発生動向総覧
〈第8週コメント〉 2月29日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 333例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢4例
|
|
菌種:S. flexneri (B群)1例_感染地域:国内(都道府県不明)
S. sonnei (D群)3例_感染地域:茨城県1例、大阪府1例、フィリピン1例
|
腸管出血性大腸菌感染症10例(有症者6例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内10例
国内の感染地域:福島県1例、千葉県1例、東京都1例、石川県1例、静岡県1例、岡山県1例、山口県1例、福岡県1例、不明2例
年齢群:4歳(1例)、8歳(1例)、20代(4例)、30代(2例)、50代(1例)、60代(1例)
血清型・毒素型:O26 VT1(4例)、O157 VT2(3例)、O91 VT1(1例)、O165 VT2(1例)、その他・不明(1例)
累積報告数:92例(有症者46例、うちHUS 2例.死亡なし)
|
腸チフス1例(感染地域:インドネシア)
パラチフス1例(感染地域:大阪府)
|
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:北海道_感染源:不明)
A型肝炎2例〔感染地域:鹿児島県1例、国内(都道府県不明)1例〕
つつが虫病1例(感染地域:長野県) デング熱1例(感染地域:タイ)
レジオネラ症11例(肺炎型11例)
|
|
感染地域:北海道1例、茨城県1例(温泉)、東京都1例、富山県1例、福井県1例、愛知県1例、滋賀県1例、兵庫県1例(温泉)、福岡県1例(温泉)、熊本県1例、国内・国外不明1例
年齢群:50代(2例)、60代(1例)、70代(5例)、80代(2例)、90代(1例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢10例(腸管アメーバ症10例) |
|
感染地域:東京都2例、神奈川県1例、長野県1例、静岡県1例、愛知県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)2例、東南アジア(国不明)1例
感染経路:性的接触6例(異性間4例、同性間1例、異性間・同性間不明1例)、経口感染2例、不明2例
|
急性脳炎8例 |
|
インフルエンザウイルスA型2例_年齢群:6歳(1例)、60代(1例)
インフルエンザウイルスB型4例_年齢群:4歳(1例)、5歳(1例)、10代(1例)、30代(1例)
病原体不明2例_年齢群:0歳(1例)、9歳(1例)
|
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(遺伝性プリオン病家族性)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症6例 |
|
年齢群:50代(1例)、60代(3例.うち1例死亡)、70代(1例.死亡)、80代(1例)
|
後天性免疫不全症候群11例(AIDS 4例、無症候7例) |
|
感染地域:国内10例、国内・国外不明1例
感染経路:性的接触7例(同性間7例)、不明4例
|
髄膜炎菌性髄膜炎1例(感染地域:京都府)
梅毒16例(早期顕症I期2例、早期顕症II期5例、晩期顕性1例、無症候8例)
バンコマイシン耐性腸球菌症感染症2例 |
|
遺伝子型:VanC 1例_菌検出検体:椎間板
遺伝子型:不明1例_菌検出検体:尿
|
風しん3例(検査診断例2例、臨床診断例1例)
|
|
感染地域:東京都1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)1例
年齢群:5〜9歳(1例)、30〜34歳(1例)、35〜39歳(1例)
累積報告数:39例(検査診断例31例、臨床診断例8例)
|
麻しん8例〔麻しん(検査診断例4例、臨床診断例4例)〕
|
|
感染地域:栃木県2例、愛知県2例、青森県1例、千葉県1例、東京都1例、神奈川県1例
年齢群:0歳(4例)、3 歳(1例)、4 歳(1例)、5 〜 9 歳(1例)、40代(1例)
累積報告数:64例〔麻しん(検査診断例47例、臨床診断例7例)、修飾麻しん(検査診断例10例)〕
遺伝子型別累積報告数(遺伝子型が同定・報告された症例のみ):35例
D4:4例_感染地域:千葉県1例、東京都1例、東京都/ベトナム1例、大阪府/英国1例
D8:24例_感染地域:愛知県10例、千葉県4例、山梨県2例、岐阜県2例、都道府県不明5例、タイ1例
D9:7例_感染地域:岡山県4例、千葉県1例、東京都1例、フィリピン1例
|
(補)他に、麻しん1例の報告があったが削除予定。また、2012年第7週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例〔菌種:S. sonnei(D群)_感染地域:国内(都道府県不明)〕、マラリア1例(三日熱_感染地域:パプアニューギニア)、レジオネラ症4例〔感染地域:神奈川県2例(温泉2例)、山形県1例(温泉)、国内(都道府県不明)1例(温泉)〕、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスA型2例_年齢群:5歳(2例).病原体不明4例_年齢群:0歳(1例)、2歳(1例)、4歳(1例)、9歳(1例)〕、クロイツフェルト・ヤコブ病2例(孤発性プリオン病古典型2例.死亡2例)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例〔3歳(1例)、60代(1例)、70代(1例)、80代(1例)〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:尿)などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では埼玉県(45.29)、秋田県(44.20)、大分県(41.36)、千葉県(39.54)、新潟県(38.08)、佐賀県(36.62)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,340例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約77%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では富山県(0.79)、宮崎県(0.75)、新潟県(0.73)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では富山県(6.93)、大分県(4.69)、福井県(4.41)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(14.6)、熊本県(12.5)、広島県(11.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(4.08)、鹿児島県(3.07)、宮城県(2.72)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では富山県(1.10)、福井県(0.68)、沖縄県(0.50)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では鳥取県(1.26)、高知県(0.87)、愛媛県(0.49)が多い。百日咳の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では沖縄県(0.35)、栃木県(0.08)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では岩手県(0.13)、三重県(0.07)、福井県(0.05)、鳥取県(0.05)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では山形県(2.33)、徳島県(1.70)、新潟県(1.37)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では埼玉県(4.22)、福島県(4.14)、栃木県(2.29)、沖縄県(2.29)が多い。
|