発生動向総覧
〈第19週コメント〉 5月18日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 391例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢6例
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菌種:S. flexneri(B群)2例_感染地域:東京都1例、国内(都道府県不明)1例
S. sonnei(D群)4例_感染地域:宮城県1例、カンボジア2例、インドネシア1例
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腸管出血性大腸菌感染症56例(有症者44例、うちHUS 5例) |
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感染地域:国内56例
国内の感染地域:島根県19例*、富山県8例**、山形県3例***、岐阜県3例、茨城県2例、東京都2例、福岡県2例、北海道1例、岩手県1例、宮城県1例、千葉県1例、神奈川県1例、新潟県1例、石川県1例、三重県1例、滋賀県1例、大阪府1例、兵庫県1例、奈良県1例、愛媛県1例、宮崎県1例、鹿児島県1例、不明2例
* 社会福祉施設で発生した集団感染
** 同系列の複数の焼肉店で発生した食中毒
*** だんご店に関連した食中毒
年齢群:1歳(2例)、3歳(2例)、4歳(3例)、5歳(4例)、6歳(3例)、7歳(2例)、8歳(1例)、9歳(1例)、10代(8例)、20代(8例)、30代(10例)、40代(4例)、50代(2例)、60代(3例)、70代(2例)、90代(1例)
血清型・毒素型:O26 VT1・VT2( 18例)、O157 VT1・VT2( 16例)、O157 VT2(6例)、O26 VT1(3例)、O111 VT2(2例)、O91 VT1(1例)、O103 VT1(1例)、O111 VT1・VT2(1例)、O121 VT2(1例)、O157 VT1(1例)、O157 VT不明(1例)、O165 VT1・VT2(1例)、その他・不明(4例)
累積報告数:375例(有症者242例、うちHUS 25例.死亡1例)
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4類感染症: |
E型肝炎2例
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感染地域:北海道1例_感染源:不明
感染地域:インド1例_感染源:生水/食物
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A型肝炎5例
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感染地域:宮城県1例、栃木県1例、埼玉県1例、鹿児島県1例、国内(都道府県不明)1例
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つつが虫病8例
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感染地域:福島県3例、山形県2例、青森県1例、宮城県1例、秋田県1例
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デング熱1例(感染地域:フィリピン)
マラリア2例
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三日熱1例_感染地域:インド
熱帯熱1例_感染地域:インドネシア
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レジオネラ症11例(肺炎型11例)
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感染地域:青森県1例(温泉)、群馬県1例、富山県1例、福井県1例、岐阜県1例、静岡県1例、国内(都道府県不明)3例、タイ1例、北朝鮮1例
年齢群:40代(1例)、50代(2例)、60代(3例)、70代(3例)、80代(2例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢11例(腸管アメーバ症9例、腸管外アメーバ症1例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:広島県2例、東京都1例、三重県1例、大阪府1例、兵庫県1例、香川県1例、大分県1例、鹿児島県1例、国内(都道府県不明)1例、インドネシア1例
感染経路:経口感染2例、性的接触2例(異性間1例、異性間・同性間不明1例)、その他・不明7例
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急性脳炎4例 |
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インフルエンザウイルスAH3亜型1例_年齢群:7歳
水痘帯状疱疹ウイルス1例_年齢群:10代
ロタウイルス1例_年齢群:2歳
麻しんウイルス1例_年齢群:90代
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例 |
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年齢群:30代(1例.死亡)、60代(1例.死亡)
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後天性免疫不全症候群12例〔AIDS 3例(うち1例死亡)、無症候9例〕 |
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感染地域:国内9例、国内・国外不明3例
感染経路:性的接触9例(同性間8例、異性/同性間1例)、不明3例
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ジアルジア症1例(感染地域:三重県)
梅毒8例(早期顕症I期2例、早期顕症II期3例、晩期顕症1例、無症候2例)
破傷風5例 |
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感染地域:東京都2例、宮城県1例、埼玉県1例、愛知県1例
年齢群:40代(1例)、50代(1例)、70代(3例)
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風しん12例(検査診断例12例) |
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感染地域:大阪府3例、神奈川県2例、東京都1例、新潟県1例、滋賀県1例、国内(都道府県不明)3例、カンボジア1例
年齢群:25〜29歳(1例)、30〜34歳(4例)、35〜39歳(2例)、40代(4例)、50代(1例)
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麻しん28例〔麻しん(検査診断例14例、臨床診断例9例、修飾麻しん(検査診断例5例)〕
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感染地域:国内28例
国内の感染地域:東京都9例、埼玉県3例、神奈川県3例、千葉県2例、北海道1例、宮城県1例、石川県1例、広島県1例、愛媛県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)5例
年齢群:0歳(2例)、1歳(1例)、2歳(4例)、3歳(1例)、4歳(1例)、5〜9歳(2例)、10〜14歳(4例)、15〜19歳(1例)、20〜24歳(2例)、25〜29歳(4例)、30〜34歳(2例)、40代(1例)、50代(3例)
累積報告数:230例〔麻しん(検査診断例121例、臨床診断例67例)、修飾麻しん(検査診断例42例)〕
