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Vol.6 (1985/1[059])

<外国情報>
米国における赤痢菌分離状況,1983年


全米50州とコロンビア地区よりCDCの赤痢サーベイランス事業に寄せられる患者,無症状感染者,慢性,回復期保菌者からの赤痢菌分離報告数は,1983年度は14,946で,1982年度の13,523より10.5%の増加であるが,最多数を記録した1978年度の15,334よりも少ない。うち,血清型別されているのは14,089で,S. sonneiが65.8%を占めた。S. flexneriは増加がめだたず,S. flexneriの中の亜型の割合は1aが13.5%,1bが13.2%,2aが25.4%,3aが18.5%,6が11.3%である。特定の血清型が1地域に限って増加したわけではなく,1982年から1983年にかけてのS. sonneiの増加ではインディアナ州で35から193,メリーランド州で85から199,ミズーリ州で35から217,ニューヨーク州で134から899へと著増していた。ニューヨーク州での増加はニューヨーク市での発生がからんでいる。年齢別では2歳までが最高,年長児で低く成人は最低であった。20歳から29歳までの群は年長児その他の年齢層よりやや高く,また,男性よりも女性でやや高かったが,これは他の年齢層でも同様である。発病時の居住状況の記載がある報告は4,124(27.6%)に過ぎないが,そのうち施設居住者は49(1.2%),インディアン居留地の住民は54(1.3%)である。施設居住者よりの分離数のうち48(97.8%)はS. sonneiで,1(2.0%)はS. flexneriであり,インディアン居留地からの報告数のうち34(63.0%)はS. sonneiで,20(37%)はS. flexneriである。他に居住状況が判明している報告数のうち,2,918(74.4%)がS. sonnei,936(23.9%)がS. flexneri,39(10%)がS. boydii,27(0.7%)がS. dysenteriaeであった。

(CDC,MMWR,33,No43,1984)






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