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Vol.1 (1980/12[010])

<外国情報>
カナダにおけるサルモネラ調査(1979)


 1979年には8704株の分離報告例があり,前年度の8474にくらべて3%程度上まわっている。同様に,医師から統計局へのサルモネラ症報告数は7581であって,前年度の6693例に対して13%程の上昇である。いずれにせよこれらの上昇率は,この数年における人口増加率(ほぼ1%)を上まわっている。

 ある血清型は非常に稀であり,カナダでは初分離のものもあったが,大部分はありふれたもので,S.typhimuriumが一番頻度が高い(39%)。それらの感染の大部分はカナダ国内で罹患したものであるが,すくなくとも71名は国外旅行中に罹患してもちかえったものである。ことにその27%はカリブ海地区における旅行の結果である。こうした輸入感染症は2〜4月にかけて多発し,71例中48例はオンタリオで報告されている。

 ヒト由来血清型のあるものについて疫学調査がなされ,興味ある関係のみられたものもある。ヒトからのS.hadarの分離例が増加しているが,これは七面鳥との関係が注目されている。S.ohioは最初ヒトから分離されたが,本来は食品由来であり,食品からのサンプリング技術が不適当であった。また,下水からのS.javianaの発見は,この菌に対しては環境サンプリングが有効であることを支持している。事実,食品サンプリングによっては検出できなかった。食品についていえば,国内産のものより輸入食品について,より広範なサンプリングがなされることが必要である。

 1979年度における42の比較的大きい流行において,その多くがチキンと七面鳥を原因食としている。その他では,ミルク,コーンミールと卵の混合物,ケーキ,ホットドッグ,ポテトサラダ,ハムなどである。媒介体の確認できなかった例が50%に及んでおり,その理由は,調査に必要な食品がのこされていなかったのか,あるいは,当局が報告をうけた時点が,事故発生後あまりにも時間がたっており,信頼すべき食品歴が得られなかったためである。

(WHO.W.E.R.,No.44,31,Oct.1980)






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