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衛研から,CF抗原がうまくできないという問合せがありましたので,現在中検で行っている作製法と力価基準を紹介します。
CF抗原
ふ化鶏卵は抗生物質を含まない飼料で飼育したニワトリの有精卵を用いる。8日令ふ化鶏卵の漿尿腔に103〜106希釈のオウム病クラミディアを0.2ml接種する。希釈液には抗生物質を加えてはいけない。接種する希釈液の濃度は6日後に1/4〜1/3の卵が死亡するのがよい。
37℃で6日間培養した後,4℃の氷室に1夜おき,翌日漿尿液を採取する。3日以内に死亡した卵は除外するが,4日以後死亡した卵は採取する。死亡した卵は,基本小体が多数含まれ,HA価が高いことが多い。スメヤーを作りギムザ染色で基本小体が多数含まれているものか,又はHA*を測定し,抗原希釈濃度で1:16以上の力価を示した漿尿液をプールする。生理食塩水で希釈した5%石炭酸液を終末濃度が1%になるように加え,4℃に10日間おき,その間毎日振盪する。石炭酸不活化後2180×gで1時間遠心,沈渣に全量の1/5のPBSを加えて濃縮し,0.02%に窒化ソーダを加えて4℃に保存するか凍結乾燥し4℃に保存する。CF抗原価1:16以上のものを使用する。
CF抗血清
免疫原:2〜3週マウスの脳内にオウム病クラミディアを0.03ml接種する。発症瀕死時に採脳し,5%脱脂乳で10%脳乳剤を作る。
マウスのコロニーは時としてマウス固有のクラミディアの不顕性感染を受けていることがあるので注意しなければならない。また,抗生物質を含まない飼料で飼育する必要がある。
免疫は体重350〜400のモルモットを用い,以下のスケジュールで免疫する。
1.免疫前の採血をおこなう。
2.第1日 胸腔部の皮内に上記抗原原液 0.5ml
3.第14日 腹腔内 2.0ml
4.第17日 腹腔内 2.0ml
5.第21日 腹腔内 2.0ml
6.第25日 腹腔内 2.0ml
7.第30日 筋肉内 2.0ml
8.第42日 試験採血をおこなう。
1:128以上のCF価の血清が得られない時は,腹腔内に2.0mlまたは筋肉内にフロイドアジュバンド2.0mlで追加免疫する。最少力価1:128,防腐剤を加えてはいけない。−20℃で凍結保存するか,凍結乾燥して4℃に保存する。
*ウイルス実験学各論 国立予防衛生研究所学友会編 丸善 304ページ参照
〔血球凝集が弱いので試験管で凝集を見た方が良い。〕
予研 ウイルス中央検査部 赤尾 頼幸
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