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Vol.6 (1985/10[068])

<外国情報>
AIDS抗体測定に関するワークショップ


HTLV−Vの抗体を検出するEIA(Enzyme immunoassay)血清検査は高感度で特異的であることが,1985年7月31日の上記ワークショップで報告された。FDAは6月16日までに155のセンターで集めた1.1百万単位について蓄積した結果を報告した。2831(0.25%)が繰り返し陽性だった。陽性パターンは地域および使用したキットによって多少異なった。

アメリカ赤十字のアトランタ地区とCDCは,Abott EIA法で51000以上の供血者検査で0.23%が繰り返し陽性と報告した。繰返し陽性106検体中34(32%)は強陽性(cut off値に対する吸光度が7.0以上)で,このうち94%はウエスタンブロット試験陽性,56%はHTLV−V/LAVウイルス培養陽性だった。

初回陽性次回陰性の220人と初回EIA陰性のランダム検体50はいずれも上記2試験で陰性だった。EIA強陽性18名中16(89%)はrisk factor者,弱陽性者20はすべてrisk factorを持たなかった。

サンフランシスコ性病クリニック来診ホモ男性及び他の血清銀行の成績も上記とよく平行し,供血者のEIA陽性血清の約1/3が使用キットに関係なく強陽性とみられる。EIA弱陽性はウエスタンブロット陽性とは一致しないので,非特異反応と判断された。

以上供血者の約0.25%(1/400)がHTLV−V抗体陽性,約0.08%(1/1200)が強陽性であった。このように5ヶ月以内にHTLV−V抗体スクリーニングのための血清試験が導入され,これによりこの期間に米国中で感染の可能性のある約1000単位の血液を除外した。この試験を継続的に行うことおよび,high risk者の自発的供血辞退によって,供血からのAIDS感染の危険性を排除しうるだろう。この試験法の有効利用と評価がさらに進行中である。

(CDC,MMWR,34,No.31,1985)






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