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Vol.3 (1982/11[033])

<外国情報>
英国のジフテリア患者


ウインチェスターの免疫のない3才女児が喉頭炎と枯声で入院,7日後(8月20日)死亡,Corynebacterium diphtheriae var mitis(庶糖分解型)とレンサ球菌が喉から分離された。患者は軍人の家族で兵舎の他の多数と接触があり,6名の保菌者が発見された。これは英国では1975年以来初めてのジフテリア死亡例である。次いで9月初め,ロンドンで5才のバングラディッシュ児が発症,気管切開を受けた。上記と同一菌が患児および7才と3才の姉弟の喉から分離された。上記の例との明確な関連は得られていない。

英国ではジフテリア予防接種は1940年に始まった。この際,46281(死亡2480)あった報告例が1950年には962(死亡49),1970年には22(3)と低下し,78,79年には報告0,1980年は5,1981年は2例であった。最近の報告は輸入例による小流行が多い。1981年の予防接種率は約84%で,報告例の多くはワクチンを接種されていない者である。

(CDR82/33,34,35)






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