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Vol.4 (1983/7[041])

<国内情報>
鳥取県で流行中のエコーウイルス30型による無菌性髄膜炎


1.1982年10月〜1983年3月の状況

 この期間に5名からEcho-30が分離された。Echo-30は10,11月に無菌性髄膜炎,10,3月に胃腸炎,2月に上気道炎の患児より分離された。

 鳥取県は東,中,西の3地区に分けられるが,5名のうち4名は東部,1名は西部で分離された。

 4名から分離された病院の検査室から得られた血清を用いて,4倍スクリーニングで中和抗体保有状況を調べた(表)。1982年4月〜6月初めに得られた18才以下の血清140件では抗体保有者はなかった。1983年4月〜5月に得られた血清では9才以下30/70(43%),10〜15才6/37(16%)が抗体を保有しており,この1年間に9才以下を中心に流行したことが推察された。

2.現在流行中の無菌性髄膜炎

 1)現在の流行は3月まで分離のなかった県中部の広い範囲でみられる。4月25日初発以来4月2名,5月14名,6月(14日現在)21名の入院患者があり,その後も患者発生は続いている。6月14日現在,東・西部での報告はない。

 2)罹患者の年令は3〜15才にわたり,4〜9才特に6,7才に多い。今のところ成人罹患例はない。

 3)小学校,保育園での同胞感染もみられる。

 4)症状は軽く,約1週間で治癒し,後遺症もなく予後良好である。髄液中の細胞数も多く,不全型はないようである。発熱は38℃台のものが多い。

 5)ヘルパンギーナ様口内疹を伴うものもみられる。

 6)発疹のある患者はみられない。

 7)ウイルス検査:5月から6月初めにかけて11名から15件の髄液が得られ,5名5件からEcho-30が分離された。今回の髄膜炎は髄液からの分離が良いように思われる。AGMK,Vero,FL,HEp-2の4細胞系で分離を行ったが,全てFL細胞で分離された。5名中1名はHEp-2細胞でも分離された。シュミットプール血清およびEcho-30単味血清での同定は容易であった。



鳥取県衛生研究所 石田 茂,寺谷 巌








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