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(補)他に2011年第18週までに診断されたものの報告遅れとして、急性脳炎8例〔インフルエンザウイルスB型1例_10代、エンテロウイルス71型1例_4歳、単純ヘルペスウイルス1例_40代、ロタウイルス1例_1歳、病原体不明4例_1歳(2例)、2歳(1例)、30代(1例)〕、風しん3例〔検査診断例3例.感染地域:東京都1例、三重県1例、国内(都道府県不明)1例.年齢群:25〜29歳(1例)、40代(1例)、50代(1例)〕などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ: 定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では沖縄県(15.38)、佐賀県(7.38)、宮崎県(5.90)、長崎県(5.86)、福井県(5.41)、長野県(4.95)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は341例と微増した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約72%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では佐賀県(1.65)、滋賀県(1.22)、島根県(1.17)、山口県(1.17)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(4.79)、新潟県(3.77)、福井県(3.77)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では新潟県(12.5)、福井県(12.2)、富山県(12.1)が多い。水痘の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では沖縄県(5.9)、新潟県(4.0)、宮崎県(3.8)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(1.72)、岡山県(1.44)、広島県(1.34)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では宮崎県(2.44)、山形県(1.90)、栃木県(1.63)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では栃木県(0.13)、福井県(0.09)、沖縄県(0.09)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では鹿児島県(1.09)、香川県(0.57)、高知県(0.53)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では鳥取県(4.42)、長野県(3.42)、鹿児島県(3.00)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では青森県(1.67)、大阪府(1.67)、埼玉県(1.44)が多い。
〈4月コメント〉
◆性感染症について 2011年5月13日集計分 性感染症定点数:957
(産婦人科・産科・婦人科:463、泌尿器科:395、皮膚科86、性病科13)
●月別推移
2011年4月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.03(男0.94、女1.10)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.66(男0.26、女0.40)、尖圭コンジローマが0.47(男0.26、女0.21)、淋菌感染症が0.80(男0.62、女0.18)であった。男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。
前月に比べると、男性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加した。女性では、性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加した(30〜33ページ「グラフ総覧」参照)。過去5年間の同時期と比較すると、男性では性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、淋菌感染症でやや少なく、女性では性器クラミジア感染症でやや少なかった(図2)。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(4月) |
●男女別・年齢階級別
年齢群別(0歳、1〜4歳、5〜69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症は25〜29歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は25〜39歳の3つの年齢群、尖圭コンジローマは25〜29歳の年齢群、淋菌感染症は25〜29歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症は20〜24歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は30〜34歳の年齢群、尖圭コンジローマは20〜29歳の2つの年齢群、淋菌感染症は20〜24歳の年齢群であった(図4:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15〜19歳の年齢群の報告があり、男性では性器クラミジア感染症、女性では性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、淋菌感染症で10〜14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上の報告は僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。この年齢層は再発例が含まれている可能性が以前から指摘されており、2006年4月の届出基準改正により、抗体のみ陽性のものの除外に加えて「明らかな再発例は除外する」ことが明示された。しかし、年齢群分布においての明らかな変化は見られておらず、この基準の周知徹底とともに、遵守されているかの検討等も今後必要と考える。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、性器クラミジア感染症では15〜29歳の3つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15〜39歳、45〜49歳、60〜64歳および70歳以上の8つの年齢群、尖圭コンジローマでは15〜24歳の2つの年齢群という比較的低い年齢層を中心に女性が男性より多く、他の年齢群は同値あるいは男性が多かった。淋菌感染症ではすべての年齢群で男性が女性よりも多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較については各地域におけるそれらの比率等の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15〜29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に図4(PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられ、男性では2010年に入り増加傾向がみられたが11月に減少してその後ほぼ横ばいである。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年以降微減傾向がみられたが、2009年以降ほぼ横ばいである。女性では2006年以降微減傾向がみられたが、2009年に増加した後横ばいで推移し、2010年12月に減少してその後ほぼ横ばいである。尖圭コンジローマは男女共に2006年以降微減傾向がみられ、女性では2009年以降はほぼ横ばいで推移している。淋菌感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられ、2010年に入り増加傾向がみられたが11月に減少してその後ほぼ横ばいである。女性では2004年以降微減傾向がみられたが2007年以降は横ばいで推移している。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で減少、ヘルペスウイルス感染症で同値、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で減少であった。女性では4疾患すべてで減少であった。
◆薬剤耐性菌について (5月13集計分)
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基幹定点数(4月):463.
