国立感染症研究所 感染症情報センター
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Q3. 感染症の潜伏期間が予想される時期の予防接種について


 対象:生後5か月児。10日前にムンプス発症児と接触。

 接種日の午前かかりつけ医受診。保育園入園前なのでポリオの予防接種をうけるように勧められ保健所来訪。接種するかどうかの判断が難しかったが接種。ムンプスなどとの明らかな接触があった場合は接種を延期するか、保育園入園を控えているので、予防接種を優先すべきか。


(小児科医師)


答え


 患者さんとの接触の度合いをよく聞いて、明らかに潜伏期にあると思われる場合は、接種を控えます。ただし、ムンプスの場合、0歳児であれば、不顕性感染も多く、耳下腺炎を発症する頻度は年長児に比べると低いと考えられます。生後5か月ですと、母親の罹患歴なども関連するかもしれません。

 一方、保育所に通うとなると、周りの多くがポリオワクチンを飲んでいて、便中にワクチンウイルスを排泄していることになり、先日報告されたワクチン未接種者のワクチンウイルスによる麻痺発症なども考え合わせて、接種医の先生は、ポリオワクチンの接種を選択された可能性があります。あるいは本人とムンプス患者さんとの接触の度合いを問診して、接触が濃厚ではなかったと判断された可能性もあります。

 直接お話しを伺っておりませんので、ここまでの回答しかできません。ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。



(2010/5/28 IDSC 更新)

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