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Vol.2 (1981/8[018])

<国内情報>
日本脳炎について


今年もそろそろ日本脳炎発生シーズンを迎えたが,当課では全国各都道府県,指定都市における日本脳炎患者発生状況及びブタの血清抗体価陽性率をおおむね旬報の形で報告していく予定である。

患者の発生状況は,疑似患者と真性患者に分けて報告する予定である。

なお,疑似患者は臨床的に日本脳炎と診断されたものであって血清学的,ウイルス学的診断により他の疾病として診断されれば転症という形になる。真性患者は,血清学的,ウイルス学的に日本脳炎ウイルス感染の診断がついたものである。

一方,ブタ情報は昭和41年度より流行予測事業の一環として実施されており,と畜場のブタ血清の日本脳炎ウイルスに対するHI抗体価を測定するとともに,その抗体の2−メルカプトエタノール感受性を測定して新鮮感染かどうかを調べるものである。ブタは日本脳炎ウイルス伝播の増幅器と考えられており,本事業のブタの抗体価調査は日本脳炎ウイルスの侵淫度の指標となり,本ウイルスの汚染の警報の有力な手段を提供している。

(1) ブタ情報

富山,滋賀,兵庫,奈良,島根,山口,香川,愛媛,福岡,佐賀,長崎,熊本,宮崎の各県は,抗体価保有率は0である。千葉,大分,鹿児島,沖縄の各県は抗体陽性ブタが検出されているものの,10%以下と低値である。

(2) 患者情報

現在まで,9人の疑似患者の発生報告があった。うち5人が転症となった。

日本脳炎患者は,47年以降100人を割り,52年には4人になったが,53年には74人に増加した。昨年は減少して28人になっている。地域別にみると,九州・中国・四国地方を中心とする西日本地区に多発しており,熊本県は10人でトップになっている。



厚生省保健情報課


全国日本脳炎情報





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