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●月別
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
3.94(前月:3.91、前年同月:4.24)
定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。4月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では中位に属した。
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症
0.88(前月:0.71、前年同月:1.03)
定点当たり報告数は、例年春から初夏にかけて(4〜6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7〜9月)に少なく推移している。4月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では下位に属した。
薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症
0.06(前月:0.06、前年同月:0.06)
定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向がある。4月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では下位に属した。
薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症
0.00(前月:0.00、前年同月:−)
前月から2カ月連続して報告はなかった。本年2月の報告開始から間もないため、傾向の分析や過去との比較はできない。
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●年齢階級別
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MRSA感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の66%を占めている(図1:PDF参照)
PRSP感染症
小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の51%を占める一方、70歳以上が全体の26%を占めている(図2:PDF参照)。
MDRP感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の45%を占めている(図3:PDF参照)
MDRA感染症 1例も報告されていない(図4:PDF参照)
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●性別:女性を1 として算出した男/女比
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MRSA感染症…男:女=1.8:1
PRSP感染症…男:女=1.4:1
MDRP感染症…男:女=3.1:1
MDRA感染症…男:女=0:0
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●都道府県別
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MRSA感染症
定点当たり報告数は沖縄県(12.0)、滋賀県(9.0)、福島県(8.9)が多い。
PRSP感染症
定点当たり報告数は福井県(4.3)、千葉県(2.7)、奈良県(2.5)が多い。
MDRP感染症
報告総数が29例にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
MDRA感染症
1例も報告がないため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
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注目すべき感染症
◆ 麻しん 2011年 第1〜19週(2011年5月18日現在)
2011年第15週に、当該週の報告数が急増したことを報告した(http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2011d/15douko.html#chumoku1)が、その後第19週まで、5月3〜5日の連休があった第18週を除き、麻しんの報告数は30例前後で推移している。
2011年第1〜19週(2011年1月3日〜2011年5月15日診断のもの、2011年5月18日現在)に報告された麻しん累積報告数は230例であった。第15週以降の各週の報告数はそれぞれ、27例、23例、39例、14例、28例であり、第17週の39例は、2009年以降の週別報告数では最多となった(図1)。
都道府県別累積報告数では、第19週までに28都道府県から報告されており、東京都103例、神奈川県24例、広島県20例、埼玉県12例、千葉県12例、愛知県11例の順であった。人口100万人当たり報告数でみると、東京都8.00、広島県6.99、青森県3.63、神奈川県2.68、山梨県2.31、愛媛県2.09であった〔麻しん発生状況(速報グラフ)2011年第19週(以下、速報グラフ)、図3、4、8参照:http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/2011pdf/meas11-19.pdf〕。
