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Vol.6 (1985/2[060])

<外国情報>
麻痺型ポリオ,1982年および1983年−米国


1984年6月までに,1982および83年に発生した例として21例の麻痺型ポリオが報告された。1982年が9例,1983年が12例である。全例が疫学的および実験室成績でワクチン関連症例と分類された。

1例は22歳のワクチン非接種男性で,ワクチン投与者と接触歴がなく,散発例だが,糞便からワクチン様2型ウイルスが分離された。8例は初回生ワク投与者で,うち7は2〜4ヶ月齢(初回投与該当月齢)である。全例からワクチン様ポリオウイルスが分離され,5例は3型,1例は2型,1例と2と3型,1例は1と3型であった。

6例はワクチン投与者との家庭内接触例で,5例は初回生ワク投与者の親,1例は41/2月齢の兄弟。他の接触例6例は2回目の生ワク投与児と一緒に住む子供。発症した親のうち2例はワクチン歴なく,残り3例は部分的に免疫をうけていた。6接触感染例中4例からワクチン様ウイルスを分離,残り2例中1例は血清学的に確認された。

3例が免疫不全者に分類された。2例は初回生ワク投与後に,3人目は4回目の投与後に麻痺を生じた。免疫抑制薬剤治療による患者発生はなかった。

編者註:ワクチン使用前1950年代はポリオ患者は年間2万例以上に達していたが,最近10年間は年間報告数は25例以下である。ポリオ自然感染が低下したのでワクチン関連症例がめだつようになった。新しい検査法が分離株の識別に組織的に利用されている。1982〜83年は麻痺型ポリオ患者がすべてワクチン関連症例となった初めての年である。ワクチン関連ポリオは,まれだが広範な使用では予想される。1972〜83年に278.8百万dosesの生ポリオワクチンが米国中に供給された。この間免疫的に明らかに正常な者のワクチン関連症例が87例報告された。32例がワクチン投与者(1:8.7百万供給doses),55例が接触例(1:5.1百万)である。

ワクチン投与者および接触者について感受性者数がわからないので,ワクチン関連ポリオの真のリスクを正確にきめることはできない。供給量と患者数の比がラフにワクチン関連ポリオのリスクと稀少性を示している。

ワクチン問題諮問委員会は全体的利益とリスクを考えた上,生ワクを米国における基礎免疫手段として使用することを引き続き推奨している。生ワク使用はまた,米国小児科感染症委員会および医学研究所特別専門委員会においても認められている。

(CDC,MMWR,33,No.45,1984)






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