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世界には最後進国(LDCs)と呼ばれる国々が31あるが,そこでは貧困の中に生まれた1000人の子供のうち200人は1年以内に死亡し,100人は5才になる前に死亡し,40才まで生存するものは500人にすぎない。平均寿命は45であって,他の一般開発途上国の60,先進工業国の72と比較される。上記の統計や関連統計は,LDCsを捉えている悪循環の現実を漠然と反映しているにすぎないが,貧困,栄養不良,疾病そして絶望が彼らのエネルギーを奪い,活動能力を減少せしめ,そして将来計画への可能性を制限している。
1981年9月1日から14日にかけて,パリで開催された最後進国に関する国連会議は,彼らの飢餓と貧困の解決に援助する方法と手段を工夫することにあった。この会議は,1979年6月にマニラで開催された国連会議での課題を正式に採択し,最終的なものにするためであった。
先進国の開発途上国への開発援助は,1988年までにはGNPの0.7%になるよう国連としては目標を置いているが,この会議のホスト役であるフランスをはじめ他の供与国は,この目標達成の意志のあることを再確認している。こうした援助額の一般的上昇に伴って,LDCsへの援助額も上昇してくるはずであるが,そうした供与国の大部分は来年度はGNPの0.15%を,とくにLDCsにふりむけることを意図している。他の国々も,LDCsへの援助を倍にするという。以上を総合してみると,LDCsへの正式開発援助の努力は過去5年間に比較して,1985年には倍になることが約束されることになる。
(WHO Chronicle,35;223-226,1981)
資料1.国連によって指定されているLDCs
資料2.保健ならびに関連社会経済指標
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