Vol.1 (1980/7[005])
痘そう根絶後,ヒトのサル痘が注目されるようになった。本症は1970年代中央アフリカで知られ,臨床的には痘そうとそっくりであるが,疫学がちがう。今まで47例報告されているが,38例はザイールで,他はナイゼリア,リベリア,シェラレオネ,象牙海岸などで発生した。いずれも熱帯降雨林地帯で起こり,患者の83%は10才以下の小児,家庭内二次罹患率は7.5%(痘そう25−40%)と低いので,大流行は起こるまい。致命率は17%であるが,種痘による予防が可能である。 (WHO/SE/80.153)