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1983年3月,米国Public Health Service(PHS)はAIDSリスク者はプラズマまたは血液の提供をやめるよう勧告した。これは米国のAIDSの約2%を占める血液または血液製剤起因のAIDSのリスクを低下させるためであった。
この勧告後,HTLV−VがAIDSの病因であることがわかり,これに対する抗体を検出するELISAが開発された。1985年1月,PHSは血液,プラズマについてこの抗体のスクリーニングをおこなう暫定的勧告をだした。3月初旬ELISAキットが製造許可され市販された。
4月22日〜5月19日までの4週のテスト結果について,131の血液センター/銀行が593,831単位の血液のスクリーニング結果を報告した。1回目陽性例が5,313単位(0.89%),1,484単位(0.25%)がくりかえし陽性だった。地域により,0.08%〜0.32%の範囲で差があった(2回の独立したELISA試験−だぶって同時かまたは時を違えて−が共に陽性の場合くりかえし陽性とされる。3回試験して2回陽性のものもくりかえし陽性とされる)。
註:このデータは1月間に米国で集められる血液全体の約70%にあたる。これは全国的にすばやく抗体をスクリーニングする手段である。初めての結果なので今後変更もありうる。この結果からは,くりかえし陽性例のどの程度が真のHTLV−V感染を示すか,または非特異陽性がわからない。スクリーニング結果と関連する他のデータおよびウエスタンブロットのような他の方法が1985年7月31日NIHにおいて開催される会議で発表される予定。
(CDC,MMWR,34,No.25,1985)
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