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Vol.3 (1982/10[032])

<外国情報>
麻痺性貝中毒の調査(カナダ)


 1974〜1981の8年間(1978年を除く),毎年のように麻痺性貝中毒の発生があり,計113例が報告された。年度別にはその数はまちまちで,1974年にはセントローレンス河口で,43名以上の患者をみた大発生があり,しかし1975年にはBritish Columbia沿岸でのたった1名の報告があるにすぎない。毒貝は,British Columbia沿岸,Funday湾(New BrunswickとNova Scotia)とセントローレンス河口で消費されているが,報告例の多く(59.61%以上)はQuebecで記録されており,1974年に2名,1980,1981年にはそれぞれ1名の死者があった。潜伏期間は15分から19時間で平均1時間程である。回復は12時間から数日で,平均36時間となっている。主たる症状頻度は下記のようである。

 口腔,口唇,顔面,四肢末端の腫張と麻痺 97%

嘔吐        49%

起立,座居困難   39%

呼吸困難      34%

はきけ       28%

運動筋肉の共同不能 25%

発生困難      25%

めまい       20%

頭痛        18%

浮遊感       15%

歩行困難      11%

貝の種類としては,東海岸でははまぐり,おおのがい,北極くさび貝など,西海岸ではバター貝などである。貝の毒性は調理によってそれ程かわらず,平均3500μg/100gである。しかし,同じ毒貝を食しても発病するのはうち75%程の人である。そして同時にアルコールを摂ったか否か,性,年齢等にも影響される。

(WHO,WER,57,33,254,1982)






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