、香川県(3.37)、鹿児島県(3.00)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福島県(2.43)、沖縄県(1.71)、岡山県(1.40)が多い。
|