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Vol.6 (1985/8[066])

<外国情報>
ロッキー山紅斑熱(RMSF),1984−米国


1984年分として847例(0.36/10万人口)のRMSFがMMWRに報告された。最高はオクラホマ(119,3.6/10万),その他多い州はノースカロライナ,サウスカロライナ,アーカンソー,テネシー,モンタナ,バージニアおよびジョージアである。

調査票が提出された717例(85%)のうち399(56%)が血清診断,リケッチア分離または生・剖検材料のFA染色で確認された。血清診断はシングル検体ではCF価1:16以上か間接蛍光抗体価(IFA)1:64以上,ペア検体ではCF,IFA,マイクロ凝集反応(MA),ラテックス凝集反応(LA)または間接HA(IHA)における4倍以上の上昇とした。残りの66例(9%)は凝似と診断された者で,シングル検体でワイルフェリックス試験(Proteus OX-19またはOX-2)で1:320以上またはLA,MA,IHAで1:128以上の者であり,他の252例(35%)は臨床診断のみである。96%は4〜9月の間に発症している。

20歳以下が51%,男性が61%,白人が91%,症状は発熱(96%),頭痛(90%),筋痛(86%),発疹(84%),手のひらや足の裏の発疹(61%)。75%が入院した。致死率(3.6%)は年長者およびテラマイシンまたはクロラムフェニコール投与を受けなかった者に高かった。情報の分った613例中どちらの薬剤も投与されなかったのは13例のみでこのうち3(23%)が死亡したが,一方投与をうけた600名では16(3%)の死亡であった。30歳以上の死亡率が6.5%,30歳以下では2.0%だった。

註:RMSFは米国で最も多く報告されるリケッチア感染で,ダニにより伝播される。発生は4月に増加しはじめ,5〜6月に最高となる。1970年代に急速に増加後,1977〜81年は横ばい状態であったが,1984年には25%減少した。理由は不明だが,多くの地域で4〜9月に均等に減少しているから報告の誤差ではないだろう。1920年に報告開始以来2度目の多発の周期的パターンの減少期かもしれない。

確認前に治療を開始するとしても,類似症状を示す他の疾病と区別するために血清学的または他の方法による患者の検査室診断が必須である。これは国内RMSFサーベイランスの正確度を高めるためにも重要である。最近の研究によると,常在地域の臨床診断の少なくとも36%はRMSFではないので,検査の必要性が強調される。

RMSFに対するワクチンはない。RMSFはダニにさらされた可能性のあるヒトを精査することで最もよく防御できる。もし発見したら,ダニをピンセットでつまみ,静かにしっかりとひっぱる。ダニの分泌物は感染性でありうるので,手は常に洗うこと,特に常在地の春夏期間,またはダニに刺されたか,暴露された後3〜12日間はRMSFを疑い,発熱,筋痛,頭痛を生じたヒトはたとえ発疹がなくても処置すべきである。発病早期にクロラムフェニコールまたはテラマイシン投与ができなかった場合,RMSFによる死亡の危険性が高い。

(CDC,MMWR,34,No.14,1985)









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