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1984年度第3四半期におけるイングランド,ウエールズのチフス・パラチフス発生状況をみると下記のごとく輸入症例が多い。
チフスの53症例は1983年の第3四半期の94に比較すれば少ないが,うち44は海外で罹患しており,パキスタン21,インド9,ナイジェリア4,イタリー3(全例シシリー島),モロッコ2,バングラデシュ,ガーナ,インドネシア,中東,不明それぞれ1である。9例は英国で罹患し,アジア人3例は家族中にアジア人排菌者2人をもっていた。残り4例中3人は親しい友人の菜食主義者であった。
パラチフスの27症例は前年同期の42に比較して少ないが,パラチフスA菌による14症例はすべて海外で罹患している。パキスタン5,インド3,スリランカ2,バングラデシュ,極東,ネパール,フィリピン1例ずつである。また,パラチフスB菌による13症例中11が海外で罹患しており,モロッコとトルコが2例ずつ,アルジェリア,バングラデシュ,キプロス,エジプト,フランス,パキスタンおよびスペインで罹患した例が1人ずつである。そして英国で罹患した例は2人にすぎない。
(CDR,84/43,1984)
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