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AIDS感染経路は性交,血液または血液製剤および周産期の母子感染によることがしられている。米国で1985年9月16日までにCDCに報告された13061のAIDS患者中,性交のみがリスク因子の者は8374(64%)であり,このうち8241がhomoまたはbisexual男性,133がheterosexualの男女である。heterosexual-contact例とはAIDSリスク群には属さないが,異性のリスク群またはAIDS患者と性的関係を持った者である。この群に属する者の割合はずっとかわらない。133名中女118,男15で大部分が麻薬常用者と性交を持ったといっている。
総AIDS患者中829はHTLV−V/LAV感染のリスクを持たない。このうち344はAIDSの存在が知られている開発途上国で生まれた。残り485の割合はずっと不変である。このうち99について詳細な聞き取り調査がなされた。男性68中23(34%)は売春婦と性交をもったことがあった。女性31中1(3%)は売春婦だったことがある。
米国の売春婦の血清調査ではシアトルの92中5(5%)が2社のEIAキットでHTLV−V抗体陽性,マイアミではAIDSスクリーニング診療所に来診した25中10(40%)がEIAおよびウエスタンブロット試験で陽性,この10人中8は麻薬常用歴があった。
米国ではリスク因子を持つheterosexualの男性からパートナーの女性への感染が多いが,開発途上国では女から男への感染が多く,売春婦が注目されている。ザイールではAIDS患者の男女比は1.1:1であり,アフリカ,ルワンダ,ベルギーの調査では,heterosexual男性患者について,売春婦との接触および相手の女性数の増加が有意にAIDSと関連が高く,また,マイアミおよびニューヨークのハイチ人の研究でも売春婦との接触及び性病罹患とAIDSの間に密接な関連がみられる。
(CDC,MMWR,34,No.37,1985)
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