病型別累積報告数では、臨床診断例67例(29.1%)、検査診断例121例(52.6%)、修飾麻しん(検査診断例)42例(18.3%)と、検査診断例が70.9%を占めている(図2)。都道府県別に修飾麻しんを含む検査診断例の割合をみると、報告があった28都道府県中、24都道府県で検査診断例が50%以上であった(図3)。検査診断例のうち、分離・同定による病原体の検出やPCR法による病原体遺伝子の検出などのウイルス学的検査の都道府県別実施率をみると、最も症例数の多い東京都において76.3%となっていることは特筆すべきだろう(図4)。さらに、図4や感染症発生動向調査の報告数には反映されていない、ウイルス学的検査が陰性であった症例を含めると、各自治体における麻しんのウイルス学的検査実施数は、図4に示した値よりも高いと思われる。
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図1. 麻しん報告数の週別推移(2009〜2011年第19週) |
図2. 麻しん累積報告数の病型別割合(2011年第1〜19週) |
図3. 麻しんの都道府県別病型別の割合(2011年第1〜19週) |
年齢群別累積報告数〔速報グラフ図5、6参照:http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/2011pdf/meas11-19.pdf〕を10歳毎でみると、0〜9歳87例(37.8%)、20〜29歳47例(20.4%)、10〜19歳42例(18.3%)、30〜39歳34例(14.8%)の順であった。年齢別では、1歳23例、3歳13例、0歳12例、11歳10例、2歳9例の順であった。
性別では、男性127例(55.2%)、女性103例(44.8%)であった。
感染地域別累積報告数では、国外とされたもの22例(9.6%)、国内①(国外例と疫学的に関連)15例(6.5%)、国内②(国外例との疫学的関連は認められなかったが遺伝子型がD5以外のもの)51例(22.2%)、国内③(①、②以外、遺伝子型不明を含む)140例(60.9%)、国内または国外1例(0.4%)、国内・国外不明1例(0.4%)であった(図5)。麻しんウイルスの遺伝子型は76例で報告されており、D4型45例(59.2%)が最多で、次いでD9型25例(32.9%)、D8型5例(6.6%)、G3型1例(1.3%)であった。感染地域別にみると、国外感染例および、国外と疫学的関連が認められた症例ではD9型が最も多かった。一方、国内で感染し、明らかな国外例との疫学的関連を認めないものの、遺伝子型がD5型以外であった症例は51例あり、そのなかではD4型が40例と大半を占めていた(図6)。なお、地方衛生研究所(地研)から送られたウイルス分離・検出状況について、海外渡航歴を含み、当センターのホームページ上で随時更新されているので参照していただきたい(http://idsc.nih.go.jp/iasr/measles.html)。
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図4. 麻しんの都道府県別検査診断例中ウイルス学的検査(分離・同定による病原体の検出やPCR法による病原体遺伝子の検出)実施率(28都道府県、2011年第1〜19週) |
図5. 麻しんの推定感染地域別報告数割合(2011年第1〜19週) |
図6. 麻しんの感染地域別遺伝子型別報告数(2011年第1〜19週) |
2010年11月11日に検査診断に関する通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkakukansenshou21/tsuuchi_101111_01.html)が発出されて以降、自治体での医師、保健所、地研の連携がより円滑になり、地研でより積極的にウイルス学的検査が行われるようになった。その結果、渡航歴がなく、国内で麻しんウイルスに感染した症例のうち、遺伝子型が明らかになった症例では全て海外から持ち込まれたと思われる遺伝子型(D4型、D9型)であることもわかった。流行のみられる自治体でのウイルス学的検査は、関係者の方々への負担も少なくないと思われる。そのような状況においても、4月に改訂された届出票を用いての詳細な内容の届出、検体確保、検査診断へのご尽力頂いていることに心から深謝するとともに、今後ともご協力をお願いしたい。
麻しんウイルスが国外由来のものであれ、国内のものであれ、予防方法はワクチンの接種によって麻しんに対する免疫を予め獲得しておくことである。確実に2回のワクチン接種を受けていれば麻しんに罹らずにすむといえる。
2011年5月20日に予防接種施行令及び予防接種実施規則の一部を改正する政省令(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H110523H0010.pdf、http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H110520H0020.pdf)が施行され、修学旅行や学校行事を控えている当該年度に17歳となる者や東日本大震災の被災者について、定期接種を受けられる環境が整った。定期接種対象者はできるだけ速やかに麻しんの予防接種を受けていただきたい。加えて、定期接種対象外であっても、麻しんの罹患歴がない、または不明な方で、麻しん予防接種が未接種あるいは1回のみの接種の方、予防接種歴が不明の方、そのなかでも特に医療・教育・福祉関係者、被災地でのボランティア活動や海外旅行を予定している方々には、定期接種対象外であっても積極的に麻しん予防接種を受けていただきたい(参照:「(緊急)麻疹は子どもだけの病気ではありません。成人も要注意!」http://idsc.nih.go.jp/earthquake2011/IDSC/20110513measles.html)。
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