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Vol.6 (1985/1[059])

<国内情報>
“ポリオウイルス1型野生株”愛知県に出現


愛知県で昭和59年6月7日に脳炎症状を伴った7歳女児の咽頭ぬぐい液からポリオウイルス1型が分離され,行政検査の依頼が予研腸内ウイルス部にあった。検査の結果,rctマーカーは(+),血清学的には非ワクチン様を示し,フィンガープリント法によるRNA解析で,T1RNaseオリゴヌクレオチド・マップはセビン株と完全に異なることが判明した。そこで,われわれはこの分離株を野生株と断定した。野生株が分離されてすでに6ヶ月以上も経過し,その間に周辺でのポリオ患者の発生もみられなかったので,現在は防疫上での問題はない。しかし,分離された野生株の由来については検討する必要があるので,地研を通じ愛知県衛生部へ患者についての疫学調査を依頼した。



予研 腸内ウイルス部 原 稔





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